太陽光発電に潜むメリットとデメリット
世界的な二酸化炭素削減への動きや東日本大震災の影響などで、太陽光や風力などを利用する「再生可能エネルギー」に、期待と関心が寄せられていることはご周知の通りです。
特に一般家庭でも設置・利用できる太陽光発電は、新時代の主力エネルギー源としても高く注目されています。
しかし、世の中に一つとして完璧なものが無いように、何事にも欠点が存在しています。もちろん、それは太陽光発電にも言えることなのです。
太陽光発電のメリット
利用しやすい!
太陽光発電は、数ある再生可能エネルギー発電の中でもっとも使い勝手のいい方法といえます。
なぜなら火力発電のようなタービンと炉を使うことなく、化学反応を利用したパネルに太陽光を当てるだけで電気が発生させられるからです。
ソーラー電卓などに搭載されている太陽電池は、太陽光発電の使い勝手のよさを体現しているものといっても過言ではないでしょう。
燃料が必要ない!
火力発電や原子力発電は、重油や放射性物質を燃料として熱エネルギーを発生させて液体を熱し、発生した蒸気でタービンを回して発電する仕組みになっています。つまり、燃料が無ければ発電することができないのです。
太陽光発電の場合、太陽光自体が熱エネルギーとして使える上に太陽がある限り無尽蔵に降り注ぐので燃料の心配なく発電することが出来るのです。
壊れても取り替えるだけで済む!
火力発電・水力発電・原子力発電の場合、発電設備を含む大きな施設のどこか一箇所が壊れただけでも全面停止して異常を探し修理しなければなりません。
太陽光発電の場合、発電機構がパネルごとに独立しているためどこかのパネルが破損しても他のパネルでの発電を止めることなく交換・修理することが出来ます。
二酸化炭素が排出されない!
地球温暖化の原因とされる二酸化炭素は、燃焼によって発生します。そのため、重油や石炭などを燃料とする火力発電では、稼動しているだけで多量の二酸化炭素が発生することになります。
太陽光発電の場合は受光部で光を受けることで発電するため、二酸化炭素は一切発生しません。
太陽光発電のデメリット
発電効率が悪い
太陽光発電は主流の発電法となっている火力・水力・原子力に取って代われない理由の一つには、「発電効率が悪い」ということがいえます。発電効率とは発電に使った燃料やエネルギー源が、どれだけ電気エネルギーに変換されているかという割合を示すものです。
火力発電の発電効率は40~60%なのに対し、太陽光発電は最適な条件下で20%程度とされています。この20%は理論上の数値なので、実際の発電効率はさらに低くなります。
汚れに弱い
太陽光発電パネルはパネルの内部で発電機構が完結しているので、メンテナンスがいらないとされています。しかし、実際には発電効率を維持する為には毎日の清掃が必要になります。
なぜなら砂埃や泥などでパネルの表面が汚れると、パネルの受光部に届く光の量が減少して発電量が低下してしまうのです。
昼間しか発電できない
これは当たり前の話かもしれませんが、太陽光発電は「太陽の出ている間しか発電できない」というデメリットがあります。
一応、太陽光発電パネルは蛍光灯などの人工光でも発電できますが、「人工光での発電量は太陽光より低い」こと、「人工光の発電量より人工光の電力消費量のほうが大きい」ことなどの理由で、夜間の太陽光発電はやるだけ無駄なのです。
温度が高いと発電効率が下がる
日照時間が長くなる夏場こそ太陽光発電が本領を発揮するシーズン、と思われがちですが実際にはそうではありません。 太陽光発電パネルは気温が上がると発電効率が下がり、気温が低いと発電効率が上がるという特性を持っています。
一般家庭だと元が取れない可能性がある
太陽光発電パネルは一般家庭にも設置できる上に、地域一体が長期間の停電状態に陥るような万が一の場合でも自家発電で賄うことさえ出来ます。
しかし、実際には一般家庭用発電パネルの導入コストの元が取れるのは導入後13~14年後くらい先の話で、発電パネルの耐用年数を超過している可能性さえあります。