集中豪雨による浸水の水害
しかし「家庭で土のうを常備している」という方は、そう多くはないと予想されます。
かといって「雨が降り続き、浸水の危機が迫ってから、突然、土のうを用意できるか?」と問われると難しいですよね。
そこで覚えておくと便利な事が、身近なものを使って土のうの代わりとなるものを作るという方法。
最もお手軽なものは、ビニール製のごみ袋を使った水のうです。
作り方はとっても簡単! ビニール袋に水を入れて、漏れないように硬く縛るだけ!
水の量はごみ袋の半分くらいまでに抑えると扱いやすくなります。
袋の口を縛るときには空気が多く入らないように注意をしなければいけません。
ごみ袋が破損しないよう、2~3枚重ねるとなお、良いでしょう。
しかし、作った水のうをそのまま並べても、防げる浸水は水のうの高さまでです。
そこで、ダンボール箱などに水のうを入れて並べると、ダンボールの高さまで防げます。
水害時には、お風呂の排水口から逆流して浸水する危険性も忘れてはいけません。
これを防ぐため、排水口を水のうで塞ぎましょう。
この場合は、ダンボールを使うよりも、水のうを直接排水口に乗せる方が、ビニールと水の柔軟性によりピッタリするのでオススメです。
ただし、水のうはあくまでも家庭でできるレベルの予防対策でしかありません。
確実性があるとは言いがたいので、過信は禁物です。
「あふれるほどの水による災害なのに水を備蓄?」と思うかもしれませんが、水害時には上下水道が正常に機能しなくなる危険性があることを覚えておきましょう。
<家族の人数分×3リットル×3日分>の飲料水をいざというときの備えに用意しておきましょう。
飲料水にも消費期限があるので、日付けを確認しつつ新しいものに更新することをお忘れなく!
1階にある電気製品は、なるべく床に直置きせずに台の上に置いて使うようにしましょう。
また、壁の工事が必要になりますが、コンセントの位置を高くする対策も浸水には効果的です。
台風による風害
台風の場合は強い風に激しい雨を伴う場合が多いので、風害と同時に水害への警戒も必要になります。
上記「水害への備え」の項目もあわせてご覧下さい。
ベランダや庭などに、風で飛びやすいもの・倒れやすいものが置いてある場合、台風接近時には屋内にしまい込むなどの対策が必要です。
また、風で飛んできたものが窓ガラスに当たって割れる危険性もあります。
そんな時の被害を最小限に抑えるために、台風接近時は厚めのカーテンをしっかりと閉めておきましょう。
風が強いときには窓側に近づかない、という基本的な保身も大切です。
電気や水道が止まっても自宅での生活が成り立つよう、普段から備えをしておくと安心です。
まず、電気が止まった場合を想定して、夜間のあかりを用意しましょう。
懐中電灯は一定の方角を一直線に照らすだけなので、室内を照らすには適切なアイテムとは言えません。
もちろん、懐中電灯も常備しておくと便利なアイテムのひとつですが、それとは別に室内全体を照らすことのできるアイテムも考えておきましょう。
便利なのは、部品を取り外したり変形することで懐中電灯にもなるランタンです。
ろうそくも定番ですが、もし実際に使う場面が来た場合には、火災という二次災害が発生しないよう、火の扱いには十分に注意しましょう。
そこで、災害時の情報機器として大変優れているのが、コンセントを使わない電池式のラジオやワンセグテレビは災害時の情報機器として大変優れているといえます。
替えの電池も一緒に準備しておきましょう。
停電していると携帯電話の充電もできなくなるため、コンセントに頼らない充電器や替えのバッテリーがあると良いですね。
水害の項目でも水の備蓄について触れましたが、風害時にも水道が止まることを想定した生活用水と飲料水の備蓄は欠かせません。
さらに、強い台風の場合には買い物に行く事もできないので、非常食を準備しておくことをオススメします。
大きな被害が出た災害時には、電話も通じにくくなります。
災害用の伝言ダイヤルを利用した連絡手段をあらかじめ決めておけば、イザという時にあわてずにすむでしょう。
黄砂による砂害
大陸から風に乗って飛んでくる黄砂は、さまざまな被害をもたらします。
日本では黄砂被害が中国ほど頻繁に起きるわけではありませんが、日本まで届く砂となると粒が細かく健康被害が懸念されるので、しっかりと対策をしましょう。
花粉症対策用マスクの準備、あらかじめ医師に相談する・市販の薬品を使うなど準備をしましょう。
黄砂被害が強い時期には特に、花粉症初体験のリスクも高まるといえます。
花粉症などのアレルギーは、「これまでの人生で吸い込んだ花粉の総量が、生まれつき体内に用意されたキャパシティを超えると発症する」といわれているので、常にマスクをつけて吸い込む量を抑えていれば、発症のリスクも抑えられるでしょう。
「PM2.5」と呼ばれる粒子は、通常の花粉用マスクでは防ぐことができないため、細かい粒子専用のマスクも販売されています。
