太陽光発電が抱える問題点とは
太陽光発電は、燃料要らずで厳しい管理をしなくてもほぼ自動的に発電するという安全性とクリーンさを併せ持った、理想的な発電方法として再注目されています。
しかし、従来の火力発電・水力発電・原子力発電と言った主流の発電方法に完全に成り変われる手段か、という話になると太陽光発電は完全な力不足であるとしか言えなくなります。
太陽光発電が次世代の主流エネルギー源となるには何が足りないのでしょうか?
発電効率が面積に対して低い
太陽光発電は、火力・原子力のように燃料を必要としないし大気汚染などの心配がないという利点がある一方で、発電効率が低いという弱点を持っています。
火力・水力・原子力発電は運動エネルギーで電力を発生させる仕組みを持っていますが、太陽光発電は光が当たると電子の流れを発生させる仕組みで発電する為、どうしても発電効率は低くなってしまうのです。
その為、太陽光発電を火力・水力・原子力発電並みの発電効率にするためには発電所の面積を大きく取らなければならなくなってしまうのです。
発電パネルの効率アップが必要
この問題を解決するためには、太陽光発電パネルの発電効率を少しでも高めていかなければなりません。現行の発電パネルの発電効率は20~40%前後で、発電効率50%越えを目指しての研究がすすめられています。もしも発電効率を現行の2倍にできれば、単純計算でも太陽光発電所の面積を半分にできます。
限られた時間しか発電できない
太陽光発電は、原理的には太陽光でも人工光でも発電が行えますが人工光だと「照明を点けるための電力」が「発電パネルで発電した電力」を上回ってしまい、損失が発生する可能性が高いのが難点です。
つまり、太陽光発電は太陽が昇っている間だけしか発電出来ないものと言えます。
それに対して火力・水力・原子力発電は燃料や貯水量が充分なら昼夜を問わず発電できます。太陽光発電は一日当たりの総発電量が火力・水力・原子力よりも低くならざるを得ないのです。
特に、夜間の発電量の減少は24時間営業の店や、病院の集中治療室、インターネットサーバーといった深夜でも電気が必要な場所に大打撃を与えてしまうことになってしまうのです。
感受性の高いパネル、大容量蓄電池の開発が必要
この問題の場合、採光量が少ない夜間でも発電できる感受性の高い発電パネルや昼間に発電した電気を蓄えておける蓄電池を開発し、夜間電力の確保を行うのが解決策の一つです。
導入・維持コストが高い
太陽光発電は、他の発電方法と違って燃料や大型施設の建設が必要ないのがメリットの一つですが、発電パネルの価格が高くついてしまうのが欠点です。
また、太陽光発電所は何もしなくてもいいというわけではなく、発電効率を維持するために整備や破損パネルの交換などもしなければならず、経費は多く掛かってしまいます。このように、太陽光発電は商業ベースで行うためにはそれ相応のコストが掛かってしまうのです。
発電パネルのコストダウンが急務
太陽光発電が抱える問題の中でも、発電パネルのコストの高さはもっとも大きなものと言えます。発電パネルの寿命は約10年程度で、導入コストが高い家庭用発電システムを導入しても10年では元が取れない可能性があるのです。
発電パネルのコストが高い理由は、原材料が原因になっているので生産コストが低い原材料を使った発電パネルの開発による大幅なコストダウンが求められているのです。