賃貸トラブル無く退去するためのコツとは
賃貸物件への入居で起こる賃貸トラブルには、近隣住人とのトラブルなど様々な物がありますが特に大きいのは退去時の敷金を巡るトラブルでしょう。
敷金は、一種の保証金で壁や床に穴が開くというような損傷があった場合に修理費用として積み立てておくもので、本来は退去時に返還される性質のお金です。
しかし、退去時に「クリーニングや修繕が必要になった」と言われて敷金が減額されたり、場合によっては追加請求されてしまうことさえあります。
このような事態に陥らないためには、どのようなことに気を付けて行けばいいのでしょうか?
入居前に部屋の写真を撮っておく
敷金でのトラブルは、「あなたの生活によってこのような損傷が起こった」という大家側の主張によって発生するものであると言っても過言ではないでしょう。
実際に部屋を損傷させていたのなら敷金の減額は仕方のないことといえますが、身に覚えのない損傷を持ち出されて敷金の減額や追加請求をされたのでは堪ったものではありません。
入居する前には必ず部屋の様子を撮影して、損傷の有無を確認できるようにしておくことが大事です。出来ればデジタルカメラではなくフィルム式カメラで撮影してネガごと保存しておきましょう。デジタルカメラで撮影した写真は改ざん出来るため証拠能力が低くなるのです。
床にカーペットやマットを敷く
最近の賃貸物件は、アパート・マンションを問わずフローリング床になっていることがほとんどです。一昔前まではツルツルしたビニール床だったものですが、いささか安っぽく感じられるためか高級感のあるフローリング床に張り替えることが多くなっているのです。
しかし、フローリング床はビニール床に比べて遥かに傷つきやすく小銭を落としただけでも凹みが出来てしまうことさえあります。フローリング材の補修材も市販されていますが、傷が多いと補修では間に合わず張り替え交換になってしまうのです。
フローリング床の場合は、あらかじめカーペットやマットを敷いておいて保護するように努めるのが無難です。
こまめに清掃する
人が住んでいる以上部屋が汚れていくのは仕方のないことですが、人が住んでいる時と住んでいない時では明らかに住んでいる時の方が汚れてしまうものです。
賃貸物件の場合、空室であっても管理会社や大家が部屋の掃除を定期的に行うのでひどくは汚れないものの、住人が入居した途端にありえないぐらい汚れてしまいクリーニング業者を入れなければならなくなったというのは良くある話です。
賃貸物件に入居中は、毎日とは言いませんが定期的に換気して掃除を行うことが大事です。特に換気扇の油汚れや風呂場のカビなどはきちんと掃除して取り除くようにします。
画鋲は出来れば使わない
賃貸契約では退去時に入居前の状態に戻す「原状回復義務」がありますが、畳や壁紙の色あせは経年劣化によるものとして原状回復義務には含まれません。
しかし、穴が開くとか焼け焦げが出来るというような状態は原状回復義務に含まれてしまい、敷金減額の根拠となってしまいます。
ポスターなどを部屋に張るときはつけ外しを繰り返せる両面テープなどを使うなどして、画鋲を出来るだけ使わないように心がけることも大事です。まして、壁に釘や金ネジを付けることは持ってのほかです。
同じ部屋に長く住むのも一つの手
賃貸契約は大体1年契約か2年契約で行って、契約満了が近づいて来たら引っ越すか契約更新して住み続けるかを選ぶことになります。
同じ部屋に住み続ける理由には学校や会社が近い、周辺に店が多くて便利、引っ越すお金がないなど様々ですが、長く住み続けることは敷金返還額を増やす効果もあるのです。
国土交通省の策定した賃貸物件のガイドラインでは、「長期間同じ物件住み続ければ壁紙等の価値は低下する」と定められているからです。また、長く住み続けることで管理会社や大家さんの心象も良くなります。