ビジネスシューズの基礎知識
オーダースーツにお勧めの靴は、紐革靴です。何故なら、どんなシーンにも活躍できる万能靴だからです。
紐革靴には、外羽根と内羽根があります。
しかし、フォーマルなシーンでは、内羽根のストレートチップが昔からの定番です。
1853年にイギリスのヴィクトリア女王の夫、アルバート公がこのミドルブーツを考案したのがきっかけ。そこから英国紳士の間でフォーマルな室内執務用の靴として流行したのが始まりです。現在でもフォーマルな場の靴として、伝統は伝わっているのです。
どのような場でも履けるビジネスシューズなら、この内羽根が無難でしょう。
ストレートチップのつま先部分に小さな穴がデザインで空いているものと、そうでないものがあります。これはデザインの好みであって、穴のデザインの有無は、フォーマルな場所に関係ありません。
外羽根と内羽根の違いをここで解説しておきます。
[外羽根]紐を通す部分が羽根のように外開きになるのが「外羽根」と呼ばれているもの。
一方、内羽根とは、甲より上の部分に縫い目があるものです。縫い目に羽根部分が潜り込んで、その縫い目によって止められているため、紐を結んでいない状態でも靴の形がそんなに崩れないのが特徴です。
甲の高い人には、外羽根の方が、紐を結ぶときに甲の高さの調整がしやすいでしょう。
また、先端のカーブにもデザインがさまざまにあります。
穴のデザインが無い物でも、カーブの形で印象が大きく変わります。
普段のビジネスシーンなら、ストレートトップでなくても、先端のカーブの形で自分に似合う形の靴を選びましょう。
例えば、足の小さめの人は、ズボンの裾から出るつま先部分が短くなるので、つま先のとがったデザインのものがお勧めです。先端がとがったデザインのものは、同じサイズの靴でも先端のデザインの丸い靴に比べて長くなります。つま先の空き部分が長くなるからです。
フォーマルとカジュアルの場面に似合う靴
結婚式や会社の式典には、それ用の「一張羅の靴」を履いていくでしょう。
そして、普段のビジネスシーンの靴は、自分が好きなデザインで履きやすい靴が適当です。
でも、せっかく作ったオーダースーツに合わせる靴ですから、紐靴の方がお勧めです。
内羽根だと紐での調節の猶予が少ないからです。
でも、デザインによって足幅や甲の高さはそれぞれですから、一概にはいえません。
だから、自分に合った好きなデザインの靴を選びましょう。
昔から、「お洒落は足元から」といわれています。だからお洒落にスーツを着こなすには、靴選びも重要です。履きやすく、外羽根でも内羽根でもどちらでも良いので、好きなデザインの紐革靴を選びましょう。
靴は1日中履いているものです。足に合った靴を履いていないと、足の圧迫から健康を害すこともあるので気をつけたいものです。
[内羽根ストレートチップス]靴選びは、色と素材!
オーダースーツを何十着も持っていて、カラーもバリエーションも多い人は、めったにいないでしょう。あっても、春秋物、夏物、冬物を数着ずつくらい、かもしれません。スーツの色も無難な色、すなわち濃紺で、柄物でもストライプで、目立たない同系色のデザインといった感じでしょうか?
だから、スーツに合わせる靴も黒か茶が無難でしょう。
また、ビジネスシーンには革素材がお勧めです。革素材もさまざまな種類があります。
<靴革の種類>
・カーフ(牛革)
・コートヴァン(高級感があって扱いの難しい革。馬のお尻の革)
・カーフレザー(生後半年から2年の牛革。カーフよりも強度や厚みがある)
・スウェード(カジュアル度大でお洒落なジャケット似合う。カジュアルなスーツ向き)
同じスーツでも、靴やネクタイやワイシャツを変えるだけで、雰囲気が全く異なるスーツに変身です。
まとめ
スーツは、靴やベルトやネクタイの組み合わせ次第で、さまざまな場面での着こなしが可能となります。オーダースーツを作ってウキウキするだけでなく、靴やワイシャツの知識も身につけて、スーツを一層お洒落に着こなしましょう。
でも、靴の知識を身につけても、その靴が汚れていては、どんなお洒落な靴も台無しです。お洒落は足元から。靴を磨き、大切に履くことで、革が足にフィットしていきます。
良い靴は足に馴染むほど、革の色が素敵になり艶が出て一層上品さを増しますよ。