スキューバダイビングを仕事にする2つの資格
スキューバダイビングで行う仕事として、まず思いつくのが『ダイビング・インストラクター』でしょう。
他にも『水中写真家』、『海底調査』といった研究職などが考えられます。
これらの作業を行う上で最も重要なのは、『ダイビングスキル』と『安全性』であることに間違いはありません。
そして、これらのスキルを証明する資格が『Cカード』と『潜水士』です。
スキューバダイビングの基本『Cカード』
スキューバダイビングを行う上で必要になるのが『Certification Card』。
いわゆる『Cカード』と呼ばれるライセンスです。
Cカードを発行しているのは『PADI』『NAUI』『CMAS』といった、世界規模で運営している団体。
取得した場所に関わらず、世界共通のライセンスとして認められているため、沖縄で取得したCカードをもって、ハワイやパラオやモルディブやセブ島など、世界中の海でダイビングする事ができます。
いわば、国際的な民間資格という訳です。
そんな世界共通のCカードにはランクがあり、そのランクによって限界深度が決められ、ケイブダイビングや夜間ダイビングなどに制限を受けます。
指導するならインストラクターの認定を受ける必要がある
各団体のおおよそ最高ランクに位置するのが『インストラクター認定ライセンス』です。
各団体により名称は変わりますが、このレベルのライセンスを取得する事で、『各団体のCカード発行許可を受けられる』ようになります。
つまりダイビング初心者に対して審査官となり、本部に変わって団体認定のCカードを発行する事ができるようになります。
ただしインストラクターのライセンスは上位のライセンスとされており、そこまで段階を踏んでCカードのランクを上げていく必要があります。
ダイビングの実績も必要で、初心者が思いつきで取れる資格ではありません。
水中業務に必要な国家資格『潜水士』
日本で“業務”としてダイビングを行う際には、『潜水士』の国家資格が必要になります。
これは「労働安全衛生法」及び「労働安全衛生法施行令」において、「潜水機(スキューバの装備)などを使って、空気圧縮機から給気を受けて水中で業務を行うには、潜水士の免許が必要」と決められているからです。
この条件に従うならば、インストラクターも水中カメラマンも同様に、潜水士の資格が必要になります。
また、潜水士試験にダイビングの実習はなく、筆記試験だけで取得する事ができます。
これはダイビング技術よりも、水中作業員の安全を守るための規定や法律を重視する管理者としての側面が強い為と言われています。
潜水士は日本だけで通用する資格
Cカードは世界の海に潜れる資格ですが、潜水士は日本国内でのみ通用する資格。
さらにいえば、潜水士の資格を持っていても、Cカードが無ければダイビングショップから機材をレンタルする事は出来ません。
『Cカード』と『潜水士』の違い
- インストラクターになりたいなら、上級のランクが必要。(レジャーダイビングだけなら、Cカードがあれば十分)
- 国内で仕事をするのなら、潜水士の資格も必要になる。
他にもあると便利な資格
他人を指導するスキルとしては、日本体育協会が認定する『スクーバ・ダイビング指導員』の資格が証明になるでしょう。
また、ダイビングショップにてツアーの企画・運営を行うのであれば、旅客業法に従い『旅程管理主任者』の資格が必要になります。
国際基準のCカードであれば海外でインストラクターの職に就く事も不可能ではありません。
その場合、日本の潜水士免許は要りませんが、その国の別な資格が必要になる可能性があります。