基本の立ち姿
ウェディングで撮る写真の多くは立ち姿で、全身写真を撮る事になります。
その際に、どれだけ美しく見せられるかは、『いかに綺麗なラインを作れるか』で決まると言っても過言ではありません。
理想は『S字ライン』を作る事ですが、ポージングに慣れたモデルでもなければ、余計な力が入りどうしても不自然になってしまいます。またポーズに意識を取られ過ぎては表情も硬くなってしまうでしょう。
そこで、簡単に綺麗な立ち姿を作るポイントを5つにまとめました。
(1) 背筋を伸ばして、胸を張る
ドレス姿を綺麗に見せる最重要ポイントは、首から胸元にかけての「デコルテ」です。
姿勢が悪いと、肩が前に出る事で胸元のラインが崩れ、ドレスとデコルテの間に隙間ができるという最悪の状況にもなりかねません。
胸を張り方は『肩甲骨をくっつける』
「胸を張ろうとすると、一緒にお腹が出てしまう」。
これは、「胸を張る=胸を突きだす」と意識し過ぎた、モデルさんでもやりがちな恥ずかしい失敗例です。
お腹を出さずに、胸を張るコツは『肩甲骨をくっつけるように意識して寄せる』事。
さらに『上から見た時、両肩と頭の頂点が横一直線になる事』に注意すれば、自然と姿勢が良くなり、綺麗なラインを作る事ができます。
さらに、余裕があれば『お尻を上に釣り上げる事』で、お腹をひっこめ、ヒップアップ効果を狙うのもいいでしょう。
(2) カメラに向かって『斜め45度』で立つ
写真は、正面から取ると平面的になり、体が太く見えてしまいます。
そこで、斜めから取る事で体が細く、肩幅も狭くすることができる事に加え、ドレスの柔らかく流れるようなラインを、綺麗に見せる事ができるようになります。
しかも、追加のテクで気になる箇所をフォローするのにも、この斜め45度が役に立ちます。
(3) カメラ側の肩を下げる
カメラに向けている肩を下げる事で、首を長く見せる事ができます。
さらに、首を傾け、顔をひねれば頬や顎のラインもすっきりと写す効果まで帰来する事ができます。
難しければ、『体と顔をカメラの正面に向けないようにする』と意識するだけで、太めに写りやすい平面的な写真写りを回避する事ができるでしょう。
(4) 足はV字に開く
カメラに対して斜め45度で立っている状態で、『カメラ側の足を少し前に出します』。
その時、『前に出した足のつま先はカメラ側』、『かかとは後ろ足の土踏まずにくっつける』と姿勢が無理なく安定します。
もし、足がみえるタイプのドレスなら、足が細く見える効果もありますので、このV字の立ち方は常に意識しましょう。
(5) ブーケの位置はお腹
緊張すると、ブーケを胸元まで持ち上げてしまいます。
それでは肘が張り、ウエストのくびれも隠れてしまい、新婦にはふさわしくない無駄に力強い印象を与えてしまいます。
ブーケは、おへそに親指が当るように意識して持つと、肩からブーケまでのラインが綺麗に写り、全体のシルエットのバランスが取れるようになります。
補足
基本的には、(1)胸を張る、(2)斜めに立って正面を向かない、という2つを実践すれば失敗の可能性を減らすことが出来ます。しかし、中には真正面から取らなければならない事もあるでしょう。
その時は、胸を張る事を忘れずに、笑顔で撮る事ができれば間違いはありません。
新郎と並んで取る時
この時、二人並んで真正面から撮影するのではなく、二人が八の字を描くように少しだけ内側を向けば、自然に斜めになれます。
また、新郎が黒のタキシードの場合、膨張色である白いウェディングドレスは、黒との対比で余計に大きく見えてしまいます。
その為、新婦は新郎よりも、半歩後ろに下がる事で、全体のバランスを取るようにしましょう。
二の腕を太く見せないテクニック
『腕を体から少し離す』という事を常に意識してください。
腕を体にぴったりくっつけると、お肉が広がって余計に太く見えてしまいます。
あるいは、それでも気になるなら『ブーケで隠す』という方法もあります。
撮られる時の心構え
なんといっても『恥ずかしがらない』事。
その恥ずかしいという気持ちは、見ている人にも伝わってしまいます。
主役は貴女なのですから、プロになったつもりで堂々と撮影に臨みましょう。
また、『キレイなポーズは結構苦しい』ものです。
油断すると、ついつい楽な姿勢を取ってしまいがち。シャッターを切る瞬間だけでも我慢しましょう。
『がちがちに緊張している時は、髪を触る』のも効果的です。
緊張していると、全身に力が入ってまるでマネキンの様になってします。
髪を触るのは緊張している時に自然に行ってしまう、心理学的にもリラックスできる有効なテクニックの1つ。
しかし、せっかくメイクした髪を触って崩したくないのなら、柔らかい物をにぎるだけでも効果があります。
日常でも応用できるフォトテクニック
ここで紹介したテクニックはウェディング限定のものという訳ではありません。
日常での写真撮影でも使えるテクニックがほとんどです。
フォトウェディングは、一生残る思い出です。
テクニックを駆使して、最高の写真を残しましょう。