申告漏れに注意!相続税対策4つのポイント|トピックスファロー

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2015年3月12日
申告漏れに注意!相続税対策4つのポイント

相続税の申告は面倒くさいし、金額が高額になることもあります。「相続税なんて納めなくてもばれないよ」と思う人もいるかもしれません。でも、ばれたらタダじゃ済まないのです。そこで、財産隠しに頼らない相続税対策をしましょう。

ファイナンシャルプランナー(AFP)兼WEBライター
  

相続税申告しないとどうなる?

相続に関する文章をたくさん書いていて思うことがあります。「中には、相続税の申告や納付をしない人がいるのだろうなぁ」と。

お金

手続きが煩雑すぎて挫折してしまうのか?それとも、「相続税払うなんてやってられない、ばれないでしょ」と思ってしまうのか?理由はさまざまだと思いますが、いろいろな理由で申告をしなかったり、実際とは違う申告をしたりする人がいるようです。

以後の文章において、こういうことを「申告漏れ」という言葉でくくります。申告漏れ、本当にばれないと思っていますか?そんなあなたに言いたいです。「痛い目見ますよ」と。

実際、毎年どれくらいの人が「痛い目」を見ているのか、データを用いて検証しましょう。2012年のデータですが、「申告漏れなどの可能性がある」として調査を行った件数は約14,000件、そのうち実際に申告漏れなどがあったのは約11,000件。

さらに重加算税(これについてはあとで詳しく説明します)を課されたのは約1,600件となっています(引用:「国税庁ホームページ」http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2012/sozoku_chosa/)。

申告漏れに至った理由は、先ほど述べたようにさまざまです。「できなかったのか」「できたけどやらなかったのか」「間違えたのか」など、その人なりの事情があるのでしょう。

しかし、身もふたもない言い方ですが、国税庁は時には非情です。申告漏れをした人には、ちゃんとペナルティが待っています。

では、どんなペナルティが待っているのか?そのあたりについてまとめてみました。

税金

申告漏れのペナルティとは?

延滞税
まず、申告漏れを指摘された場合に関連するのが、この延滞税です。相続財産に対し、年4.5%の金額で計算した金額が課されます。

過少申告加算税
これも申告漏れを指摘された場合に関連する税金です。修正申告を行って税金が増額した場合、その増額した税金の10%が課されます。

重加算税
申告漏れが重大で、なおかつ、悪意があったとみなされる場合に課される税金です。修正申告により増税した金額の35%が課されます。

逮捕
申告漏れが重大であり、もはや「財産隠し」といっても過言ではないケースの場合、逮捕される可能性もあります。

こうやって並べてみても、「タダじゃ済まされない」ということはお分かりいただけたかと思います。相続税がタダになる(ように見える)としても、あなたのその後の人生がタダじゃ済まなくなることもあるので、申告漏れには十分に気をつけましょう。

相続税

相続税対策はどうすればいいの?

こうやって書いてみると、「財産隠し」という形で相続税対策をやるのは、百害あって一利なし、ということがお分かりいただけるかと思います。

皆さんが思っている以上に国税庁の職員(国税専門官)の方の調査能力というのは優秀です。素人が思いつく方法で財産隠しをしたとしても、バレてしまうのが現実でしょう。悪いことは言いません、財産隠しなどするのはやめてください。

では、相続税対策はどうしたらいいか?という問題に行き着くと思います。そこで、現実的に対処しうる相続税対策について考えてみましょう。

相続財産の中に現金を作っておく
相続税は現金で支払うのが基本です。一定の条件が満たされれば、物納が認められる可能性もありますが、ダメだったときのことを考えると、相続財産の中に現金を作っておくことが賢明と言えるでしょう。

配偶者への贈与を行っておく
婚姻期間が20年以上の夫婦間において、居住用不動産又はそれを取得するための金銭の贈与をした場合、贈与税の計算をするときに、贈与財産の価格から2,000万円を控除することができます。

贈与税の基礎控除は110万円となっていますので、2,110万円までは贈与税が課税されません。しかもこの2,110万円は相続のときにも税金はかかりません(すでに妻のものになっているため)。

相続時精算課税制度を活用する
65歳以上の親または祖父母から20歳以上の子または孫へは2,500万円までは無税で財産を贈与することができます。ただし、2,500万円を越えると、越えた額ごとに一律で20%の贈与税が課されます。

実際に親または祖父母が他界し、相続が発生した場合どうなるのかをみてみましょう。贈与した財産の累計額をすべて相続財産にプラスし、支払った贈与税は相続税額から控除することになります。上手に活用できれば、相続税対策として有効かもしれません。

養子を迎える
養子を迎えると、相続税の基礎控除額を増やすことができます。平成27年1月1日からの場合は1人増えることに600万円、基礎控除額が増えることになります。養子を迎えるには、養子縁組をすればいいのですが、注意したいポイントがあります。

それは、相続税の計算上において、法定相続人の数に含めることができる養子の数には制限があるということです。
実子がいるときは1人、いないときは2人までと決まっています。

 こうやって並べ立ててみても、「自分たちの場合はどんな方法が使えるのかまったく分からない」と思う人もいらっしゃるかもしれません。

そういうときは遠慮なく専門家に聞きましょう。「いきなり専門家にお金払って頼むのはハードルが高い・・・」とお考えなら、銀行などがやっている無料相談会に行ってみるのも一つの手段です。

困ったときは専門家に相談

相続税の申告、納付はとても手続きが煩雑ですが、ちゃんとやっておかないといけないことの一つです。面倒だから、といっていい加減なことをしてしまうと、ペナルティが課せられるというのも頭の痛いところです。

そのため、生前からできることをしっかりしていく必要があります。自分だけの力だけではどうにもできないという人は、まずは専門家に相談しましょう。

著者:松沢未和

ファイナンシャルプランナー(AFP)兼WEBライター
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2014年にファイナンシャルプランナー(AFP)の資格を取得した兼業WEBライターです。もともと文章を書くことが大好きなので、この仕事を兼業として選びました。相続や保険の分野のお話をわかりやすくまとめてお話できればと思っています。これ以外にも、たくさん資格は持っているので、資格の取り方の話しもしたいところです。また、食べ歩きと旅行とコスメ研究が大好きです。日々の研鑽の成果!?を文章にぶつけていきたいです。至らない点がいろいろあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。