中古車査定士にはどうすればなれるのかご存知でしょうか
中古車査定士の資格を取るには、まず日本中古車査定協会に、資格を取るための申し込み用紙を提出します。次に試験を受験し、合格すれば、晴れて中古車査定士の資格免許を取得できます。
この資格がないと車を査定して金額を提示できないので、必ず取らなければなりません。
試験内容は?
試験の内容は、座学と実技に分かれています。座学は専門用語が数多く出てきますので根気よく覚えていくしかありません。
査定士の講習会を受講すると講師が大事な所は教えてくれますので、その都度テキストをチェックすることも大切です。
試験には自動車整備士三級レベルの問題も出ますので、そこも学習しておく必要があります。
実技に関しては、実際の車を前にして査定を行う事はなく、試験用紙に車の展開図とその車の状態が文章で書かれていますので、講習の時に使用したテキストを見ながら答えを出していきます。
テキストはテスト前に講師から使ってもよい と許可がでますので、当日は忘れないようにしましょう。
簡単な足し算、引き算などが出題されますが、落ち着いて処理をしていきましょう。
テストが終了し、合格発表まで約Ⅰヶ月位かかります。受験番号が合格表に記載されてることを祈って待ちましょう。
見事合格すると晴れて中古車査定士としてのスタートです。新人中古車査定士として新鮮な気持ちで歩めることでしょう。
オークションに出品された車を査定する検査員
次に中古車査定士の技量と資格が必要な検査員について紹介します。検査員とは車検の時に合否決定する検査員と、オークション場に出品される車を検査し評価点をつける検査員とがあります。ここでは後者についてお話します。検査員は、たくさんの車のコンディションを見極めるのが、毎日の仕事です。
サラリーマンというよりは技術によって車の良し悪しを見極めるため、“職人”に近い業務です。車種によって塗装状態や損傷具合が違いますので、それを見極めるとなるとさらに難しいことですが、それも経験を積み重ねて身につけていくしかありません。
具体的な例をあげると、ボディの外側にネジの回し跡がある場合は、次にシーラントの硬さや形状を確認し不自然な部分がないか、また下地色を確認し元色とは異なる色を使っていないか確認します。
もしあった場合、外からの衝撃でそのパネルが損傷し板金工場で中古一体交換したのではないだろうかと予測ができます。
検査員という仕事は小さい箇所の摘出から順番を追って、そのパネルの経緯を想像し、裁定を下していきますので、そういう意味では、“探偵”のような仕事でもあるといえます。
査定員に転職してから
査定員という仕事は、会社ごとに、いろいろ環境がちがうと思いますが、当時私が勤めていた会社は日々ひたすら台数をこなさなければいけない、それは忙しいものでした。入社当時は、先輩やお客様の厳しい意見にさらされ、荒波に揉まれ耐えるような毎日でしたが、そんな忙しい勤務を通じ、経験を重ねていくなかで、ある日やっと独り立ちすることが許されました。
上司や同僚からの信頼も得られるようになり、仕事にも、自分自身にも自信を持つことができました。
車の査定の際は、その車の良い所、悪い所を瞬時に判断し、裁定を下すこともできるようになりました。
独立にも繋がりやすい
キャリアをどんどん積み、こういった技術を伸ばしていけば、やがて独立するという夢につながっていきます。各オークション会場や中古車店、ディーラーと個別に契約が出来れば高額な報酬も決して夢ではありません。 もし体力に衰えを感じるときがきたら、プレイヤーから講師になり、各中古車店やディーラーに査定の講習指導を行うという道もあります。どの職業に、自分が向いているのか悩むこともあると思いますが、 改めて自分を見つめ直し、夢にむかって挑戦するのもいいと思います。
このお話しが少しでもみなさまのお役に立てることができればたいへん嬉しく思います。
査定士 佐藤和弘