京都には地元の人が長年愛用している名店がたくさんある!
京都には、たくさんの有名なスイーツがある。抹茶パフェで有名な店などは連日行列ができていて、道にあふれかえっている。しかし、そんな行列店の他にも、おいしい京スイーツがあるらしい。京都には、地元民が愛している名店が数多くある。そんな名店をめぐる旅にご招待しよう。
味わわずに帰るのは「もったいない」和菓子
地元の常連客がすすめる、観光客が素通りしてしまうにはもったいない「ここでしか味わえない」おいしい和菓子店をご紹介。
すっきりしたのど越し「鍵善良房」のくずきり
京都祇園四条にあるくずきりの名店・鍵善良房。八坂神社の目の前にひっそりと佇んでいる。断然くずきりがおすすめだが、他にも様々な団子類を食べることができる。
店内には、お土産コーナーと喫茶コーナーがあり、奥の喫茶コーナーでいただくことができる。立派な枯山水の庭園を眺めながら席に座る。くずきりを注文すると、まずお茶とお茶うけに落雁が二つテーブルに置かれた。
落雁は、お茶うけとして、京都で親しまれ、お年賀としても人気の品だ。この落雁を気に入ったのであれば、お土産コーナーで買うこともできる。お茶もさっぱりとしていておいしい。さすが京都である。落雁を楽しみながら待っていると、くずきりが運ばれてきた。
白蜜と黒蜜が選べるが、おすすめは黒蜜だ。すっきりと喉ごしのいいくずきりに、濃厚な黒蜜が良く絡み合う。透明に透き通ったくずきりが黒い化粧をする。黒蜜の甘さは濃厚だが、決してしつこくはない。
写真では伝わりにくいのだが、実際に食べるとかなりのボリュームがある。お昼ごはんにしてみてもいいぐらいだ。このボリュームで900円。これを安いと感じるかどうかは、その人次第だが、筆者にはとても安く感じられた。
発祥の地で味わう!「加茂みたらし茶屋」
京阪・叡山電鉄出町柳駅からほど近くに、下鴨神社がある。糺の森などで有名な京都の観光スポットだ。この下鴨神社の中に、御手洗池という池がある。
京都でみたらし団子といえば、加茂みたらし茶屋。ここはみたらし団子発祥の地といわれている。その昔、御手洗池の底から湧き上がってくる気泡が、団子のように見えたことから、みたらし団子を思いついたらしい。このみたらし団子を売るために作られたお店が、加茂みたらし茶屋である。
ここのみたらし団子は、市販のものと違い、もちもちとはしていない。食感は焼き餅に近いだろう。しっかりと直火で焼き上げられた餅に、甘辛いみたらしタレがからめてあるという感じだ。タレからはしっかりと醤油の風味も感じられる。みたらし団子は3本で420円。グリーンティーを一緒に頼むことをおすすめする。
甘さひかえめのあぶり餅「本家根元かざりや」
京都市営地下鉄烏丸線北大路駅から徒歩で約20分。市バス46系統今宮神社前下車すぐだ。京都近郊に住んでいる人には、車でくるのをおすすめする。今宮神社東門前にある古い町家といった風情のお店・あぶり餅本家根元かざりやだ。
木々に囲まれた道を抜けたところにあり、自然豊かである。ここに来ると「ああ、京都だなあ」と思わされる。ここはあぶり餅の名店。
ほかに有名な観光スポットがあるわけではないので、あぶり餅が目当てでなければ、なかなか訪れることはないだろう。駅から多少歩いても、バスに乗ってでも、ぜひ味わってほしい一品だ。
一皿に15本で500円!良心的価格もうれしい
お茶の間のような雰囲気の店内で食べるあぶり餅は、どことなく懐かしい。しっかりとあぶられた餅に、どろりとした濃厚な白みそベースのタレがかけられてある。タレは甘さがとても控えめで、やさしい味。だからこそ香ばしい餅によく合っている。
皿に乗ったあぶり餅は一見少ないように思うが、串の本数はなんと15本。これで500円というのだから良心的だ。このあぶり餅は、手焼きでていねいに作られている。
このように、炭火でしっかりとあぶられているので、餅が香ばしくなる。串を何十本も片手に持ってあぶる姿には「さすが」の一言。筆者がやろうとしても決してうまくはいかないだろう。熟練された職人により、ていねいにあぶられた餅だ。うまくないわけがない。
ちなみにこれが、実家のような雰囲気の店内。なぜか落ち着けて、懐かしいような気持ちになる。「ただいま」と言ってお邪魔したくなるような、そんなお店だ。
和菓子だけじゃない!ケーキとパフェも!
京スイーツは、和菓子だけというわけではない。おいしい洋菓子もたくさんある。京都で人気の洋菓子や変わったカフェを紹介しよう。
売り切れも!?マカロンが有名なエキュバランス
叡山電鉄茶山駅から徒歩10分ほどのところにあるケーキ屋エキュバランス。近くには京都造形芸術大学もあり、学生で賑わう。茶山駅から少し歩けば、一乗寺というラーメン激戦区もある。
京都のグルメスポットともいえる茶山界隈でおすすめなのがこのお店だ。一番人気は、なんといってもマカロン。マカロンの種類がとにかく豊富で、定番の抹茶やショコラ、バニラの他に、柚子などの和風マカロンもあり、迷ってしまう。
1つ240円だが、食べる価値は十二分にあるだろう。口に入れると「サクッ」と心地よい音がする。すっきりとした酸味とともに素材の甘みがふんわりと口の中に広がる。もちろん、ケーキもおいしい。筆者自身もここのバースデーケーキを食べた事がある。
生クリームだけでなく、スポンジまでふわふわしていて軽い。このホールケーキを二人で食べたのだが、すんなりと口に入ってしまった。甘さが控えめで、やさしい味わいが京都らしいといったところだろうか。
チョコとバナナの絶品パフェ「さるぅ屋」
加茂みたらし茶屋と同じ、出町柳駅すぐ近くにあるカフェ・さるぅ屋。ここは、ハンバーガーがおいしいことで有名なカフェだが、スイーツも見過ごしてはならない。
木のぬくもりが感じられるやさしい雰囲気で、とても安らげる。こちら食べるパフェは絶品である。
パフェはおいしいしいだけでなく、可愛いのだから・・・。店名にもあるサルの顔をかたどったクッキーが、ぽかーんとした顔でこちらを見つめてくる。こんな顔をされると食べにくいが、容赦なく食べると、やさしいバニラ風味が口いっぱいに広がる。
サルにちなんでバナナが敷き詰めてあるが、これも豪華だ。1本分使っているのではないだろうかというほどである。サルの背後にはショコラケーキがそびえたっており、さながらシッポのようだ。シッポというにはいささか大きすぎるだろうが。
最近ブームのラテアートも施してくれる。かわいらしい絵柄のラテアートを見ていると、それだけで癒やされる。仕事の疲れや、日々のストレスを癒やすにはもってこいのお店だ。
京都の名店をめぐる旅に出てみよう
京都を訪れる観光客はなぜか祇園四条にある抹茶の名店ばかりに集まってしまう。それは、「京都=抹茶」という公式が広まりすぎたせいだろう。しかし、京都には抹茶や抹茶スイーツのお店以外にもたくさんの名店がある。そのことを、わかっていただけたであろう。
京都に足を運ぶことがあれば、これらの店に行ってみてはいかがだろうか。京都にはこんなにおいしいスイーツがたくさんある、そう思っていただけたのであれば幸いである。さあ、京都の名店をめぐる旅に、出てみようじゃないか。