「相手にどうにかしてほしいこと」上位に入る体臭
「たかが体臭くらいで・・・汗くさいくらいが男の勲章だ!」なんて思っていませんか? マンダムが「においの調査と実態」という面白い調査をしているので紹介します。
http://m-age.jp/smell/detail/5-02.html
職場の身だしなみで「どうにかしてほしいこと」の1位は、何と!!「体臭」なのです。一気に不安な気持ちになった方もいるのではないのでしょうか?セクハラという言葉は知っている方も多いと思いますが、ニオイについてもスメハラ(スメルハラスメント)という名前がついています。
スメハラとは、「自分のニオイ(体臭)が周りの人に不快感を与えること」です。体臭だけでなく、口臭、周りに不快感を与える香水なども当てはまります。しかも、ニオイを発している本人は気がついていないことが多いようです。
筆者も、打ち合わせ中に相手の頭のニオイが気になってしまった事があります。鼻をつまむわけにはいかず、全く相手が話している内容も頭に入らず、苦しい打ち合わせでした。
もし、契約交渉において提案者側がニオイを発していたら・・・契約がうまくいかないということもありそうです。
体臭の原因は、汗・皮脂・垢・雑菌
では、なぜ人によって体臭に差があるのでしょう。体臭の原因は、汗・皮脂・垢・雑菌のニオイです。人間の皮膚には、汗を分泌する「汗腺(かんせん)」と皮脂を分泌する「皮脂腺(ひしせん)」があります。
汗腺は、名前の通り汗を分泌し、体の体温を調整します。暑い日に、汗をたくさんかくのは、上昇した体温を皮膚から汗を蒸発させることによって下げているからなのです。また、緊張した時や辛いものを食べた時にも汗は出ますね。
皮脂腺は、体毛1本に対してそれぞれ存在します。名前の通り、皮脂を分泌し皮膚や毛髪に潤いを与え表面の保護や保湿をしています。汗腺も皮脂腺も体にとって必要な機能です。ニオイの原因なの?って思いますよね。
ストレスを受けるとニオイも強くなる
そうなんです。実は汗も皮脂も分泌されたばかりのときは、ほぼ無臭。ここに、皮膚に付着している垢・雑菌が混ざり合って、作用することで不快なニオイを発するのです。これが体臭です。
この現象は脂質、タンパク質、アミノ酸などの成分が酸化・分解されて起こります。さらに、人間はストレスを受けると体内の活性酸素が急激に増加します。すると皮脂腺が活発になり、皮脂も多くでるので、通常よりもニオイが強くなります。
もしかしたら、体臭が強い人は、仕事や家庭でのストレスを極度に感じているのかもしれません。
ニオう人・ニオわない人の違い
ここまで見ると、汗腺や皮脂腺は誰にでも存在するものでした。しかし、これまでに発見されている体臭の成分は数百種類以上あり、汗・皮脂がニオう人・ニオわない人の差はそこにありそうです。
まず、汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類があります。皆さんも、運動した時にかく汗と、緊張した時にかく汗は何となく違うなと思ったことはありませんか?
エクリン腺は、体のほぼ全身にあり、特に手のひらや足の裏に多く分布しています。暑い日や運動した時には、比較的サラサラとした汗を分泌します。成分の約99%は水で、残りの1%は塩分・カルシウム・アミノ酸・尿酸などです。
汗が出た時は、ほぼ無臭ですが、時間が経つにつれて雑菌が増え、アミノ酸が分解されて体臭となります。
アポクリン腺は、主にわきの下、性器周辺に分布しています。成分はエクリン腺と異なり、水以外にニオイの元になりやすいタンパク質・脂質・脂肪酸・コレスレロールなどを含んでいます。一般的に「わきが」と呼ばれるのもアポクリン腺から発するニオイです。
ニオう人、ニオわない人の差は、皮膚の表面の垢・雑菌の量と、アポクリン腺から出る汗と皮脂腺から出る皮脂の量・ニオイに違いがあります。汗っかきの人だけがニオうわけではないのです。
衣服の状態や生活習慣を見直してみて
体をしっかり洗っているから大丈夫と思った人も確認してください。
何日も同じスーツを着ている人は、スーツにこびりついた皮脂や汗がニオイを発します。ワイシャツを「まっいいか」と洗濯しないで数日間着ている人も要注意です。
また、食事や生活習慣からもニオイに差がでます。肉類の食事に偏っている人は、ニオイが強い皮脂を多く分泌します。アルコールやタバコもニオイの原因となります。あまり運動をしない人も普段はあまり汗をかかないため、汗をかいた時は強烈なニオイを発します。
いかがでしたでしょうか。自分は大丈夫と思った人も、上記に当てはまっていたら、周りにニオイを発している可能性が高いです。気がついていないのは自分だけかもしれませんので、気をつけましょう。
あきらめないで!加齢臭、わきが
