発酵するってどんなこと?
あなたは発酵食品が好きですか?私は大好きです!味噌や醤油は日本の宝だと思っていますし、ヨーグルトやチーズもよく食べます。納豆もたまに無性に食べたくなるときがあります。
でも・・・ちょっと冷静になって考えてみてください。これらは一歩間違えたら、「腐ってる!」と思われても不思議ではないものばかりですよね。最初にそれを口に入れようと考えた昔の人って、とっても勇気のある人だったんだなあって思います。
発酵食品の定義を見てみましょう
さて、そもそも発酵食品とはどんな食品なのか、その定義を見てみましょう。
をいいます。では「発酵」とはなんでしょう。大まかに言うと、
をいいます。似たような言葉に「腐敗」があります。「食べ物が腐ってしまう」場合に使う言葉ですね。こちらも、大まかに言うと、
をいいます。あれ?「発酵」も「腐敗」も定義は同じですね。つまり、発酵と腐敗は基本的には同じような現象のことを指しているのです。
先ほど私が「昔の人は勇気あるなあ」と言ったのは、一歩間違えば「腐った食べ物」を口に入れていた、ということになるから余計にびっくり!なのです。ある高名な発酵学者の先生は「人間にとって都合がいいのが発酵、都合が悪いのが腐敗」とおっしゃいました。その言葉は真実をついていると思います。
発酵食品の健康効果発酵食品の効果
昔の人の英知と勇気で生まれた発酵食品。最近「発酵食品は健康にいい」といわれていますが、どのようにいいか分かっていない人も多いと思います。発酵食品の健康効果は、原材料や発酵を起こす微生物の種類によっても異なります。
ヨーグルトの健康効果
ヨーグルトに含まれるビフィズス菌は、乳酸菌の一種ですが、腸の中で大腸菌など悪玉菌の繁殖を抑える効果があります。また、コレステロールの低下や免疫力を高める効果も確認されています。
このように、人体によい影響を与える微生物、およびそれらを使った食品のことを「プロバイオティクス」といいます。この言葉を聞いたことがある方も多いでしょうけど、乳酸菌はまさにこのプロバイオテクスティクスを実感できる微生物なのです。
食品だけでなく化粧品もある
発酵食品は、食べる・飲む、という形で身体に取り入れるだけではありません。発酵のメカニズムを利用して、発酵食品から抽出されたエキスを使って、から化粧品を作る、ということもさかんに行われるようになってきました。食べて効果があるのなら塗っても効果があるはずだ、ということですね。実際、日本酒(これも発酵食品です!)を作っている杜氏(とうじ)の方の手はとても綺麗なんだそうですよ!
このほかにも、発酵食品にはさまざまな効果を持つものがあります。ライフスタイルにうまく取り入れて、健康体を目指しましょう!
世界の発酵食品事情
世界にも発酵食品はたくさんあります。外国の発酵食品について取り上げてみましょう。キムチ
まず、日本でもすっかりおなじみのキムチ。お隣の韓国で食されている伝統的な漬物です。
韓国では白菜が出回る時期になると、キムジャンといって、その後1年分のキムチを仕込む作業が行われるそうです。大掛かりな出費になるので、そのためのボーナスを出す会社も多いんだとか。
ザーサイ・メンマ
中華料理店でおなじみのザーサイやメンマ。あれも実は発酵食品なのです。 ザーサイは同じ名前の「ザーサイ」という植物の茎の部分を塩漬けし、乳酸菌で発酵させたものです。 メンマは、たけのこを、ザーサイと同じように塩漬けして乳酸菌で発酵させたもの。あの歯ざわりは独特ですよね。
テンペ
インドネシアなどで食べられているテンペ。これは大豆をゆでて、「テンペ菌」と呼ばれる菌を振りかけて発酵させたものです。見たことはありますか?
私は食べたことがないのですが、食べたことがある人によると「あまりにおいのきつくない納豆みたいでおいしい」とのことでした。ちょっと食べてみたいと思いませんか?
日本の発酵食品
発酵食品大国である日本。そんな日本にも、海外で注目されている発酵食品があります。それは、皆さんにとってなじみの深い納豆なのです。主成分であるナットウキナーゼという酵素が血液をサラサラにしてくれる、と日本でも注目度の高い食品ですよね。
最近は、この納豆が、健康志向の高い海外の人の間で人気を集めているらしいのです。
という、嬉しいコメントも。
また、最近注目されているのは、すぐき。京都の漬物です。乳酸菌が豊富なので、すっぱい味が特徴なのですが、この乳酸菌にものすごい力があることが分かりました。ニュージーランドの大学がこんな実験を行いました。
というのがその実験なのですが、結果はどうなったと思いますか?なんと「体重減少や健康状態の悪化が抑えられた」そうです。これは、もしかすると「インフルエンザウイルスを抑えこむ」効果があるかもしれない、ということですよね。
元祖サプリメント!?糀を使った甘酒の威力
ここまで、発酵食品についていろいろな情報をお伝えしてきました。それでは、日本人にとってもっともなじみの深い発酵食品とはなんでしょうか。味噌、醤油などいろいろありますが、「綺麗になれる」「元気が出る」という点に注目して考えると、やはり私が一押ししたいのは「甘酒」です。「酒」という名前のせいか、アルコール分が入っていると思われるかもしれません。確かに、酒かすを使って作った甘酒の場合、微量のアルコール分が含まれることもありますが、糀を使って作った甘酒の場合、そういうことはありません。
近年、発酵食品のブームとともに、甘酒のよさも見直されています。液体サプリメントとか飲む点滴ともいわれ、その効果が注目されているのです。では、なぜこのようなことがささやかれているのでしょうか。大きな理由としては、「必須アミノ酸がたくさん含まれている」ということがあげられます。
必須アミノ酸を配合したサプリメントはたくさんありますが、人工的なものであるため、どうしても吸収率は悪くなります。一方、甘酒はもともと日本人の食生活の中でなじんできたなじんできたものなので、体内への吸収率は抜群です。昔の人が夏バテ対策に甘酒を愛用した、というのも納得がいく話です。
人一倍、美への追求が求められるモデルやエステティシャンといった職業の方が食生活に甘酒を取り入れているという話は枚挙に暇がありません。糀のパワーを取り入れて、徹底的に「キレイ」を目指しましょう。