花粉の季節や黄砂が飛んでいる時期には、販売店でマスクが品薄になる場合もありますので、早い段階で準備をしておくと良いですね。
部屋干しをしても匂わない洗剤や、柔軟剤を利用すると良いですね。
洗濯物を部屋に干すと、どうしても部屋が湿っぽくなります。
乾燥する時期なら加湿効果が得られて良いのですが、湿度が上がりすぎていると感じたらカビ防止のため除湿をした方が良いかもしれません。
普段、部屋干しする習慣のない方は、室内に洗濯物が干せるスタンドや、物干しざおなどの準備も必要になります。
海岸沿いの塩害
海に近い地域に住んでいると、塩害への対策も考えておかなければいけません。
潮風には、鉄製品のサビ被害を促進する効果があるからです。
海辺の町では、通常の環境よりも鉄の耐久年数が、格段に落ちると考えてください。
例えば、マイカーは明らかにエンジンなど、内部がサビによる侵食は早いです。
一般的な整備頻度にとらわれずに、自分の目で確認をし、「サビが出てきたな」と思ったら早め早めの整備を心がけましょう。
大雪による雪害
テレビドラマ「金田一少年の事件簿Neo」では、靴跡の形に塩を付着させておいた地面が、アリバイトリックとして利用されていた事はまだ記憶に新しいところです。
料理用の食塩は大量の雪を溶かすには少し頼りない存在ですが、塩と同じ原理を利用した積雪の対策製品に「融雪剤」「凍結防止剤」があります。
融雪剤は雪を溶かすので、既に積もった雪にふりかけて使い、凍結防止剤は降る雪が積もって固まるのを防ぐので、雪が降りそうな予報があればあらかじめ玄関前にまいておく、と状況によって使い分けましょう。
日本の気候に変化が訪れているのかもしれませんね。
住民が雪道に慣れていないことで、滑って転んでケガをしたというニュースも多く見られました。
通年、あたりまえのように雪が降る地域の住民が「雪道に慣れている」「歩き方が上手」というだけではなく、靴など装備にも違いがあることをご存じでしょうか?
雪国の住民でも雪道を歩くためには雪道用の靴を着用するのですから、ただでさえ雪道に慣れていない人間が「夏靴」で雪道を歩いたなら、転んでケガをするのも当然の結果なのです。
最近では南の地域での大雪も珍しくなくなったため、「冬靴」の需要が増し、取り扱う店も増えました。
ほかにも、靴裏に装着するだけで雪道を歩けるパーツなどがあります。
深い雪の中を歩くと、付着した雪が溶けて靴が水濡れしてしまうので、防水加工された靴でないなら防水スプレーなどで対策をしましょう。
装着の手間なく、緊急時に吹き付けるだけで、すぐ使える「スプレー式タイヤチェーン」という製品もありますが、これはあくまでも緊急用なので過信は禁物です。
雨をぬぐうワイパーとは別に、雪用のワイパーが販売されていることをご存じでしょうか?
雨と違って重量のある雪をかきわける強度を必要とするため、通常のワイパーでは破損する可能性もあり、注意が必要です。
ウィンドウォッシャー液が凍結しないよう、不凍液を使う事も忘れてはいけません。
本格的な冬が来る前に、車を雪道仕様にしておきましょう。
北の地域では、雪の粒子が細かくサラサラで軽い場合が多いので、軽く扱いやすいプラスチックのスコップが多く使われているようです。
しかし、南の地域では雪に水分が多く含まれ、そのぶん重みが増しています。
水分の多い雪は硬くなりやすいので、プラスチックのスコップではうまく刺さらなかったり、重みで破損してしまう可能性も・・・
このような地域では、鉄のスコップを用意しましょう。
鉄のスコップには、除雪用の他に、土を掘るためのものもありますが、これらは先端の形状が違います。
完全に氷の塊となってしまった地面に対しては、ツルハシのようなアイテムが役立ちます。
力の弱い女性でも扱いやすいアイスピックが販売されているので、ホームセンターなどで実際に手にとってみて、しっくり来るものを選びましょう。
大量の雪を一度にかき出せる除雪グッズには「スノーダンプ」があります。
雪国では「ママさんダンプ」と呼ばれているように、非力な女性にも扱いやすく作られた一品です。
実際に、雪に閉じ込められた家の中で、年配の女性が亡くなるという、悲しいニュースがありました。数日間家に閉じ込められても、救助が来るまで生き延びられるよう、しっかり備えておきましょう。
風害で触れたグッズの他に、雪害への備えで必要になるのが暖を取るグッズです。
もし、大雪で電線が切れて電気の供給が止まったら、電気ストーブやこたつなどの暖房器具が一切使えなくなるでしょう。
食材の備蓄にあわせて、ガスが止まったときに備えてカセットコンロがあると便利です。
気温上昇による熱中被害
特に有名なものが、水にぬらして首に巻くスカーフですね。
太い血管のある部位を冷やす事で血液が冷やされ、それが体中をめぐるので効果的です。
首の血管の他にも、わきの下などを冷やすと高い効果が得られます。
寝苦しい夜には、保冷剤をわきにはさんでみましょう。
ただし、冷やしすぎによる凍傷にはご注意を!
