なぜ温泉はダイエットにも効果があるのか?
温泉に入る事で汗をかくから「痩せる」と思っている人も多いと思いますが、それは正解ではありません。
この理由では、水分を取ればすぐに戻ってしまい、痩せたとは言いにくいでしょう。
それでは、温泉の何がダイエットに通じるのでしょう。
その理由を知る事で、より効率の良いダイエットを行う事ができます。
基礎代謝のアップ
残念ながら温泉に入っただけで、筋肉量は増えませんが、冷え症の改善になります。
平熱を下回る「低体温」の状態では、体温が1℃下がるだけで基礎代謝が10%も減少。また酵素の活性化が抑えられ、脂肪が燃焼しにくくなっています。
暖かい温泉に浸かる事で、体温が上がり、基礎代謝のアップが望めるでしょう。
また、温泉に含まれる成分は、上がった後も長く保温効果が続き、体温がキープされやすくなります。
さらに、後述する『高温反復入浴法』では、42℃のお湯を推奨しています。
水道水を沸かしただけのお湯では、肌へびりびりとした刺激が強すぎると感じてしまいます。
しかし、お湯に溶けた成分がお湯の刺激を和らげ、42℃の高温でも温泉なら無理なく入れるようになります。
湯揉みで有名な草津温泉の温度は48℃。湯揉みで温度を下げていると思っている人も多いようですが、実は温度は下がっていません。
それでも、入れるのは温泉成分によるものです。
ストレス解消
人はストレスを感じると、肉や油、糖分が高い物を、「本能的」に欲しがってしまいます。
ストレスにさらされた脳は精神の安定のために脳内物質「セロトニン」を増産します。
そして「セロトニン」の原料となる「トリプトファン」はタンパク質の多い肉類に多く含まれています。
さらに、脳が栄養とできるのは糖分が変化した「ブドウ糖」のみ。
つまり、脳はストレスを解消する為に、肉や甘い物を自然と要求してしまう。
これが『ストレス太り』の正体という訳です。
温泉により、ストレスの解消ができれば、自然と食生活を改善する事ができるようになるでしょう。
基礎代謝を劇的にあげる『高温反復入浴法』
高温反復入浴法とは、『42℃前後の熱いお湯に何度も入る入浴法』の事です。
これにより、「血行促進」、「基礎代謝アップ」、脂肪を燃やす「褐色脂肪細胞の活性化」、胃の動きを抑える「食欲の制限」、ジョギング20分程度の「カロリー消費」を期待する事ができます。
ただし、この方法は、体に対する負担が大きい為、体調が思わしくない場合やアルコールを摂取した直後などは危険なので無理は厳禁です。
1.水分補給
水分の吸収には15分程度の時間が必要な為、「入浴の15分前」に行います。
水分の少ないドロドロの血液では正常な新陳代謝は望めませんし、最悪、脱水症状を起こして倒れる事もあります。
2.かかり湯(かぶり湯)を行う
温泉の中に汚れを持ち込まない最低限のマナーです。
また、脳貧血や心臓発作の予防。温泉の成分による刺激に慣れる意味もあります。
やり方は、足先など心臓から遠い位置から徐々にかけていくだけ。
1、2回では十分な効果は得られませんので、時間をかけて行います。
また、頭からお湯をかぶる「かぶり湯」にも、脳貧血による立ちくらみを防ぐ効果があります。
お風呂上りにクラクラしやすい人は試してみるのもいいでしょう。
3.「3分入って3分休む」を3セット
湯船につかる時間は、肩まで入って「1回3分~5分」。その後、湯船から上がって「3分~5分ほど休憩」。これを「3セット」繰り返します。
温泉に入る時はゆっくりと体を慣らしながら入浴するのが基本です。
場所にもよりますが、温泉から受ける水圧は約500kg。心臓付近だけでも80kgもの圧力を受けています。
この水圧がマッサージ効果をもたらしてくれますが、同時に心臓への大きな負担にもなります。
4.温泉の成分は流さない
浴槽から上がった後は、美肌や保温効果のある温泉の成分が肌に付着していますので、シャワーなどで洗い流すのはもったいないでしょう。
ただし、敏感肌の人は肌荒れの原因ともなりますので、洗い流した方が無難です。
5.もう一度、水分補給
入浴後に水分補給を行いますが、冷たい物を一気に飲むとせっかく上がった体温が下がってしまうので、注意が必要です。
湯治の作法に従うのなら、暖かいお茶を飲むのが良いとされています。
ダイエットは楽じゃない
一度試してもらえば実感できますが、初めはこの入浴法をキツイと感じる人がほとんどです。
「温泉にまで来て、キツイ思いはしたくない」というのであれば、多少効果は劣りますが、もう少し低い温度で、少し長めに入浴するだけでも効果はあります。