【第40回】売れたら売上金をもらえる委託販売の仕組み|トピックスファロー

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2015年11月5日
【第40回】売れたら売上金をもらえる委託販売の仕組み

ブランドの知名度を上げるなら、委託販売も効果的です。こちらから提案できるように、ここで理解しておきましょう。

ファッションライター
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セールスは買取契約だけではない。

バイヤーへのセールスは商品を買い取ってもらうスタイルだけでなく、商品を貸し出して、売ってもらう委託というスタイルもあります。

ここでは、委託販売の内容とその効果的な利用方法を紹介します。
ブランドの知名度を上げるなら、委託販売も効果的です。こちらから提案できるように、ここで理解しておきましょう。
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買取と委託の違い

買取と呼ばれる取引が、ファッション業界では通常の取引条件です。
バイヤーから受注を取ることで生産して納品、納品した商品は売れ行きに関わらず、ブランドに戻ってくることなくセレクトショップ側が全て買い取るスタイル。これが買取と呼ばれています。

一方、委託とは、「委託販売」のことで、セレクトショップがブランドに代わって商品を販売してくれている状態のことを指します。
そのため、委託販売期間が過ぎれば、売れ残った商品はブランド側に戻ってくることとなり、売れた分だけ支払われることになります。
これが委託と呼ばれる条件です。

このように、セレクトショップとの取引条件は大きく分けて上記の二種類があります。

ブランド側としては、納品したもの全てを買ってもらえる買取の方が好条件ですが、状況によっては委託販売での契約をすることもあります。

一見、売れなかった商品が戻ってくる不利にも思える条件でも、ブランド側がより商品の展開する店舗を増やしたい場合などに利用します。

ショップ側にはノーリスク

セレクトショップからすると、売れた分だけ支払いをすればいいのでリスクがありません。

セレクトショップは常に商品ごとの売れ行きや消化率、在庫の数などをチェックしています。
在庫が多くなると、その分経営を悪化させることにつながるので、早く売り切ってしまい、新しい商品を入荷する資金にする必要があります。

そのため、抱えてしまった在庫は負担となり、セレクトショップにとってはリスクとなります。

それに比べて、委託販売であれば、売れ残っても在庫となる心配がありません。商品を並べる場所さえ提供するだけ、後は売れれば売り上げとなり、売れなければ返品するだけです。

そのため、有名ではないブランドでも、少し客層が違うような商品も、試験的に思い切った提案がお客さんに向けて行うことができます。

また、ブランド側が対応可能な分だけ、たくさん商品を並べることができるので、在庫を気にせず大量入荷でフェアを行うこともできます。

これにより、お客さんに注目してもらえることやニュース性を出せるなど、セール以外のイベントとしてアピールすることができます。

お試し感覚で取り入れてもらえる

ブランド側も、一見負担になりそうな委託販売を利用することで、よりセールスの成果を高めることができます。

委託販売であれば、セレクトショップ側がリスクなく入荷・販売ができるので、新しいブランドでも取り入れてもらえやすい特徴があります。

このため、営業をしても受注までの結果が得られなかったセレクトショップでも委託販売であれば、ブランドの取り扱いを承諾してくれることに期待できます。

商品の展開をしてもらえば、後はお客さんの反応次第。
新しいブランドとして、お客さんの反応が良く、売れるブランドだと印象付けることができれば、今後の受注へと繋がります。

また、委託販売を行ったセレクトショップが有名なお店であれば、お客さんにブランドの名前を覚えてもらえるキッカケにもなり、ブランドとしての知名度を上げる効果もあります。

また、全国にたくさんの店舗を持つセレクトショップであれば、全店舗で一斉に取り扱ってもらうことや、一週間ごとにそれぞれの店舗へ商品を回しながら取り扱ってもらうなど、在庫数とセレクトショップの規模で、売り方の工夫もできます。

たくさんの商品を並べて、イベントのように特集することで、セレクトショップ側もブランド側も話題となるメリットがあるので、たくさんのセレクトショップが行っている方法でもあります。

注意点は、契約条件はしっかりと詰める

委託販売の利用価値が分かったところで、気をつけなければならないことがあります。

それが、委託販売の条件内容です。

まず重要なのが掛け率です。
通常の買取の掛け率が定価の60%であれば、委託販売では65〜70%と高めに設定するようにしましょう。
これは、売れ残った在庫をブランド側が引き取る分、売れた商品の利益を高くする為です。

委託販売では、セレクトショップにリスクはありませんので、少しでもブランド側が有利となる掛け率を設定する必要があります。

また、期間を明確にしましょう。

シーズンが終わるまで、長い期間の委託販売であれば、売れ残った商品は来年まで売れる機会がなく、在庫として保管することになります。

在庫としての負担を減らすためにも、セールが本格的に始まる前には委託販売を終わらせ、売れ残りの商品を回収するようにしましょう。
そうすることで、売れ残った商品はセール価格などで、ネットショップで売るなど、在庫を減らす工夫ができます。

委託販売をする場合にも、ブランド側が負担になり過ぎないように、セレクトショップ側としっかりと話し合うようにすることが大切です。

委託販売で有名ブランドに


大きなセレクトショップなら、商品を置いてもらうだけで、効果的なブランドの宣伝となります。
買取だけでなく、委託販売も利用しながら、セールスの成果を上げていきましょう。
【連載】ファッションブランドの作り方

著者:yu-ki

ファッションライター
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英国にてロンドンコレクションブランドでのデザインアシスタント経験後、東京コレクションブランドのセールススタッフ、海外ブランドのPR会社を経てファッションライターに。
ファッション業界の内部での活動から得た情報やファッション業界だけの常識など、他の業界とは違う特殊な世界をご紹介致します。