脳科学が明かした新説!集中するとき脳はサボっていた|トピックスファロー

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2013年4月22日
脳科学が明かした新説!集中するとき脳はサボっていた

集中するための方法はいくつもありますが、上手くできないのは脳の特性を理解していない事に原因がありました。最近の調査では、集中する時、脳は一部を除いて活動が低下する事が分かっています。そこで脳の特性を掴みつつ集中する方法を紹介します。

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集中とは、脳が動いていない状態の事だった

脳

電車の中で本を読んでいたら、降りるはずの駅を乗り過ごした事はないでしょうか?
もしくは、友達と一緒にいたはずなのに、気が付いたら誰もいなくなっていた、という経験はないでしょうか?

これらはボーっとしていた訳でも、注意力が足りない訳でもありません。
脳科学的には、『集中』していたから起きた現象なのです。

『集中』とは機能の「偏り」である

人が集中している時、脳のどの部分が活動しているかを調べた実験があります。
その結果、通常時の脳は広範囲にわたり、あらゆる部位が活動しているのですが、集中すると作業に必要な一部のみが活性化し、他の部位は活動が低下している事が分かりました。
つまり、『集中』とは脳の活動を低下させ、一点に集中する事で起きる現象だったのです。

脳とメモリの関係

脳を一つのメモリと考えてみましょう。
「見る」「聴く」「話す」「判断する」「歩く」「記憶する」「計算する」など、様々なタスクを同時に処理すると、メモリは分散され、動作は遅くなります。

しかし、いらないタスクを停止させ「記憶する」だけを残すと、全てのパワーを「記憶」にのみ特化する事が可能。
シングルタスクの時、私たちは『集中』しているのです。

集中力を高める方法

マシンスペックが不満だからと言って、脳はメモリのように載せ替える事はできません。
ならば、いらないタスクを減らし、今あるメモリの容量を増やす(集中)しかないでしょう。
その為の手軽な手段として、3つの方法があげられます。

(1)環境音で雑音をカットする

家庭や職場では集中できないのに、電車の中では集中できるという人も多いのではないでしょうか?

たとえば、雑踏の中でも自分の名前は聞こえるように、人は自分に関係のある「音」に関しては、無意識に注意を向けてしまいます。
電車内で知り合いに呼ばれる機会は少ないでしょう。
ですが、知り合いや自分と関係するものが多い、自宅と職場は集中しにくい場所と考える事ができます。

雑音で雑音を潰す

また、電車がレールの上を走る変化のない一定のリズムに対して、脳は聞こえていても反応しません。
このような「脳が反応しない音は環境音」と呼ばれています。

そこで、ホワイトノイズに代表される環境音を使い、自分の“注意を引く音を潰す”事で、余計なタスクの発生を防ぐ事ができるのです。

(2)自己報酬神経群を逆手に取る

自己報酬神経群とは、目標を達成した時にもらえるご褒美を目指して、活発に活動する脳の部位。
目の前のエサに向かって走る原動力となる場所です
しかし、この自己報酬神経群は、「目標を達成した時」ではなく、「達成が見えてきた時」に活動を停止します。

ゴールを一歩、奥に設定する

オリンピック金メダリスト「北島康介」選手が、ゴール直前のタイムを伸ばすために、壁にタッチする事がゴールではなく、タッチの後で電光掲示板を見る事をゴールとした、というのは有名な話です。

1日に英単語100個を覚える事をゴールとすると、後半で集中が切れるでしょう。
ならば、100個の英単語を覚える為に、ノルマを150個とした方が科学的には理にかなっていると言えるでしょう。

(3)飽きは脳の疲れである

集中が切れる事を「飽きた」といいます。
この「飽き」とは脳が疲労している状態なのです。

疲労回復には休息が一番

フルマラソンの後で100mを走ってもいい記録が出ないように、飽きた(疲労)している状態でいくら頑張っても身に付きません。
疲労から回復するには、10分から20分の仮眠を取る事をおススメします。

勉強内容を変えるのも効果的

「追い込みで5分の時間すら惜しい」という時には単語の暗記からリスニングへ変えるというように、勉強内容を変える方法もあります。

限界まで腕立て伏せをした後でも、腹筋やスクワットは出来ますよね。
同じように、暗記と聞き取りでは使用する脳の部位が変わるため、飽きずに続ける事ができます。
それでも、長くは続きませんので、おとなしく休憩を取る方が効率的という事はよくあります。

脳をだまして集中するのは難しくない

錯視やトリックアートの例を出すまでもなく、私たちの脳は高性能な割に、非常にだまされやすい性質を持っています。
脳の性質を理解すれば、集中力は単純な方法で、意外なほど簡単にアップするのです。

脳の特性を理解し、集中力をアップさせる方法のまとめ

  1. ホワイトノイズで雑音を塗りつぶす。
  2. 目標は、少し遠くに設定する。
  3. 飽きたら休む。
  4. 休めないなら、別な勉強に切り替える

著者:渡辺芳樹

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学生時代からライターとして活動。小さな会社に就職したおかげで、ライター以外に、編集からWEBサイト製作など、幅広く経験。現在はフリーランスとなり、いくつかの会社と契約を結んで執筆活動してます。