電気を効果的・効率的に節約するためのまとめ
2011年3月の東日本大震災の残した爪痕の中でも最も深刻なのは、福島第一原発での事故に端を発する全国的な電力不足だといえます。
日本で使用されている電力の約三割をまかなっていた原発が稼働停止したことによって、電力不足に陥る可能性はさらに増大しているのです。
電気の節約は国民一人一人が意識を持ってやらなければ一定の効果を上げることはおぼつかないものです。
電気の節約を効果的に行うにはどのようなことに気を付ければいいのでしょうか?
主電源・コンセントを抜いて待機電力をカット
節電の基本は何と言っても「使っていない時の電力消費をカットする」ことでしょう。
電化製品は、主電源のスイッチが入ったらすぐに使える状態になるように、主電源が入っていない状態でも電力を消費しています。
これを「待機電力」といいますが、
待機電力の電力消費は主電源が入っているときよりも少ないけれど、コンセントが刺さっているだけで電力は確実に消費されているのです。
節電のためには、主電源だけでなくコンセントも抜いて消費電力を完全にゼロにしてしまうことが大事です。
ただし、冷蔵庫や家庭用サーバなどの電気を切ってはダメな機器のコンセントまで抜いてしまうのは節約でもなんでもありません。
冷蔵庫でもなんでも使いっぱなしにしない
電気製品はコンセントを刺しているだけでも電力を消費しますが、働いている時が一番電力を消費します。
つい冷蔵庫のドアをあけっぱなしにして食べ物や飲み物を探したり、テレビをつけっぱなしにしたまましたまま眠り込んでしまったりすることは意外とよくあるものです。
しかし、電気のつけっぱなし・使いっぱなしは水道の蛇口を全開にしたままにしているのと同じで電気の使用料金が嵩む原因になってしまいます。
冷蔵庫を開けるときは何を取り出すのかを先に決めて短時間で済ませる、集中してみていない時はテレビの電源を切る、万が一眠ってしまってもいいようにタイマーをセットするなど、電気の使いっぱなしを減らすようにすることが節約に大きく役立ちます。
LED照明はあまり節電にならない?
「電気をつける=照明を灯す」という式が成り立つほど、電気と照明の関係は密接なものです。
そして、消費電力の大きかった白熱電球も2012年中に生産終了となり蛍光灯とLED照明の二つが照明機器の主流となっています。
そして今、圧倒的な消費電力の少なさでLED電球・蛍光灯が照明の主流となろうとしていますが、実際の所、電球型蛍光灯と比べると総合的にはやや不利だったりするのです。
なぜかというとLED照明は「初期導入コストが高い」ということが言えるからです。
設備投資自体は電球ソケット・蛍光灯ソケットを流用できるので限りなくゼロに近いのですが、LED電球・LED蛍光灯自体が高いのです。
例えば、電球式蛍光灯が700円前後に対してLED電球の価格はその三倍相当の2400円以上です。
正直な話、一般家庭ではLED照明ではなく蛍光灯・電球型蛍光灯でも十分節電効果は得られるものといえます。
充電機器は充電完了したらすぐコンセントから外そう
携帯電話やスマートフォン、ノートパソコン、蓄電池などなど、停電時でもバッテリーの続く限り駆動する機器には充電機能が備わっています。
これらの機器へのバッテリーに充電するときは、どうしても家庭用コンセントに接続しなければなりません。
そして、バッテリーへの充電が完了すると今度はコンセントからの給電によって動くようになるのです。
つまり、充電が終わった後もコンセントに刺しっぱなしにしておくと電気の無駄遣いになってしまうのです。
携帯・スマホなどの充電機器は充電が終わり次第、早急にコンセントから外さなければなりません。
というよりもコンセントを使っている以上、使い終わったなら待機電力節約のために外すように心がけるべきです。
ブレーカーのアンペア数は下げるべきか?
最近注目されている節電方法の一つに、「ブレーカーのアンペア(A)数を下げる」というものがあります。
アンペア数は、一度に使える電気機器の数に関わるもので、家庭用電源の場合10Aから60Aまであります。
そして、電気の基本料金はブレーカーのアンペア数で決まり、アンペア数が大きければ大きいほど基本料金も高くなります。
つまり、ブレーカーのアンペア数を下げればその分だけ電気の基本料金が下がるし、使える電気機器の数が減るので節電になる、というわけです。
この手法は節電法として有効かどうかということですが、やり方さえ間違わなければ有効な方法といえます。
ブレーカーの役割は、必要以上に電力が流入することによって電気機器が破損してしまわないように電力供給をカットすることです。そしてアンペア数を下げれば、その分だけブレーカーも落ちやすくなってしまいます。
節約のためにブレーカーのアンペア数を下げるとしたら、60A契約なら30~40A、40Aなら20~30Aというように現状の契約アンペア数の半分までを目安にするべきでしょう。