子宮筋腫ができる原因
婦人科系疾患に悩まされている女性は少なくはありません。
今回取り上げる子宮筋腫も例外でなく、成人女性の4~5人に1人は持っている疾患だといわれています。
30代から50代、特に40代の女性に好発するといわれていますが、最近は月経開始年齢が低年齢化してきたこともあり、20代の女性でも悩まされている人はいます。
参考文献:http://kinsyu-guide.kan9.net/basis/tendency.php
子宮筋腫とはどんな病気?
子宮筋腫とは子宮にできるコブで、良性の腫瘍です。確率は少ないですが、稀に悪性化するケースもありますので、定期的な診断は必要です。子宮筋腫があっても、みな同じ症状になるのではなく、筋腫ができる位置によって異なります。
・子宮の壁の肉に埋まってしまっている「筋層内子宮筋腫」
・子宮の外側にでき、子宮の筋肉の外側に突き出す形になる「漿膜下子宮筋腫」
・子宮の内側にでき、子宮の内側に突き出た形になる「粘膜下子宮筋腫」
参考文献:http://siqu.nokos.net/aboutsiq.html#shikyu01
具体的な症状
自分が筋腫をもっているかどうかを自覚していなくても、前兆として生理に関して今までと違うなと思うことが起きてきます。
・月経期間の長いと感じる。
・生理用品を頻繁にかえないと漏れてしまう。
・生理の時の排尿時に大きな血の塊が出る。
・健康診断で貧血でひっかかる。
・頻尿や、便秘がひどくなったりおり物の色に変化が出る。など
普段の体について、よく観察していると、筋腫をひどくさせる前に対処できると思います。私は、趣味の山登りで、登山時に息が異常に切れるようになってしまい、登りきるまでに相当体力を消耗してしまう状況でおかしいと思い、検査してもらうとやはり、血液の数値で貧血症状が出ました。
筋層内子宮筋腫
まず、子宮筋腫を持っている方で、一番なりやすいのが筋層内筋腫のようです。筋腫は1つでなく、複数個できることもあるので、手術をしても全部を取りきれないこともあるようです。症状としては、筋腫が小さいうちは、自覚症状がありませんが、大きくなると不妊症の原因になったり、生理痛や過多月経に悩まされることもあります。
漿膜下子宮筋腫
大きくなると膀胱や腸を圧迫するので、頻尿になったり、便秘になりやすいと言われています。筋腫が大きくならない限り自覚症状が出にくいと言われています。
粘膜下子宮筋腫
一番厄介な筋腫といわれていますが、子宮筋腫の中では最もなりにくいと言われています。筋腫が小さくても、貧血やめまいや過多月経に悩まされます。筋腫が大きくなるにつれてさらに症状がひどくなります。
粘膜下子宮筋腫と診断され10年
私は、この粘膜下子宮筋腫を患っています。血液検査で貧血の結果が出たことにより、婦人科系疾患を疑った方が良いとその当時のかかりつけの医師に告げられ、その医師の紹介の婦人科で検査をしたところ子宮筋腫があり、一番厄介な粘膜下子宮筋腫があると告げられました。
10年くらい患っています。最初は、2㎤程度のものでしたが、今は3.5㎤と子宮筋腫の大きさとしては大きくないのですが、筋腫が大きくなるにつれ、過多月経が悪化し生理周期が早まってきているのを感じます。
癌ではないので、子宮筋腫という診断結果を告げられてもあまり大したことはないと思い、治療に専念していない時期もありましたが、私の場合は造血剤を定期的に服用しないと、貧血の症状がひどくなってしまいました。
貧血をほっておくと日常生活にも支障をきたしますし、他の疾患を誘発する可能性もあります。医師からは、私のケースの子宮筋腫の摘出手術は難易度が高いと診断されているため、私の場合は筋腫があるから、すぐに摘出手術というわけにはいかないようです。
今は、造血剤の効果もあり、貧血症状は抑えられていますが、もし造血剤でも対応できなくなった場合は、手術という方法をとることも考えています。
参考文献:http://www.shikyuu-kinsyu.com/kiso/syoujou.html
治療方法はどのようなものがあるの?
子宮筋腫も大きさやできる部位によって、治療を必要とせず、経過観察の人もいます。しかし以下のような場合は、医師のもと適切な治療を行っていく必要があります。
・筋腫が臓器を圧迫する。
・急激に筋腫が大きくなる、痛みを強く感じる、など生活に支障をきたしている。
・妊娠を考えているが、筋腫が妨げになると判断された。
薬物療法には、月経困難症を緩和する鎮痛剤、貧血症状がある人は造血剤、筋腫を小さくするために女性ホルモンの分泌を抑えて月経を止めるホルモン剤治療もあります。
私は造血剤を飲んでいますが、便秘になりやすいのと、薬を飲むときにカフェインの入った飲料と一緒に飲んだりすると造血剤の効果がなくなるので、飲み物について気にかけています。
手術は、開腹手術だと、筋腫のみを取り除く手術、子宮全摘出で、子宮全体を取り出すので、筋腫はもちろんのこと子宮がんのリスクもなくなります。筋腫のみを取り除く手術は、筋腫は切除しても、再発する可能性があるので、その辺は本人の了承を得てからの手術になります。
開腹しない方法だと、腹腔鏡、子宮鏡の手術という方法が日本ではケースが多いです。ほかの方法の手術もありますが、日本では、症例が多くないようですので説明は割愛します。
腹腔鏡手術はおなかに小さな穴をあけて器具を挿入する方法、子宮鏡手術は子宮の入り口からカメラを入れて手術する方法です。
参考文献:http://www.shikyuu-kinsyu.com/hiyou/hukutitu.html
参考文献:http://www.shikyuu-kinsyu.com/hiyou/sikyuukyou.html
両手術とも、開腹の必要はないので、目立つ傷は残らないため、これらの手術方法を望む患者も多いですが、子宮筋腫のできる部位によってはこれらの手術ができるかはも医師の判断になりますし、またこれらの手術にもメリットとデメリットはありますので、その点も医師の説明をきちんと聞く必要があります。
子宮筋腫との付き合い方
子宮筋腫も筋腫が大きくなると過多月経の症状に悩まされている人も多いと思います。使うナプキンを注意したり、着ている洋服の色を気を付けたり、ナプキンをいつでも変えられるようトイレに常に行ける状況にしておくなど、気を使うことが多くなります。また貧血の症状が出ている方は、鉄分の多い食事をとることを心がけ(レバー、かつお、ひじき等々)、食生活の見直しもすることもお勧めします。
子宮筋腫を患っている人は生理時に生理痛やだるさに襲われることもありますので、そんな日は身体は無理をせず、自分を精神的に楽にさせてあげて少しでも快適な生理ライフと送れるように工夫したいものです。