証明写真はどこが見られている?
企業の人事担当者が、履歴書やエントリーシート(ES)を見る際に、最初に目にするといわれているのが写真です。
証明写真は、履歴書やESではどんな役割をしていて、企業側からはどんなポイントが重要視されているのでしょう。
そもそもの目的は本人確認
もともと、履歴書やESの証明写真は、本人確認のために必要とされてきました。
これは、いわゆる“なりすまし”を防ぐことが目的なので、本人かどうか確認できる程度の写真で良いとされてきたのです。
ところが、あくまでも本人なら問題がなかったはずの本人確認に、今までになかった意外な問題が生じています。
その原因は、写真の加工です。
最近、少しでも顏の印象を良くするために、目の下のクマやほうれい線を消したり、髪の毛の色を黒くするといった、証明写真に修整を加えるサービスを行っている、写真スタジオや写真館が増えています。
写真にあまり手を加えすぎて、別人まではいかなくても、写真と本人の間にギャップができてしまうと、相手に不信感を与える可能性があるため、加工や修正の際は、仕上がりに十分注意しましょう。
写真からやる気が感じられるか
人事担当者は、写真という限られた情報の中から、その応募者に、この企業で働きたいという、やる気があるかどうかを判断しています。
応募者側の立場からすると、1枚の写真で、どうやって相手にやる気を伝えればいいの?と思われるかもしれませんが、これについて言えるのは、「当たり前のことを、誠意を持ってきちんとやる」ということのみ。
表情がいきいきしているか、身だしなみはきちんとしているか、適当な写真が使われているかなど、常識的なことを守っていれば、やる気や情熱は伝わるはずです。
スピード写真で撮るのはNGか
履歴書やESの証明写真について、よく話題に上がるのが、スピード写真で撮った写真は、不向きか否かという問題。
これに関しては、企業や人事担当者個人によって、かなり見解が異なるようです。
身だしなみや表情から熱意が感じられれば、スピード写真でもOKという人事担当が増えている中で、今なお、写真スタジオや写真館が望ましいという意見も多いようです。
スピード写真に懐疑的な理由の一つとして上げられるが、その「お手軽感」なのだとか。
安くて、気軽に写真を撮ることができる、お手軽なイメージのスピード写真で撮った写真からは、その企業で働きたいという熱意が感じられないというのです。
最近では、自分で撮った写真を証明写真用に加工することができるソフトなどもあって、証明写真の撮り方が多様化してきているようですが、さまざまな考え方の人事担当者がいることを考慮するなら、証明写真は、写真スタジオや写真館で撮ってもらうのが、もっとも無難だといえます。
写真を撮る上での注意点
企業の人事担当者に、履歴書やESに貼った証明写真で、自分のやる気を伝えるためには、どのような点に注意して、写真を撮ると良いのでしょう。
身だしなみはきちんとしているか
その人の基本情報を、写真から得るために重要視されているのが、身だしなみです。
髪型や服装から、イメージや人となりが判断されてしまうため、注意する必要があります。
髪に寝グセがついていたり、シャツやスーツがヨレヨレだったりすると、だらしない印象を与えます。
また、顔色が悪く、やつれた感じでは、不健康そうな印象、女性の濃いメイクや大ぶりのアクセサリーは、派手な印象を与えるのです。
相手にできるだけ良い印象を与えるために、写真を撮りに出かける前と写真を撮る直前は、必ず身だしなみのチェックを行って下さい。
どんな表情をすればいい?
証明写真では、笑ってはいけないという印象を持っている人は、多いのではないでしょうか。
もし自分が、真顔や無表情の写真を受け取った場合、どのような印象を受けるでしょう?
まじめで硬そうな印象や、暗そう、感じが悪いなどの、ちょっとネガティブな印象を持ってしまうはず。
一般の企業に応募する場合、証明写真は明るめの表情がのぞましいのです。
口角を軽く上げた微笑み程度の笑顔が、印象をさわやかにしてくれます。
ただし、歯を見せた笑顔の証明写真は、キャビンアテンダントやアナウンサーなど一部の職種でしか、受け入れられていないため、気をつけましょう。
どんな風にすると、自分の顔が明るい印象になるのか、日頃から、鏡の前で練習しておくことが大切です。