
高額なインプラント治療は甘んじて受け入れないといけないのか?
何らかの理由で歯を無くしてしまったら、顎関節や隣接する歯・歯茎へ好ましくない影響を与えかねません。部分的な入れ歯による補強でも悪影響を回避する事ができますが、劣化や破損する可能性も十分考えられます。その度に型を取り直し一から作らなくてはなりません。度重なる出費を考えるなら義歯を植え込むインプラント治療をした方が良いかも知れません。
しかし、インプラント治療は保険が適用されない『自由診療』になります。
その為、治療費が高額になり1回の手術で○十万円というものが普通にあります。
患者は『歯をとるか?』それとも『治療費をとるか?』という決断に迫られるのも事実です。
この天秤にかけられ、治療を受ける人は高額を甘んじて受け入れてしまいます。
ローンや借金をして、毎月返済をしていかなくてはならないのです。
高額治療費を助ける救済策
日本には、高額な治療費がかかった場合に『医療費控除』というシステムがあります。
これは、納税者である自分を含めた家族の一員が、不慮の事故や入院などにおいてかかった高額医療費の一部を控除するというものです。それにより負担が大きく軽減します。
このシステムは、病院にかかる人にとっては本当に嬉しいものです。
しかし、治療を受けたからと言って自然に控除されるものではありません。患者側から申告をしなければ全く控除されないのです。
一見厄介なシステムだと思うかもしれませんが、4つのステップさえ覚えておけば確実に控除してもらう事ができます。
4つのステップで医療費控除を確実に!
高額なインプラント治療をした際に、どうしてもしておきたいのが医療費控除。
確実にしてもらうために必要な事とはあるのでしょうか?
ステップ1『対象となる年を明確に』
年をまたがずに行った治療であれば問題ないのですが、年をまたいでしまった場合(手術が昨年。術後の治療が今年)はそれぞれの年の分を対象としなくてはなりません。
というのは、医療費控除の概念として対象期間が『1月1日~12月31日』と決まっているからです。
少し面倒になるかもしれませんが、年をまたいだ時は各年の支払った金額や交通費の領収書を準備しなくてはなりません。
ステップ2『治療を受けた事の証明』
医療費控除の対象は、先程も触れましたが『自分を含めた家族の一員』にしかあてはまりません。
ですから、そのうちの『誰が受けた治療の支払いなのか』という事を証明しなくてはなりません。
また、ステップ1でも触れたように対象期間が定められていますので、『支払期間を正確にする』必要もあります。
それらの2点を準備しておかないと医療費控除の対象にはならなくなってしまいます。
ステップ3『申告』
医療費控除は確定申告の際に行ないます。この時に『確定申告の用紙』『源泉徴収』『治療費の領収書』『支払われた保険金がわかるもの』『交通費の領収書』『医療費控除の内訳書(領収書が無いもので対象となるものを記入)』『銀行口座の番号がわかるもの』『印鑑』を準備しておくなら手続きがスムーズにできるでしょう。準備のし忘れや記入漏れがあると、手続きまでに無駄な労力と時間を浪費してしまいます。
ステップ4『控除金額の上限を知っておく』
おまけ的な部分かも知れませんが、医療費控除はあくまでも“控除”であって国による治療費全額負担ではありません。
ですから、『手続きしたのに全然金額が足りない!』という事が無いように、ある程度概算を出しておくと良いと思います。それにより、無駄なトラブルを回避する事ができます。
次の計算式で医療費控除額を出す事ができます。
{〈支払いにかかった金額)-〈保険によって補填された金額)}-〈10万円(所得200万円以上)か全所得の5%(所得200万円未満)※〉
※10万円か5%の所はどちらか金額の少ない方が適用されます。
例1 治療費→50万円、保険による補填→10万円、所得が200万円以上(10万円適用)の場合
{50万-10万}-10万=40万-10万=30万円
よって、30万円が控除額になります。
例2 治療費→50万円、保険による補填→10万円、所得が100万円(5%適用)の場合
{50万-10万}-(100万円の5%)=40万円-5万円=35万円
よって、35万円が控除額になります。
手順を知っておくことで確実にできる医療費控除
高額なインプラント治療をする場合でも、医療費を控除する手順を知っておくなら気持ちに余裕ができるでしょう。そして、高額な治療費を甘んじて受け入れるという不安や恐れもなくなると思います。
ですから、医療費控除をするなら、確定申告の際に必要な物を全て用意して手続きをしましょう。
治療後に一時的な出費をしますが、控除される分があるので一部ですが返金されます。
そのため、返済による家計への圧迫を軽減する事ができるかも知れません。
医療費控除制度を用いるなら、治療に専念し経済的な苦痛を軽減する事ができます。
