
売電だけじゃ物足りない…太陽光発電のビジネスモデル
太陽光発電の買取価格は発電量に応じて変動するものの、大体1kWあたり34~42円を推移しています。
発電量が増えれば増えるほど収益は大きくなりますが、供給される電力量が増えればその分だけ買取価格の下落につながるため、一概に「発電量を増やせば儲かる」ということにはならないのです。
それに、太陽光発電は参入障壁が低いものの決して安くない初期投資が必要になります。売電による収益で初期投資費用を回収するにはそれこそ数年かかってしまいます。だからこそ、売電だけに頼らないビジネスモデルを作り実践していかなければならないのです。
所有物件の土地貸し・屋根貸し
太陽光発電を効率的に行うには発電パネルを多数並べて、なおかつ周辺の建物の影が被らないようにパネルを設置できることが大事です。つまり、一つでも多くの発電パネルを設置できて、かつ周囲の建物の影を避けられるような広さの土地を用意することが太陽光発電ビジネスの大前提となるわけです。
そして一定以上の広さの土地を確保するとなると、都市部より田園風景が広がる郊外の方が有利になるわけですが、大抵の場合、郊外にある空き地や山は必ず誰かが所有しているものです。つまり、郊外の地主は遊休地・休耕地を太陽光発電施設の用地として利用することでビジネスチャンスが生まれるのです。
地主は自分で太陽光発電に参入してもいいし、参入を考えている企業・団体に土地を貸してもいいのですが、初期投資が重いという場合は土地を貸すだけでも構いません。貸し倉庫を持っているのであれば屋根全面を発電パネルの設置スペースとして倉庫と別に貸し出すという手もあります。
畑+発電で一石二鳥の収入アップを狙う
太陽光発電は、農業と違ってパネル・送電設備の保守さえ行っていれば全自動で発電・売電が行われるため副収入を得る方法としてはこの上ないほど便利なものです。しかし、家計の助けになるくらいの発電量を得るにはどうしても一定以上の面積の土地が必要になるし、パネルを設置した土地は他の用途に使えなくなるのが難点です。
畑として土地を使っている場合でもミツバやシソのような日陰で育てられる野菜を栽培しているのなら、畑の上に発電パネルを屋根上に設置する形で発電施設を作るという方法があります。
このような日陰で育てられる野菜はものによっては一日に1~2時間程度日光が当たればいいので、パネルの隙間から漏れる光だけでも十分に育成でき、作物と発電のダブルで収入増も見込めるのです。
発電パネルの清掃もビジネスチャンスになるかも
太陽光発電の中核となる発電パネルの発電能力は、受光面に汚れが無い綺麗な状態の時、最大限に発揮されます。しかし、土ぼこりや雨などが原因になって受光面が汚れてしまうと発電能力は低下してしまいます。
このような汚れによる発電能力の低下は、太陽光発電の事業化を考えている企業・団体・個人にとっては致命的なものになります。逆に言えば、太陽光発電事業の隙間商売として「発電パネルの清掃」という業務が成り立ちうる可能性があるということなのです。
実際、設備の保守と合わせてクリーニングを提供している太陽光発電設備の業者も存在しています。このように、太陽光発電には新しいビジネスチャンスが幾つも眠っているのです。
