貴方はどっち派?ハウスメーカーと工務店を5項目で比較してみた|トピックスファロー

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2013年4月25日
貴方はどっち派?ハウスメーカーと工務店を5項目で比較してみた

実際に住宅を建築した人の間でも別れるのが、『建築を頼むのは工務店かハウスメーカーか』という比較。この問題に決着がつかないのは、施工主の求めるものとそれぞれにメリットが存在するからです。そこでこの問題を解決する為に両者を比較してみました。

企画やWEBサイト製作までも手掛ける、ライターもどき
  

ハウスメーカーと工務店の違い

それぞれの得意分野を比較する前に、まず両者の違いを比べたいと思います。
ちなみに、今回は建築番組で取り上げられる建築家も、工務店として考える事とします。

ハウスメーカーの特徴

住宅メーカーとも呼ばれ、全国展開している場合が多い。
土地の購入から住宅の完成までを、一貫して行う幅広いサービスを受けることが出来る。
さらに各種ノウハウの積み重ねがある為、非常に効率的で失敗は少ない。

また、大きな企業としての体力がある為、数十年という長いスパンで見た時に、『企業がつぶれて当時の詳しい状況をすることが出来ない』といった状況が起きにくいとも言えます。

さらに、ハウスメーカー独自の技術であったり、最新技術を取り入れる事が比較的容易。
オール電化の様なブームを作り出していくのは、常にハウスメーカーです。
そういった技術を展示する『モデルハウス』を見学できるというのも特徴でしょう。
その反面、『費用が高い』『マニュアルから外れたことが出来ない』という弊害が発生します。

工務店の特徴

基本的にその地域に密着するスタイルを取るのが工務店。
また、長年その土地で家を建て続けているという事は、その土地の気候風土に合った設計を得意としているという事にもなります。
これは、全国で均一の住宅を得意とする、ハウスメーカーの苦手とする箇所といえるかもしれません。

設計に関しては、比較的自由度が高く、こだわりの家を提案しやすい。
また、ハウスメーカーに比べ、価格がずいぶんと抑えられるという事があげられます。

一方で、工務店の力量が外部からは分かり難く、当たり外れが大きい。
小さい会社には、常に父さんの危険性が付きまとう。
住宅の完成形のイメージが掴みにくい、といった事があげられます。

ポイント別比較

次は、住宅を建てる際に気になる箇所をポイント別に比較したいと思います。

価格

『高い=ハウスメーカー』
『安い=工務店』
これは一般的なイメージですが、さほど間違ってはいません。

両者を分けた理由は、『企業としてのあり方』と考えれば分かりやすいでしょう。
全国展開のハウスメーカーは広告費にかなりの金額を使用します。また、特徴的なモデルハウスも大切な広告の1つですが、その維持をするだけでも多くの費用が必要になるでしょう。

対して、地域に密着している工務店に必要なのは地元の評判。そこに多額の広告費は必要なく、メインとなる媒体は『口コミ』といっても過言ではありません。

デザイン力・自由度

『漠然としたイメージ=ハウスメーカー』
『具体的なこだわり=工務店』
良い悪いではなく、「どちらがおすすめか」という事で判断しました。

「日当たりが良い」「防音がしっかりしている」「子供の成長に合わせて」といった、住宅に関する理想は誰しもが持っています。

パズルをくみ上げるハウスメーカー

その形にできない理想に対して最も理想に近いデザインを提案できるのは、数多くのノウハウを積み上げてきたハウスメーカーに分があります。
例えば、モデルハウスやカタログを見る事で、具体的なイメージを固めていく事も出来るでしょう。
しかし、プランから大きく外れた条件には対応できません。

砂から城を作る工務店

一方の工務店は、まずデザインありきで設計をすることが出来ます。
制約が少ないので、極端な例では『区切りが一切無い家』や『角が無い球体の部屋』といった建築も不可能ではありません。
しかし、施工主に明確なビジョンが無い場合、デザインが全く決まらない事や、建築家の趣味で作ったような想像と全く違う住宅になってしまう危険があります。

耐震性

『基準以上=ハウスメーカー』
『施工主による=工務店』
東日本大震災を例に上げるまでもなく、地震大国の日本では耐震性に非常に気を使います。
しかし、残念な事に目には見えない耐震性は、コストカットの煽りを一番に受けてしまう箇所でもあります。

建築物には、国が定める建設基準法により『耐震基準』が定められ、「1~3の等級」によって表されます。

最高基準を目指すハウスメーカー

『大きな地震でも倒れなかった』という事実は、大きな宣伝効果となっていると言えるでしょう。
その為、ハウスメーカーの多くは、建設基準法の1.5倍の耐震性能を認める『耐震等級3』を標準としている企業は少なくありません。

耐震性<住みやすさ

もちろん工務店が耐震性で劣っているという訳ではありません。
しかし、施工主が耐震性を考慮していない場合、他の意見を取り入れた事で、最優先事項ではなくなるという事態は十分に考えられます。
逆に考えれば、デザインの段階から耐震性を考慮に入れておけば、『耐震等級3以上』の建築も可能になります。

アフターサービス

『充実のロング保障=ハウスメーカー』
『信用第一=工務店』
新築は10年間の保障(瑕疵担保責任)が義務付けられています。
瑕疵担保責任によって、最低10年間は、例え施工した会社が倒産したとしても、泣き寝入りをする事はありません。

ハウスメーカーはアフターサービスに差が出る

しかし、ハウスメーカーによっては、60年間の定期点検を行う企業や、24時間体制で相談を受け付けている企業なども存在します。
企業体力のある、一流企業だからこそ行えるサービスといえるでしょう。

工務店によりアフターサービスの内容が変わる

工務店の場合、地域で悪い噂が広がれば、それは死活問題となります。
その為、アフターサービスには迅速に対応する工務店や、年に1回以上は家の様子を見に来るという工務店も存在します。
しかし、全ての工務店が素晴らしい対応をしているとは言い難いでしょう。

総評:ライフスタイルに合わせた建築計画

総評としては、『どちらが優れているという事はなく、住宅に対する施工主の取り組み方で選んだ方が良い』という事です。

忙しい人向けのハウスメーカー

すでに決められた枠の中でイメージを固めていくハウスメーカーでは、自由度は低いかも知れません。
しかし限られた選択肢から選ぶ事は『迷う』時間が少なく、予想外の失敗が起こりにくいという事でもあります。
「無難なデザイン」だと嫌う人もいるかもしれませんが、そのデザインこそが多くの人に支持されている使いやすいデザインと考える事も出来ます。

時間と労力をかけ細部までこだわる工務店

工務店では全てを自分の理想通りに進めやすいですが、逆に言えば『自分が決めないと進まない』ともとる事が出来ます。
形にない物のイメージを正確に伝えるには何度も話し合いを重ねる必要がありますし、建設中に発生する問題にも対処する必要があります。
この労力を惜しむことで生じた食い違いは、後々まで不満として残る事でしょうが、こだわって作り上げた住居にはハウスメーカーにはない達成感や愛着を感じる事になるでしょう。

著者:渡辺芳樹

企画やWEBサイト製作までも手掛ける、ライターもどき
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学生時代からライターとして活動。小さな会社に就職したおかげで、ライター以外に、編集からWEBサイト製作など、幅広く経験。現在はフリーランスとなり、いくつかの会社と契約を結んで執筆活動してます。