残念ながら、加齢臭という言葉もあるように、加齢とともに皮脂が多くなるのは確かなことです。主に、顔、背中に皮脂腺が集中しているので普段からしっかり洗うことを心がけてくださいね。
男性の方が女性よりも皮脂が多く、揮発性のニオイ成分も多く含まれているようです。また、わきがは先天性的なものです。気になる人は一度病院に相談してみましょう。
部位別のいろいろなニオイ
足のニオイ、頭皮のニオイがくさいと自分でも自覚している人もいらっしゃるでしょう。ここでは、わき・足の裏・頭皮・加齢について見ていきます。わきには、先ほども出てきたアポクリン腺と雑菌が多いです。そのため、独特のわきのニオイと鼻にツンとくる酸化臭があります。
足の裏のニオイ
足の裏は、背中などの約5〜10倍のエクリン腺があります。そのため汗をかきやすい部分です。そして、他の皮膚よりも角質が厚く、靴下や靴を履いていることが多いため、常に密封状態です。特にニオイが強い人は湿っています。モアっとした独特の足のニオイがします。
頭皮のニオイ
頭皮は、皮脂腺が多い場所です。またフケなどが溜りやすく、ニオイの原因に。焼き肉を食べにいった時にも感じるように、髪にはニオイを吸着する効果もあります。しかも、脂肪酸などが混ざっているのでニオイは強烈です。
筆者も体験したことですが、頭がニオう上司がいたら、あまり近づきたくないと誰もが思うことですよね。一緒に電車移動する時は特に大変です。頭と鼻の距離が30cm以下。強烈です。最近部下が、進んで報告して来なくなったと感じた人は、一度自身の頭のニオイを確認してみましょう。
加齢臭
加齢のニオイは、皮脂成分にパルミとオレイン酸や過酸化脂質が増えることが原因です。何とも言えないニオイです。仕方がないことだと認めて、毎日清潔にすることを心がけましょう。
体臭に効果的な正しいデオドラント対策
いい香りの香水をつけているから、体臭対策はバッチリと思った方は、ちょっと待って下さい。余計にニオイを強くしている可能性があります。頭のニオイと香水が混ざったニオイを想像してみてください・・・きついですよね。根本的なニオイ対策が必要です。
夜、湯船につかって入浴する
まずは基本的なことですが、毎日の入浴で体をきれいに保ちましょう。垢や皮脂を取り除き、雑菌の繁殖を抑えることができます。
洗い方にも注意してください。あまり強くこすりすぎると、善玉菌である表皮ブドウ球菌が死んでしまいます。表皮ブドウ球菌は、汗や皮脂を栄養としニオイの発生を抑える効果もあります。
入浴は夜がおすすめです。疲労が溜ると体に乳酸が溜ります。乳酸は放っておくと、アンモニア臭を伴うニオイに変わります。
湯船に浸かることで血行が良くなり、寝ている間に乳酸が体から抜けていきます。湯船に浸かる習慣がない人は、ぜひ試してみてください。
酸化を抑えるバランスよい食事を
先ほども出てきたように食事によっても、ニオイに差がでます。油とタンパク質のとり過ぎ(肉や揚げ物、乳製品など)には注意しましょう。食べ過ぎによって、内臓脂肪や皮下脂肪が増え、それが皮脂の分泌量の増加につながります。
皮脂が酸化することもニオイの原因となるため、酸化を抑える食べ物を積極的にとることも効果的です。
緑黄色野菜・ナッツ・キノコ類など、バランスの整った食事を心がけましょう。
ストレスもニオイの原因
ストレスを受けることにより、体内の活性酸素が活発になり皮脂の分泌量の増加につながります。また暴飲暴食をして、食生活も崩れてしまう原因にも。
規則正しい睡眠や運動習慣を取り入れ、ストレスを溜めないように心がけることも必要です。
もしかしたら病気かもしれません
これまでニオイの原因を見てきましたが、もしかしたら原因は病気ということも。体臭対策をしてもなかなか改善されない。家族からも指摘される・・・という人は一度、病院に行ってみることをおすすめします。
異常なほどのあぶらっぽいニオイがある場合は、脂漏性皮膚炎の場合があります。皮膚に炎症やかゆみが現れることもあります。汗から甘酸っぱいニオイがした場合は、糖尿病の可能性もあります。
汗から強いアンモニア臭がした場合は、腎機能の低下や疲労が溜っている可能性があります。そして急に皮脂腺が活発になった場合、甲状腺機能の異常やパーキンソン病が原因ということも。頑固な便秘の人も体から便の腐敗臭がすることもあるようです。
デオドラント対策は最低限のエチケット
ニオイは意識しなくても勝手に鼻に入ってきます。相手からしたら、どうにもこうにも防ぎようのないことです。仕事でもプライベートでもニオイ対策は最低限のエチケットと言えるでしょう。
仕事や人間関係がうまくいかないと思っている人は、ぜひデオドラント対策をしてみてください。最近では、汗拭きシートなども主流です。取引先に行く前には特に気をつけてみるといいかもしれませんね。