太陽光発電が家を壊す!? 防水工事の必要性
太陽光発電は、補助金支給や売電制度の整備などもあって、一般家庭への導入が着々と進んでいます。
折からの節電の呼びかけに呼応する形で、太陽光発電への理解が進んだことは良いことであるといえますが、その一方でトラブルの火種になっていることは否めない事実です。
屋根が雨漏りする原因になる?
一般家庭における太陽光発電パネルの設置場所は、大体は物干し台のあるベランダか屋根の上に絞られます。
庭先にパネルを置いている家庭も無いわけではないのですが、パネルを置ける広さの庭と周囲の家屋で受光が遮られないことが条件になるのがネックです。
そのため、多くの家庭では屋根の上に発電パネルを設置することになるのですが、発電パネルは太陽の光が一番当たる位置と角度に固定する必要があります。
衛星用アンテナのように太陽を追尾するタイプの発電パネルもありますが、こちらもパネルを固定しないと導入できません。
そして、発電パネルの固定先となる屋根は、発電パネル固定の影響で損傷して雨漏りを起こしてしまうことがあるのです。
屋根に穴を空けて固定する業者が多い
太陽光発電パネルを屋根に固定する際は、パネルに合わせた専用金具を屋根に取り付けていきます。
専用金具をどうやって屋根に取り付けるのかというと、大体の業者はドリルで屋根に穴を空けていきます。
そして金具と屋根をネジで繋げて固定するのです。
瓦やトタンなどで覆っていても、屋根自体は木造ですし、ネジを締め付ければその分だけ木屑が出て隙間が生まれます。
このように、太陽光発電パネルの設置が雨漏りの原因になってしまうのです。
パネルの重さが屋根を壊す?
太陽光発電の導入で懸念されているのが、「老朽化した家屋への設置」です。
家屋の屋根は雨や積雪に耐えられるように強度計算した上で設計されていますが、10年20年経過すると強度が落ちていきます。
太陽光発電パネルの重さは、各メーカー・種類ごとに違いはありますが、おおよそ一枚10㎏程度あるものと考えていいでしょう。
電気料金削減が出来る程度の発電量を確保するとなると、最低10枚は必要になるので、100㎏の加重が屋根に掛かることになります。
降雪量の多い地域での積雪による屋根への加重は1トン前後と言われていますが、発電パネルは雪と違って一年中屋根に設置しているため、屋根への負担は大きなものとなります。
築年数が20年を超えた家屋に太陽光発電を導入することは、屋根が落ちるリスクを背負うことにもなりかねないのです。
太陽光発電と防水工事はセット
このように、太陽光発電の導入は家屋に大きなダメージを与えてしまう可能性が大きいのです。
最近は屋根に穴を空けずに設置できるタイプの発電パネルも出てきていますが、屋根に上がって設置作業を行うだけでも屋根の強度や防水性は落ちてしまうものです。
そのため、太陽光発電の導入を決めたら、必ず屋根の防水工事をセットで行うことが欠かせません。
出来れば屋根の補強工事も行っておきたいところです。
屋根の防水工事は木造ではない、鉄筋コンクリート製の屋上付き家屋であっても必須です。
むしろ、鉄筋コンクリート製家屋の屋上は防水処理はされているものの、発電パネルのような重いものを置くことを前提にした防水処理ではないので必ず工事しなければなりません。