日本人の肌をあかるくみせる真珠の魅力とは
1.眺めるジュエリーと、おしゃれのためのアクセサリーは違うのか
ダイヤモンド、エメラルド、ルビー、翡翠、瑪瑙、琥珀、そして、真珠と、一口にジュエリーと言っても、その、煌きには、さまざまな種類があるのがわかります。スポットライトを浴びて、ショーケースに展示されているのを眺めていると時間が経つのを忘れてしまいますよね。
中でも、もっとも美しいのは・・・地球上で一番硬い鉱石だと言われるダイヤモンドでしょうか。それとも、数万年前の時間を閉じ込めた、琥珀のロマンや、渋い翡翠の光沢にも惹かれます。しかし、硝子を通して見るのと、実際に自分が身につけて綺麗なのは、また別のことなのです。
筆者は、以前にデパートで働いていました。当時、外商顧客を対象とした、宝飾のイベントの手伝いに行く機会が何度もありました。そこで、出品される商品は、一般の女性が身につけるアクセサリーだけではありません。値札が7桁や8桁の数字が並ぶ「作品」も多かったのです。
お客様がいらっしゃらない時には、警備員が立ちあいのもと、従業員も試着させてもらいました。けれども、鏡をのぞいて愕然としたのです。10カラットの金剛石のまぶしいネックレスや、イヤリングは、青い目とゴールドヘアのヨーロッパ人のゴージャスな顔を求めているのではないかと、悟ったからです。
黄色人種の私達がつけると、ことごとく、肌の色むらや、歯の黄ばみ、貧弱な鼻、たっぷりの脂肪がついた、まぶたの重みを強調されるのです。美術品として鑑賞する宝石と、おしゃれのために身につけるアクセサリーは別物ではないかと、気がついた瞬間でした。
そこで、華奢な骨格と、つややかなオークル系の肌をもつ東洋人に似合うのは何だろう?と探しはじめましたのです。
2.真珠が最強の理由とは
それから、いろいろなストーンや、デザインを何度も試してみました。すると、日本人の肌には、ダイヤモンドや、ガーネットと言った透明なタイプの石よりも、光を通さないターコイズや、オニキスや珊瑚が映えることがわかったのです。
中でも、顔の近くに真珠をあしらうと顔色が最高に良くなります。1粒のパールピアスを追加するだけで、クマやくすみが目立たなくなり、瞳がきらめいて見えました。顔立ちや雰囲気はそれぞれですが、身につけると、肌が明るく発光したように見える点では、アジア人に共通していると言えるでしょう。
「健康的な肌が魅力的」なのは、今も昔も共通した願いです。とはいえ、どれだけ、スキンケアをがんばっても、生まれつきの肌色よりは白く、そして肌理がこまかくはならないものなのです。ですが、おでかけ前に、顔のまわりに真珠の輝きをまとうのは可能です。
ロイヤルな方々や、花嫁さんが真珠をあわせるのは、肌が健康的に見えて、清潔感もアップするからだったのですね。
白い光にレフ版効果あり?!顔まわりが効果的
1.光を味方に短所をカバーするレフ版効果とは?
テレビで、モデルや女優の撮影現場を見たことがあると思います。その時、よく確認すると、スタッフが幅の広い大きな板を持ち、被写体に当てています。また、美術館に行くと、展示作品の下にミラーが置いてあることがありますよね。
これらは、強い光を板や、鏡に反射させることにより、アラをとばしているのです。モデルさんなら、「しみ」や「たるみ」、「首の横シワ」を帳消しにするのが狙いです。
美術品(おもに日本画での掛け軸など)では、「折りジワ」や「画面の黄ばみ」を目立たなくしています。目については不都合なものは、うまくやわらげる半面、良いところは、うまく強調する効果も期待できます。
人々の視線が、ごく自然に、髪の艶、瞳の輝き、くちびるの濡れ感にフォーカスされるのです。つまり、光を味方につけると短所をカバーしながら、長所を生かせるのですね。
2.顔の近くに大ぶりで華やかな真珠を
お気に入りのアクセサリーといえば、どんなものがありますか?「指輪」と言う答えが多いのかもしれませんね。恋人から記念に贈られたり、自分で購入する時でも、「ピアス」(イヤリング)よりも指輪を選ぶケースがポピュラーなのかもしれません。
たえず、手は、自分の視界に入り、眺められるので、お気に入りのアクセサリーをつけていると、モチベーションがあがりますよね。ただし、第三者が見て1番印象的なのは、顔のまわりなのです。たとえば、お辞儀をして顔を上げた時、パッと目が行くのは、指輪や腕時計ではなく、ピアスやネックレスではないでしょうか?
ニュースキャスターを見てもわかりますが、頭を中心に、上半身のファッションは覚えやすく、人の印象を決めるのに重要なものです。そんな、インパクトのある顔の周辺に、光をあしらうことにより、自然なレフ版効果を得られるのです。だから、小さく上品なタイプよりも、大ぶりでよく目立つ華やかなものがおすすめです。
下記の写真は、筆者私物のコットンパールのネックレス。珠の大きさは、約1・5~1・8mです。本真珠なら、ちょっと手が出せない大玉ですが、素材がコットンのため、つけ心地は軽いですが、お財布は軽くなりません。
いつもは、職場のロッカーに入れていますが、夕方から遊びに行く時に巻きつけると、ちょっとしたパーティーにも対応できます。無造作に結んだり、ねじってもダメージを受ける心配をしなくても良いので嬉しいです。
本真珠とイミテーション、どちらを買うべき?
