うるさい歯ぎしりは噛み合わせで起こる?
ガリガリ、ギギギ、ガーガーと耳障りな音を耳元で立てられたら、朝までぐっすり眠られる人でも飛び起きてしまうもの。それほど就寝中の嫌な物音は快眠・安眠を妨げてしまう原因になってしまうものです。そして、眠りを邪魔する物音は他人が立てるだけでなく自分自身が無意識のうちに立ててしまうことさえあるのです。
眠りを邪魔する歯ぎしり
自分自身が知らない内に立てる物音の一つである歯ぎしりは、歯を噛み締めた状態で顎を動かすことで発生する音です。一般には上下の歯を左右にこすりあわせる「グラインディング」によるものが多く、強く噛み締める「クレンチング」、カチカチと上下の歯を合せる「タッピング」があります。
歯ぎしりの多くは睡眠中に起こりますが、人によっては意識が覚醒している時にも歯ぎしりを起こすことがあります。
歯ぎしりは身体を壊す原因になる
歯ぎしりはただ歯を噛み合わせて音を出すものだと思っているかもしれませんが、そんな甘いものではありません。
まず、歯ぎしりで真っ先に影響があるのは音を出している歯です。歯ぎしりの際に歯に掛かる力は食べ物を咀嚼している時よりもはるかに強く、歯を損傷させる恐れがあります。歯ぎしりを繰り返している人の歯は、表面のエナメル質がすり減っていて、ひびが入ったり虫歯になりやすくなってしまうのです。
そして、歯を動かす顎にも影響が発生します。歯を強く噛み合わせていると顎の筋肉が強い緊張状態になり、顎関節症を引き起こしやすくなってしまいます。顎関節症は顎の痛みを主症状として、めまいや肩こり、耳鳴りなどを引き起こす原因にもなってしまうのです。
それに歯ぎしりで出た騒音は耳に直接入ってくるため、睡眠を妨害しやすく不眠に悩まされてしまうこともしばしばです。
歯ぎしりの原因の一つは噛み合わせ
このように歯ぎしりはそのままにしておくと、自分や周囲の人の安眠を妨害し身体の健康を損なう原因になってしまうものです。
歯ぎしりを起こす原因にはストレスなどが原因と考えられていますが、その一つには歯の噛み合わせも含まれています。
歯の噛み合わせが悪いと、口を閉じた時に歯列に隙間やズレが生じます。この隙間やズレを無意識のうちに修正しようとして歯を擦りあわせたり強く噛み締めたりするため、歯ぎしりが起こるというわけです。
歯ぎしりの治療では歯を保護し、噛み合わせを修正するためのマウスピースを患者の歯列に合わせて作る方法が一般的になっているので、噛み合わせと歯ぎしりには一定の関係性があるものと考えてよいでしょう。
もしも歯ぎしりで眠られない時は歯科・口腔外科で診察を受けてみましょう。