湯治の目的は『腰痛・膝の痛みなどの改善』や『ゆっくり過ごすため』
湯治をする人には、以下の3つの目的があります。
- 休養(病気予防)
- 保養(健康を維持)
- 療養(疾患を治す目的)
これを「温泉の三養」といい、「関節などの痛みを治すため」という印象が強いですが、農閑期にゆっくりしたい農家の人達も「湯治」と称して温泉宿で長期滞在をする場合も多くあります。
湯治の効能
「療養」を目的とした人たちの多くは、膝や股関節の痛みなどの関節痛、リウマチ、腰痛などの整形外科的疾患、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患、自律神経失調症、うつなどの神経疾患の治療に訪れ、若年~高齢者など幅広い年齢層の人たちに利用されています。
温泉療法医や看護師の存在
「温泉療法医」とは、日本温泉気候物理医学会が定める研修課程を修了し、認定を受けた医師のこと。
正しい温泉の利用の仕方気候・物理療養の指導を行い、湯治をする前に病院で受診が必要な場合もあります。
草津温泉では温泉療法医に湯治者がアドバイスや診察(有料)を受けることができ、玉川温泉では5~11月中旬の毎週火曜日、13:30~2時間程度、温泉療法医が施設に訪れ、無料で診察をおこなっています。
湯治だけで疾患が絶対に治る、とは断言できません
疾患によっては食事を含む生活改善を並行しておこなうことが大切であり、看護師等が生活の改善に対するアドバイスを行っている湯治場もあります。
秋田県の玉川温泉
看護師が常駐している診療所が施設内にあり、湯治方法などの相談や血圧測定などを無料で行います。
map ⇒ 玉川温泉
青森県の酸ヶ湯
看護師が食事や入浴方法などの相談に応じています。
map ⇒ 青森県の酸ヶ湯
湯治の方法
湯治場ごとで入湯方法が違います。「1日○回入浴する」というルールを決めている温泉施設や、基本的な正しい入浴方法を説明書きや口頭で説明して、自由に入浴が可能な温泉もあります。
「掛け湯」「入浴」「飲泉」が一般的な湯治の方法で、玉川温泉などでは「岩盤浴」を備えています。
体に良いとされる温泉でも入浴方法を間違えると、体調不良を招く原因になるため「湯治のしおり」等にか書かれているアドバイスを守り、自己管理することが大切です。
湯治の期間
湯治は10日間で「3日1廻り」「3廻り9日」で行われることが多いのですが、3日間など短期間の湯治プランもあり、病状や個人の都合で日数を決めることも可能です。
湯治の効果を実感するためには、2~3週間が理想とされています。
湯治するときの宿泊方法
温泉宿に泊まりがけで行う
「食事付き」と「素泊まり」があり、病状にあわせた食事管理が必要な人は「素泊まり」で食事は自炊するパターンがあります。
近隣のアパートなどに自炊して泊まる
湯治利用ができる日帰り入浴施設に通う場合など。
湯治場として代表的な草津温泉の湯治について
草津温泉の「時間湯」
ルールがしっかり決められている草津温泉での湯治は「千代の湯」と 「地蔵の湯」の二か所で行われます。
「時間湯」は幕末時代に草津温泉で始まり、「湯長」の号令に従って、毎日一定の時刻に3分間入湯します。
- かぶり湯
- 三分間入湯
- 蒸しタオル
この3つを基本に短期間で効率のよい湯治を目指すのが草津温泉の湯治。
「湯長」は正しい湯治方法を教えてくれる指導者
「湯長」は湯治前から湯治をおこなう人の健康状態をチェックし、湯もみで温度や濃度の調節をおこない、個々の症状に合った入湯方法の指導にあたります。入湯中も常に湯治者すべてに目を配り、事故を防ぐという責任重大な役目も果たし、食事や生活改善などのアドバイスもおこないます。
草津温泉の「湯長」は、実際に自身がケガや病気などで「時間湯湯治」を体験し、疾患等を克服した人が継承しています。大変さやツラさを理解してくれ、湯治で改善を実現した「希望の存在」でもあります。
草津温泉では560円で「時間湯」湯治体験ができる
草津温泉の湯治場では、高温だが新鮮な一番湯が利用者に人気です。ベテランの湯長が湯もみをしてつくる「新鮮な湯」がたっぷり注がれる湯治の湯は、共同浴場に数日通うよりも、1回の「時間湯」を体験するほうが効くとも言われています。
ただし、一番湯は病気や体の不調を治したいと真剣に湯治に取り組む人たちに用意する湯のため、湯治者の利用が優先されます。
浴場は混浴なので、女性はゴムつきのバスタオルの着用を!
map ⇒ 草津温泉