持ち運びに便利な扇子や、折りたたみのうちわも、ひとつは持っておきたいアイテムです。
小型のファンなどもありますが、電気部品が稼働する以上、どうしても多少の熱を発生させてしまいます。
とはいえ、自分で扇子を扇いでいても運動エネルギーにより暑さを感じてしまうので、どちらが良いとも言えません。
自分に向いていると思ったものを選びましょう。
熱中症は想像以上に体の自由がきかなくなるもので、一人暮らしの方が自宅で熱中症に陥ると、自力で対処できなくなり、助けを呼ぶことができないまま死に至るというケースに注意が必要です。
特に寝苦しい夜には、ベッドから手の届く範囲にスポーツ飲料やミネラルウォーターを用意しておくと良いでしょう。
むちゃなガマンはせずに、ときには冷房を使いましょう。
地震による災害
家具の上部から天井までを、つっかえ棒のように固定するためのバーを利用しましょう。
床との摩擦力を上げて安定感を増すための敷きマットや、床と家具を固定するためのL字の木ねじ式ストッパーなども便利です。
家具のタイプによってさまざまな家具固定グッズを使い分け、地震に備えましょう。
一方、地震に備える非常用品は、避難をする際にさっと手にとって外へ出られるものを用意しておくという側面が強くなります。
成人男性なら15kgくらい・女性なら10kgくらいが目安とされています。
これは一般的な水準にすぎないので、自分の力量に合わせて調整してみてください。
避難時にあると便利なものを、あらかじめ詰め込んだ状態の避難袋も販売されています。
自分でイチから用意する場合には、袋はリュックサックがオススメです。
避難をするときに、両手を使える事は大きな利点となります。
しかし、垂れ下がる長いひも状のパーツがついていると、避難の際に思わぬ足を引っ張ることになりかねないので、デザインには注意しましょう。
まず、身を守るためのものとして、ヘルメットや頭巾などが必要となります。
けがの治療用に、簡単な救急セットも用意しておきたいものです。
避難先でどれだけの期間過ごすことになるかも予測できませんし、屋根のある避難所にいられるとも限りません。
夜間も身ひとつで過ごせるのは夏の短い期間のみですから、暖を取るためのグッズも必要になるでしょう。
通常の毛布は重くてかさばるので、非常持ち出し袋に入れるのは、軽くて薄いのに暖かい、災害用の毛布がオススメです。
灯りをとる事もでき、情報を得る事もできる、一石二鳥の優れものですね。
このようなグッズを用意するとき、電池式なら替えの電池の準備も忘れてはいけません。
最近では手回し充電式のラジオやライトも販売されているので、選択肢のひとつとして考えても良いでしょう。
人間はまず水分を取らないと死んでしまいます。
避難生活が長引いた時、生き延びられるかどうかは水の備えにかかっているといっても過言ではありません。
もちろん、非常食も重要です。
缶詰を用意した場合には、缶切りも忘れずに準備しましょう。
缶切りがなくてもフタを開けられる缶詰が多くなっているため、缶切りを忘れてしまいやすいですが、非常食の缶詰にはまだ缶切りが必要なタイプもあるようです。
他にも、避難時に持っていると便利なアイテムには、ライターやナイフ・食品用ラップなど、さまざまなものがあります。
そろいの状態で販売されている、非常持ち出しセット袋の内容なども参考にして、イザというときに備えましょう。
必ずしも自宅にいるときに被害にあうとは限らないので、学校や職場にいるときに被害にあってそのままそこで避難生活を送ることになる可能性も考えて、学校や職場ぐるみでロッカーに災害時の備えをしておくと良いでしょう。
準備をしていた方も再確認を
いかがでしたか?
日本は火山大国と呼ばれていたり、複数の地中プレートの上に存在しているなど、災害とは切っても切れない縁があります。