『集中訓練法』を構成する6つの要素
集中的訓練:Deliberate Practice(DP)という考えを提唱したのは、心理学者「Anders Ericsson」氏。彼は、プロのチェス選手の中でも最高峰と言われ、わずか0.02%しか存在しないグランドマスタ―を調査し、平均的なプロとの違いを論文にまとめました。
その違いを簡単にまとめると、練習法に6個の要素が見えてきました。
- 1.高い学習レベルを保つ
- 2.何度も同じレベルを繰り返す(反復練習)
- 3.周囲から評価や批判を常に受ける
- 4.精神的なプレッシャーを感じ続ける
- 5.難しい(知らない)問題に挑戦する
- 6.達成までの過程に、目標となるゴールがある
それでは、この6項目を英語の勉強方法に落とし込んでみます。
1.高い学習レベルを保つ
言い換えるならば、「その勉強方法で英語が身に付くか」という事です。
例えば、ただひたすらに問題を解いていく勉強を行っていた人は、耳で聞いた文章をそのまま口に出す『シャドーイング』を取り入れてみてはどうでしょうか?
現状に満足せず、常に新しい効率の良い勉強方法を取り入れる事が、高い学習レベルと保つことにつながります。
2.何度も同じレベルを繰り返す(反復練習)
基礎力のアップに反復練習は欠かせません。
ドイツの心理学者「Hermann Ebbinghaus」によれば、「人は1度記憶した物を20分後には42%を忘れ、1日経過すると74%を忘れる」という研究を残しています。
このように抜けていく記憶を留めるには、反復練習が最も効果的とされています。
特に簡単な問題を大量に素早く解くTOEICでは、いかに基礎の部分がしっかりと覚えているかが重要になってきます。
3.周囲から評価や批判を常に受ける
「勉強に対する評価や批判」がしっくりこなければ、「自分の頑張りに対して、友人・知人から反応がある」位に思ってください。
英語の勉強を続けるコツとして「英語を勉強する仲間を見つける」という方法がありますが、これはそのまま、「勉強に対する評価や批判」を実践している事に他なりません。
他人から評価されない努力はむなしく、モチベーションの維持は困難。ひとりぼっちは寂しく、自己満足には限界が来ます。
そこで、有効なのが『Twitter』などのSNSです。
1日の勉強時間やスケジュール。進行状況などをつぶやくと、記録代わりにもなるので便利。
また、同じ事にSNSを利用している人も少なくないので、仲間を見つけやすいというメリットもあります。
また、次の4でも、Twitterなどは有効なツールとなってくれます。
4.精神的なプレッシャーを感じ続ける
より集中力を高めるために、適度なプレッシャーは必要です。
また勉強を続けていると、モチベーションが下がり、ついついサボりがちになってしまいます。
そんな時も、プレッシャーは背中を押してくれる原動力になってくれます。
プレッシャーを感じる簡単な方法は3と同じくSNSそれもTwitterが良いでしょう。
予め、「〇時より、英語の勉強」といった内容を「ハッシュタグ付き」でツイートしておきます。
そして、勉強が終わったら「本日、〇時間」と、つぶやいてみましょう。
心優しい友人は、勉強を続けるあなたには評価を。サボっている時にはツッコミを入れてくれるかもしれません。
例え優しい友人がいなくても、「予定だけあって結果が無い」。もしくは「空白の期間が非常に長い」という、汚いタイムラインを残してしまう事になります。
5.難しい(知らない)問題に挑戦する
実力アップと、飽きずに勉強を続ける為には、難易度の高い問題にチャレンジするのは当然の事といえます。
独学で勉強するにしても、教科書や参考書は必要になります。
自分のレベルに合わせて、テキストをランクアップさせる事になるでしょうから、特に意識する必要はありません。
6.達成までの過程に、目標となるゴールがある
最終目標が「TOEICで800点以上」と決めたとしても、試験まで1ヶ月程度の時間が空く事があります。
これが「海外MBA」や「米国公認会計士」を目標にすると、さらに長い時間を必要とするでしょう。
その最終目標を達成するためには、その過程にゴールや報酬が無ければ続きません。
簡単にできるものとしては「今日中に10個の単語を覚える」「音読を30回くり返す」といった物があります。
楽しみながらやるのが一番のコツ
人は苦痛しか感じない事に10,000時間もつぎ込めません。
長く続けるには、無理をせずモチベーションを保ち続ける必要がありますが、それが一番難しいでしょう。
3、4、5、6は、その為の方法と言っても過言ではありません。
それでも、モチベーションが続かない時は、今までの成果を振り返ってみるものいいでしょう。
Twitterのタイムライン、積み重ねた参考書が、これまでの成果です。
10,000時間を終えた瞬間に天才ができるのではありません。
積み上げてきた物に、自分の成長を感じる事ができるはずです。