快適な住まいづくりを手伝う福祉住環境コーディネーター
医療・福祉関連の資格には本当に様々なものがありますが、超高齢社会になった現在、徐々に注目されている資格の一つが『福祉住環境コーディネーター』。これは、1999年から実施され始めた比較的新しい資格で、高齢者や障害者などを含め誰もが快適に暮らせる住環境を整える手伝いをすることが、福祉住環境コーディネーターの役割となります。
高齢者や障害者などがイキイキと安心して生活できる環境を提案する”住まいのアドバイサー”の資格を取ってみませんか?福祉住環境コーディネーターとして働くには、ソーシャルワーカーやケアマネジャー、建築家などとの連携が欠かせませんが、そのためには医療・福祉・建築などの分野で総合的な知識を身に付ける必要があります。
福祉住環境コーディネーターの主な仕事は?
実は、筆者は数年前に住環境コーディネーターの資格を取得しました。いつか何かの役に立つかもしれないと思い、自分磨きの一環としてチャレンジしたのですが、医療や介護、建築関連のことまで勉強する範囲の広さに驚きました。それだけ様々な分野の人に適切なアドバイスをしなければならず、責任重大な仕事なんですね。
ここで、福祉住環境コーディネーターの主な仕事を簡単に見ていきましょう。
- バリアフリー住宅へのリフォームや家を新築する際のコーディネートをする。
- 車いすや介護用ベッドなどクライアントに適した福祉用具を選んで、使い方をアドバイスする。
- 福祉・保険サービスや助成金などに関する情報提供を行う。
※ちなみに、介護保険を利用してバリアフリー住宅へリフォームするときなどには、ケアマネジャーとの連携が必須です。
どんな職業の人が受験しているの?
東京商工会議所のホームページに記載されているデータによると、合格率は3級が41.1%、2級は53.5%、そして1級になると大幅に下がり、5.2%(2012年度分)となっています。1級は急に難易度が上がりますが、2級を持っていれば、仕事にも生かせるレベルとされています。また、福祉住環境コーディネーター2・3級には受験資格に制限がなく、誰でも受験可能。主に、建築士や福祉用具専門相談員、ホームヘルパー、ケアマネジャーなどが仕事のスキルアップのため、取得することが多いようです。
スキルアップに役立つ資格!
上記のような職業の人がスキルアップ目的で取る以外は、どんなことに生かせるのかイメージできない人も多いはず。今のところは、この資格だけを武器にして仕事を見つけたりすることは難しいでしょう。”職種:福祉住環境コーディネーター”なんていう求人は、残念ながらないですから…。これは、“プラスαの資格”ということを忘れずに。
資格を生かせる職場は?
福祉住環境コーディネーターの資格を生かした仕事ができそうなのは、一体どんな職場なのでしょうか?
福祉・介護の職場
高齢者や障害者のグループホームなどの福祉施設や福祉用具メーカーといった職場では、この資格が大いに役立ちます。介護保険を利用した住宅改修を提案したり、福祉用具のレンタル利用を勧めたり…住環境に関する知識が、利用者の生活を豊かなものに変えていくでしょう。
建築関連の職場
リフォーム会社や工務店などの建築関連の職場で働く人にも、オススメですよ。本人、そしてその家族のニーズをきちんと把握した上で、専門的な立場から的確なアドバイスをしましょう。建築関連の仕事に就いている人が有資格者だと、話し合いもよりスムーズに進みます。