肌トラブルの原因は乾燥から
冬になると、「なんとなく肌がかさかさするなぁ・・・」とため息ついていませんか?肌にとって、乾燥は禁物です。乾燥肌をそのままにしておくと何が起こるか、ということについて考えてみましょう。まず起こるのは、肌の水分量が少なくなることによる弊害です。水分量が少なくなることにより、肌が荒れ、角質が熱くなるのです。血行不良なども起こりますので、くすみの原因になります。一度くすみが起こってしまうと、元の肌の状態に持っていくにはかなりの努力が必要です。
こうやって書いているだけでも恐ろしいことが起きることが判っていただけますでしょうか。それでは、このような状況を回避するには、どうすればいいのでしょうか?まず、皆さんが考えるであろうことは、「肌の乾燥を回避する」ことだと思います。
もちろん、それは正解です。しかし、アンチエイジングということで、いろいろな化粧品を使いたくなる気持ちはわかりますが、そういったものは乾燥が解消されず、使ってもその効果を実感はできないものです。
なぜなら、根本的な問題の解決にはなっていないからです。「肌トラブルの原因は、すべて乾燥から起こっている」とおっしゃる美容研究家の方もいるくらいです。
保湿を意識したお手入れが大切
なんといっても大事なのは、普段のお手入れ。普段どうお手入れしているかで、トラブルになったときにどこまで持ちこたえるかが決まります。高価な化粧品はそれなりに効くものが多いのですが、毎日のこととなると、続けられる値段のケア用品のほうがいいですよね。そこでオススメしたいのが、皮膚科で処方してもらえる「ヒルドイド」と「ビーソフテン」という保湿剤です。「ヒルドイド」が先発品で、「ビーソフテン」が後発品(ジェネリック)です。これらの保湿剤を効果的に使えば、冬の乾燥にも、夏の紫外線にも負けない肌を作ることができてしまいます。それでは、詳しくみていきましょう。
どんな薬なの?「ヒルドイド」も「ビーソフテン」も主成分は同じです。「ヘパリン類似物質」という成分が主成分となっています。それでは、この「ヘパリン類似物質」とは、どんな成分なのでしょうか。
成分の名前をよく見てください。「類似物質」という言葉が目に付くと思います。その名のとおり、人間の体内にある「ヘパリン」という物質に似ていることから、その名がつけられました。
では、「ヘパリン」とはどんな物質でしょうか。特徴は以下のとおりです。・血液が固まるのを防ぐ作用を持っている。
・関節痛に効くと評判のコンドロイチンや、化粧品にも配合されているヒアルロン酸などと同じムコ多糖類と呼ばれる物質の一種
つまり、これに似ている「ヘパリン類似物質」も、血液が固まるのを防ぐ作用を持っていることになります。このことは何を意味するかというと、塗った部分の血行が良くなることを意味します。
これを聞いたら、試さずにはいられなくなりますよね。そこで、続いては入手方法と実際のケアについてお話をしたいと思います。
保湿剤の入手方法
「ヒルドイド」も「ビーソフテン」も処方薬です。つまり、お医者さんの処方箋がないと入手できない薬です。「えー、お医者さん行くの面倒くさい」と思うかもしれませんが、あくまで医薬品ですので、きちんと処方を受けましょう。どうしても医療機関に行く時間が取れない、という人には、ドラッグストアで買うことができる「ヘパリン類似物質」配合のクリームもあります。ただ、処方してもらうものに比べると金額が跳ね上がるので、オススメはしません。
皮膚科で処方してもらうことがほとんどだと思うのですが、そういう時は「皮膚の乾燥で悩んでいる」といいましょう。そうしたら、「乾皮症」ということで、「ヒルドイド」や「ビーソフテン」を処方してくれます。
保湿剤の種類
「ヒルドイド」にはローション、ソフト軟膏、クリームの3種類があります。ローションは乳液状、ソフト軟膏はやわらかいクリーム、クリームは固めのクリームになっています。このうち、よく使われるのはローションとクリームです。「ビーソフテン」にはローションと外用スプレー、クリームがあります。ローションを大容量にしてスプレーできる容器に詰め替えたものが外用スプレーです。クリームは「ヒルドイド」のソフト軟膏に近い質感です。
使用する際に気を付けること
基本的には、普通の乳液や化粧水と同じように使って問題ありません。一番保湿ができるのは、以下の順での使用になります。2.「ヒルドイド」のローションでふたをする。
3.「ヒルドイド」のクリームでふたをする。
ただ、一つ注意していただきたいことがあります。血行を良くする作用がある、ということは、血液を固まりにくくする作用もある、ということです。そのため、ワーファリンなどの血栓防止剤を使っている人は、「ヒルドイド」や「ビーソフテン」は使えません。
また、同様の理由で、傷があるところに塗るのもやめましょう。血が固まりにくくなるので、傷が治るのが遅くなってしまいます。その他の使用上の注意については処方してもらったときに、お医者さんから聞きましょう。
お肌の調子に合わせたケアを
女性はホルモンの関係上、体調が日ごとに変化することは珍しくありません。普段問題なく使えている化粧品でも、日によっては「なんだか染みる、痛い」と感じることもあるでしょう。そういうときでも、医薬品だったら案外問題なく使えるのではないかと思うのです。もちろん、医師の処方が必要な医薬品である以上、副作用が起こらないとはいえません。
ただ、調子が悪いときに、無理して普段使っている化粧品を使うよりは、肌に優しいものを使っていくという選択肢も必要だと思うのです。女性が綺麗になるためには、「努力はしても無理はしない」これが一番大事だと信じています。