(1) 本真珠をまとうことで、あふれるプリンセス効果
もちろん、お財布に余裕があれば、本真珠のネックレスとピアスをセットでそろえたいですよね。宝飾サロンに行くと、自分の肌色や、首の長さにあわせて、肌理こまやかにアドバイスしてもらえます。
宮内庁御用達の「MIKIMOTO」。定番モデルから斬新なデザインまで豊富な品揃えに定評がある「TASAKIJAPAN」などの老舗店は、品質は、もちろんのことですが、アフターケアも充実しています。シンプルなタイプをチョイスしておけば、娘に譲ることもできますし、フォーマルな場面にも活躍しますよ。
(2)遊び心いっぱいのイミテーションパール
現代は、肉眼では、イミテーションと本物の区別がつかないほど、精密にできているものもたくさんあります。超大粒タイプや、セクシーなバロック風、10連以上のゴージャスなパールネックレスなど、洋服に合わせてそろえておくと便利です。
そして、高級品ではないけれども、粒の小さな「淡水真珠」なら手頃なお値段で購えるのが魅力的です。本真珠、淡水真珠、イミテーションと、ことなる素材を組み合わせて使用すると、放つ光に立体感が生まれて、遊び心のある、大人の女性の装いが完成します。
写真のネックレスは、淡水真珠と、シルバーです。イミテーションではありませんが、フォーマルな真珠のように肩肘をはることもありません。首飾りとしてだけではなく、腰に巻くチェーンベルトにもなるので応用がききます。パーティーで「ヘッドドレス」のように額につけてみたいのですが、男顔ゆえに鏡と相談すると、無難な選択をしてしまいますが・・・。
お手入れが楽で、肩がこらない「コットン・パール」が人気
神々しい輝きをまとう本真珠ですが、はっきり言って、お手入れは大変です。本真珠は、汗や皮脂に弱く、夏場は長時間、素肌につけると変色する恐れがあるからです。貝の生命の輝きだから、保管する時のリスクをふくめての「美」なのかもしれません。
けれど、忙しい現代人にとって、使用後すぐに、お手入れに専念するのは難しいのが現状ではないでしょうか。できれば、簡単に出し入れできるのがありがたいと思いませんか?
気軽に真珠の輝きを味方につけたい方におすすめなのは「コットンパール」です。これまでのプラスチックのイミテーションパールとちがい、コットンパールは、綿を圧縮して作られているため、軽く、マットで、表面が少しざらざらとしています。
素朴な風合いがおしゃれで、仕方なく本真珠のかわりに買うのではなく、大人の女性がファッションとして購入するケースが増えています。シャネルの肖像のように、5連6連と重ねづけしても、肩や首がこらないので楽にすごせます。
ちなみに、直木賞作家の林真理子さんも愛用されているそうですよ。酸いも甘いも知りつくした女性が、あえて、本真珠ではなく、ライトな真珠を使いこなすのは、さりげないセクシーさと、知的さが感じられて素敵ですよね。ぜひ、見習いたいものです。
パールのおすすめアクセサリーコーディネート
以前は、「スーツに1連パールのネックレス」や「レースのブラウスと、真珠のイヤリング」と、フォーマルなイメージが強かったものです。しかし、最近の傾向は、「カジュアル」なパールづかいが注目されています。
カジュアルな装いに品がプラスされる
たとえば、裾をロールアップしたボーイフレンドジーンズに、無地のTシャツを組み合わせて、コットンパールの2連ネックレスをアクセントにすると、こなれたパリジェンヌ風の装いの完成です。Tシャツでなく、カットソーやチュニックをあわせても良いですよ。夜のおでかけなら、ラメ入りや、とろみがあるシースルー素材もモダンできれいですね。
また、ストンとしたIラインシルエットのワンピースに、足元は同色のスニーカー、そして耳元は、イミテーションパールの大ぶりなピアスを。つけると、女性らしいきれいめのワンピースを、ほどよくファンキーに着こなせるため好評でした。
主張が強いデザインにはシンプルな装いで
写真下記は、薔薇をモチーフにしているピアスのコレクションです。左から、ガラスコーディング、2列目上下は、かすかに赤みを帯びたオフホワイトの珊瑚。中央と、右側は、白蝶貝でサイズちがいです。
主張が強い古典的なデザインを生かして、服は、シンプルにして、帽子をかぶり上半身に視線が集中するコーディネートを考えています。あえて、ボーダーのTシャツのはずしテクニックとして、甘めのローズピアスを持ってきたりすることもありました。
ゴージャスにもカジュアルにもなる
こちらは、イミテーションパールを、透明の糸に通している、デザイン重視のネックレスとピアス。もらい物ですが、第一印象は「おいしそう!」と、目で楽しむスイーツのようなイメージでした。
セット使いをすると、披露宴の二次会にも通用する大胆でゴージャスなイメージになりますがし、単品ならば、細身のパンツとTシャツの時のカジュアルスタイルのアクセントとしても活躍します。
シックで粋な装いを目指すなら、カシャクール風のカーディガンと、ペンシルラインのスカート、首元にボリュームのあるイミテーションパールをあしらうと、大人の女性の艶やかさが演出できますよ。
秋冬ならば、さりげなく革ジャンの下に、このスイーツ風のネックレスを合わせると、適度に抜け感が出て、頑張りすぎない着こなしが楽しめます。
アレンジによってパールの効果は無限大
どれだけ、若く見える方も、生年月日を変えてしまうことはできないですよね。ですが、年齢不詳の素敵な女性は、たくさんいるものです。時間を止めることはできません。が、肌質そのものを変えるのも困難ですが、しかし、顔のまわりに、たった1つのパールが煌くだけで、レフ版効果によって、生き生きと見えるものです。