使えるものは何でも使おう!
厚生労働省は日本の母子家庭や父子家庭など「一人親家庭」の実態を把握するために定期的に調査を行っています。 平成18年度の全国母子世帯等調査によると、日本の母子世帯は約75万世帯で、85%が就労し、常用雇用は43%で臨時・パート雇用は44%、平均年収は213万円と報告されています。
平成18年度の国民生活基礎調査において、全世帯の平均年収が564万円であることから、母子家庭の収入は日本人全体の平均収入より低い傾向にあるといえます。
また、収入のこと以外でも母子家庭は困難を抱えます。 母子家庭のお母さん(シングルマザー)は子育てと仕事、家事などを一人でなにもかもやらなければならず、肉体的・精神的に強くなければつとまりません。しかし、「子供のため」とがんばっていても身体をこわしてしまったり、仕事が忙しくなりすぎたりと不測の事態は必ず起きるものです。
そういったときは、いろんな支援を受けるべきです! 母子家庭に対する支援は豊富にあるので、知っておいて損はありません。 ここで少しだけ勉強してみましょう。
知っておくべき母子家庭の支援制度
国の母子家庭支援策は大きく四つに分かれます。
- 子育てと生活支援
- 就業支援
- 養育費の確保
- 経済的支援
以下、これら四つについて簡単にご紹介します。
1. 子育てと生活支援
これは、母子家庭の親子が安心して生活できるようにする支援で、母親がなんらかの理由で子供の面倒を見られないときも家事援助や保育などのサービスが受けられるというものです。 この支援では家庭生活支援員を家に派遣してもらうか、母子生活支援施設という施設を利用するという二つの方法があります。前者は一時的に助けてほしい場合、後者は施設に入所し母子ともに支援を受けたい場合に利用されます。
2. 就業支援
シングルマザーが受けられる主な就業支援は以下のものです。
マザーズハローワーク
子育て女性の就職活動を支援するために、専門スタッフによる職業紹介が各地のハローワークで行われています。
教育訓練給付金
雇用保険制度で提供されている「就業のための教育訓練」を、雇用保険に入っていない母子家庭の母が受講した場合に給付金 が支給されます。
高等技能訓練促進費等の給付
母子家庭の母が経済的に自立するために必要な高等技能(資格)を習得する際の支援を行うため、高等技能訓練促進費が支給されます。対象となる資格は看護師や介護福祉士、保育士など就業に結びつきやすいものとなります。
3. 養育費の確保
母子家庭における安定した生活を確保するため、養育費を受け取れるようにすすめる支援がされています。 内容は、養育費の強制執行手続きを利用しやすくする、養育費取得のための裁判費用の貸付、「養育費の相場」の周知、離婚時の養育費取り決めを促す、などがあります。 養育費を確保することは重要ですね。
4. 経済的支援
そして、直接的な支援として最も重要なのがこちらの経済的支援です。
児童扶養手当制度
児童扶養手当は一人親家庭の児童のために支給される手当です。支給対象となるのは18歳に達して3月31日になるまでの児童を育てる親となります。手当の額は前年度の収入によって異なりますが130万円以下であれば全部支給の月41,550円、130~365万円であれば一部支給の9,810~41,540円が支給されます。
母子寡婦福祉貸付金
こちらは給付金が支給されるのでなく、利子が無利子か非常に低く、返済期間も3~20年と長期間な貸付金制度です。事業開始資金、修学資金、技能習得資金、住宅資金、生活資金、結婚資金などいろんな種類の貸付金があります。
まずは地元自治体に確認しよう
自分が支援を受けられるかどうかは別として、せっかくある支援制度を知らずに過ごすのはもったいないですね。
こうした支援制度は自治体ごとに詳細が異なる場合もあるので、まずは地元の役所・福祉事務所に行って確認するのが良いでしょう。
利用できるものは利用して、がんばれるところはがんばって、輝くシングルマザーを目指しましょう!
厚生労働省の母子家庭に関するページ
厚生労働省の母子家庭支援に関する取り組みがまとめられているページです。