CTとパノラマレントゲンの違い
CTとパノラマレントゲンは、どちらも口全体の様子を知るのに役立ち、歯や骨などの状態・位置が確認できます。
しかし、大きく違うのは、パノラマレントゲンが2次元なのに対し、CTは3次元であるという点です。
3次元の立体画像で確認できることから、より精密な診断が可能になります。
インプラントはCTがなくても治療はできる
現在は、規模の大きな病院・歯科医院にしかCTが設置されていませんが、CT設備のない歯科医院でもインプラント治療は行なわれています。CTなしで多くの症例を持ち、全くのミスもなく治療を行なっている医師も多くいます。
しかし、リスクが全くないというわけではありません。リスクを防ぐために必要とされているのがCTなんです。
また、精密な診断が可能になるために、手術時間を短縮することも可能になるとされています。
インプラント手術におけるCT撮影のメリット
インプラント手術では、CT撮影をすることで次のようなメリットがあります。
- 骨の質・高さ・形状まで正確に把握できる
レントゲンでは骨があるように見えていても、実際には骨が欠損していたりすることもあります。 また、CTでは骨粗しょう症の診断もしやすくなります。 - 手術のシュミレーションが可能
骨移植などでは、どれだけの骨量を増やせば良いのかということが事前にわかります。また、骨の厚みや量を把握できるので、どのドリルが適しているか、どの深さまで穴を開けるべきかということが事前にわかります。
CTにもデメリットはある
インプラント治療を安全に行なうことを可能にしてくれるCTなのですが、次のようなデメリットもあります。
- コストがかかる
- 被爆する
歯科用CTの被爆量は、撮影する範囲や装置の種類によって異なりますが、パノラマレントゲンに比べ多いです。
しかし、歯科用CTの被爆量は医科用のCTに比べてずっと少なく、医科用CTの被爆量の2%弱という歯科用CTもあります。
また、CT撮影は保険が適応とならないため、15000円程度の費用がかかります。
インプラント治療はCTのある病院を選ぶべき?
安全性の高いインプラント治療を望むならば、CT撮影は必要でしょう。しかし、歯科医院にCTがないから、CT撮影ができないというわけではありません。CT撮影のみ違う病院・歯科医院で行なうことができます。
世界の医科用CTの3分の1が日本にあるとされています。多くの病院にCTが設置されているので、近隣の病院でCT撮影を行なうことができるでしょう。
もちろん、インプラント治療を行なう歯科医院にCTがあれば全く問題ありませんが、治療を行いたい医院にCTがない場合は、外部に依頼してCT撮影を行なったうえで治療することが可能かどうか、医師に確認すると良いでしょう。