若い女性にも多い膠原病「SLE-全身性エリテマトーデス」の症状と治療法とは|トピックスファロー

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2015年10月16日
若い女性にも多い膠原病「SLE-全身性エリテマトーデス」の症状と治療法とは

膠原病は女性に発症しやすいとご存知の人もいるのではないでしょうか?最近疲れやすい、微熱が続いているなど、体の異変を感じている人は一度検査をしてみたほうがいいかもしれません。膠原病のひとつ「SLE(全身性エリテマトーデス)」についてご紹介します。

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何となく続く不調を放置していませんか?

「熱が出る、だるい、疲れる、発疹が出る・・・」日常生活においてこのような症状は決して珍しいことではないでしょう。もともと蕁麻疹が出やすい体質であった筆者にとってもこのような症状が出た時は、ちょっと合わない食品でも食べてしまったかな?程度に考えてしまいした。しかしある日、いつまでもだらだらと続く発熱に、いつもの蕁麻疹の体調不良や風邪とは違うことに気づきました。 熱を測る女性

微熱とはいえ数ヶ月も続くのはどう考えてもおかしい。おまけに熱のせいなのか体が疲れて仕方がなくなり、病院へ行きました。

そこで血液検査を受けました。先生に「抗核抗体が少し高いですね」と言われました。

抗核抗体とは膠原病の人に多く現れる自己抗体の代表的なものとのことでした。膠原病とは細胞と細胞をつなげる結合組織に異常が生じる病気の総称です。

どうやら膠原病のひとつ「SLE(全身性エリテマトーデス)」の疑いがあるという事実がわかりました。あまり耳慣れない「SLE」という病気についてご紹介したいと思います。

全身性エリテマトーデスSLEってどんな病気?

「SLE(全身性エリテマトーデス)」は英語でsystemic lupus erythematosusといいます。

頭文字をとって「SLE」と略されます。Sは全身性という意味で、「SLE」は全身に様々な症状が出ます。Lは狼、Eは赤い斑点という意味で、皮膚に出る赤い発疹が狼に噛まれたような見た目から、このような名前になりました。

皮膚や内臓など全身に炎症が起きる病気です。20~30代の女性に発症しやすいです。

男女比は1対9と圧倒的に女性が多いといわれています。自分で自分の体を攻撃する自己抗体というものが作られてしまい、体の様々な部位に炎症が起きてしまう病気です。

SLEの症状はどんなもの?

・微熱が続く

数週間から数ヶ月の単位でだらだらと微熱が続く。

・関節が痛む

特に朝方、手指の関節の腫れや痛みが起こる。

・易疲労

疲れやすくいつもの仕事や家事をすることが困難になる。

・レイノー症状

冷たい水や寒い空気などの寒冷刺激により手足の指が、白→紫→赤(または白→赤)という具合に変色する現象。

・蝶形紅斑

鼻を中心に蝶が羽を広げたような赤みが両頬に出る。

・円板状ループス

顔、首頭皮、四肢に円形の隆起した赤い発疹が出る(よく狼に噛まれたような赤い発疹という風に例えられる)。

・ループス腎炎

SLEは全身の様々な臓器に炎症が起きるが、特に腎臓に障害を起こしやすい。

(SLEと診断された人は、腎臓に異常が出ていないか、定期的に血液検査、尿検査を受けることが大切)

症状の現れ方は人によって異なります。SLEの症状はじわじわと慢性的に進むことが多く、最初は風邪や慢性疲労などと勘違いしやすいです。

初期症状としては長引く微熱やだるさ、関節のこわばりが起こりやすいです。また、レイノー症状はその他の症状よりかなり先行して現れることもある症状です。手指の変色には注意をしてみてください。 ソファで休む女性

原因や治療法は?

原因はまだはっきりわかっていません。

しかし、発症のリスクになる因子としては、免疫異常、環境、紫外線曝露、ウィルス感染、外科手術、薬剤、遺伝、ホルモンなどがあります。

それらのいくつかの因子が重なって発症につながっているのではと考えられています。

原因が特定されていないため治療薬はありません。しかしステロイド薬で症状をコントロールすることができます。ステロイド薬が開発される前の1950年代には、死亡率が50%とSLEは危険な病気でした。

遺伝病なの?

筆者は先生に「家族に膠原病の人はいませんか?」と聞かれました。(もしかしてSLEは遺伝する病気なのか?だとしたら子供は・・・)と不安が頭をよぎりましたが、先生によると遺伝病ではないとのこと。病気自体が遺伝するのではなく、なりやすい体質が遺伝する可能性があるということでした。

女性に多いのはどうして?

SLEは圧倒的に女性に多い病気です。妊娠可能期の女性ホルモンの働きが活発な時期に発症する人が多いことから、女性ホルモンが何らかの影響を与えているのではと考えられています。

妊娠、出産への影響は?

SLEと診断された多くの女性が、医師の指導の下、元気な赤ちゃんを出産しています。心配しすぎる必要はないようです。

先生によると注意が必要なのは出産後だそうです。出産後は免疫機能が活発になるため自己抗体も活発になり、症状が悪化する場合があるとのことです。

日常生活で注意すること

SLEは症状が悪くなったり、良くなったりを繰り返す傾向があります。体に負担をかけると急に悪化してしまう場合があります。出来る限り症状を悪化させないためにも日常生活で注意することがあります。

・なるべく人ごみを避け、風邪を引かないようにする(風邪以外にもウィルス、細菌感染には注意する)

・保温をして血流をよくする

・紫外線を避ける

・睡眠をしっかりとる

・疲れやストレスをためない

忙しい生活を送っている人にとっては、疲れやストレスを避けることは難しいところもあると思います。しかし、できるだけ体に無理をさせないことをきちんと意識して生活することが大切とのことです。 カルテを持つ看護師さん

症状が出たら放置しないで医療機関へ

筆者は、抗核抗体も基準値を超えてはいるが心配するような数値ではなかった、引っ越しなどで疲れがたまり体調不良になった可能性もある、SLE特有の症状が顕著に現れてはいないこと、などから今回は“SLEの疑いがある”という状態でした。

念のため、2、3年に一度血液検査をすることをすすめられました。微熱や体調不良が続いているけれど、「仕事や家事が忙しくて」「微熱くらいならたいして不便もないし・・・」と症状を放置している人は、一度医療機関を受診してみてはいかがでしょうか。

先生によると原因不明の微熱が続くというのは、異常な状態だと思った方が良いそうです。

SLEに限らず、何かしらの病気が見つかる可能性があるかも知れません。

参考文献 主婦の友社編『よくわかる最新医学膠原病』(主婦の友社・2010)

著者:田中みか

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猫と温泉をこよなく愛するフリーライターです。
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