印鑑を持つことは社会人の証
中学や高校の卒業記念にPTAから印鑑を贈られたり、就職祝いに印鑑セットをプレゼントされたことがある人もいるでしょう。日本は“はんこ社会”とも言われていて、様々なシーンで印鑑が必要になります。
“自分用の印鑑を持つ”ということは、同時に社会人になった証でもあるのです。
印鑑の種類
中には印鑑を1本しか持っていなくて、どんなときでもその1本を使っている人もいるかもしれません。ですが、印鑑にはいくつかの種類があり、それぞれにしっかりと異なった役割を持っています。
認印
認印は、認めたことを証明する一番使用頻度の高い印鑑で、書留郵便や宅配荷物を受け取った際に使います。文房具屋さんや100円ショップでシャチハタなど手軽に使えるものが売っていますね。
本人が押印したと認められれば、法律上の効力は実印と同じになります。
銀行印
銀行印は、銀行や郵便局などの金融機関で口座を開設する際に使う、重要な印鑑です。
銀行印を使うときには印影を届け出る必要があり、同じものでなければ預金を引き出すことはできません。
実印
実印は、住民登録をしている市区町村役場に印鑑登録をしたもので、他の2つの印鑑と比べて一番確実です。契約書などの重要書類に使う印鑑なので、取り扱いや保管には細心の注意を払わなければいけません。また、実印にしようと印鑑を作っても、登録しなければ単なる“はんこ”になるため、注意しましょう。
仕事印を持とう!
絶対に必要なわけではありませんが、職場でよく印鑑を使う人は仕事印を1本持っていると便利ですよ。別名を営業印とも言い、サイズは男性用が13ミリ、女性用が12ミリになっています。また、“仕事が発展していくように”との意味を込めて、男女共に苗字を縦彫りにするのが、仕事印の特長です。少し立派な認印として使っても◎。仕事に対する熱意・責任感を示すためにも、しっかりした印鑑を持ちましょう。
印材
印材とは、印鑑を作るときに使われる材料のことを言います。仕事印には、本ツゲまたは黒水牛がお勧めです。
本ツゲ
将棋の駒の材料としても用いられているツゲは、とても緻密なため、印材にも適しています。軽くて使いやすく、値段も手頃なものが多いですよ。
黒水牛
黒水牛は、硬くて粘りのある印材です。欠けにくいので使いやすいですが、特に染色が施されている印材の場合、ひび割れしやすいので保管の際には十分注意しましょう。
書体
印鑑の書体は、印相体または篆書体(てんしょたい)が人気を集めています。どちらも、のびやかに広がる曲線が特長的で、印鑑にふさわしい書体と言えるでしょう。
印鑑を押すときに気をつけること
印鑑は、目的に応じてちゃんと使い分けることが大切です。使い方で、その人の仕事への取り組み方まで表れるものですからね。
印鑑を押すときの注意点をいくつかご紹介します。
欠けないように押す!
かすれたり欠けたりすることのないよう、しっかり丁寧に押しましょう。実印や銀行印の場合、ふちが欠けていると登録できないこともあるので要注意。また、押印に失敗したときは、印影を二重線で消してから、そのそばに押し直してください。
書類内容を確認してから押す!
仕事上で、大量の書類にはんこを押さなければならないとき、押印が流れ作業のようになっていませんか。内容をよく確認せずに押すのはいけません。特に契約書などは、とても重要なものなので、内容をしっかり吟味したうえで押印するようにしましょう。