polite(礼儀正しい)or rude(不作法)?
教室に入ってきた講師のAndy、あいさつもそこそこにカンナに話を始めました。なんとなくおもしろくなさそうな顔つきです。
Andy:Kanna, guess what!
(カンナ、ちょっと聞いてくれよ)
カンナ:What’s up?
(どうしたの?)
Andy:When I was in the US, I thought Japanese are polite folks.[*1]
(アメリカにいたころ、日本人はとても礼儀正しい人たちだと思っていたんだ)
In fact, everyone who I meet here is gentle and nice.
(事実、ボクがここで会った人はみな丁寧だし、いい人たちだ)
But people on the train are very rude.
(でも、電車に乗っている人ってみんな、不作法だよ)
They push, talk loudly, and never say “sorry” nor “excuse me”.
(押してくるし、大声で話すし、「すいません」も「失礼」もない)
In the US, it’s customary for you to say sorry.
(アメリカだったら、すいません、っていうのは当たり前なのに。)
In Japan, no one but I say 「スイマセン!」
(日本で「スイマセン」って言ってるのは、ボクだけだ)
カンナ:I think perceptions of politeness can be very different between an American and a Japanese.
(たぶん日本人とアメリカ人では、礼儀正しさの意識に差があると思うの)
Therefore it causes misunderstanding.
(だから、そうした誤解が起こるんじゃないかな)
In Japan, there are more than 100 million people in the small land.
(日本は狭い土地に、1億以上の人が住んでいるでしょう?)
And most of them live in the town.
(おまけにほとんどの人が街中で生活している)
We have to endure unwanted touching on the crowded commuter trains.
(通勤電車では、押し合いへしあいにがまんしなきゃいけない)
I guess that they feel unconsciously like this…
(だから、みんな無意識のうちにこんなふうに感じてるんじゃないかな)
“What is pushing me is not someone’s body but just a wall.”
(「自分を押してるのは、だれかの体じゃない、ただの壁なんだ」)
Andy:Oh, that makes sense to me.
(なんだかわかるような気がする)
When you are pushed constantly, you become to think that’s normal.
(いつも押されっぱなしだと、それが当たり前になってしまうんだね)
I bet it’s tough on them.
(きっと大変だろうなあ)
カンナ:It’s not good for us anyway.
(でも、やっぱりいいことじゃないよね)
So I always say “すいません”.
(だから、わたしは「すいません」って言うようにしてる。)
Andy:That’s good.
(それはとてもいいことだね)
よそから見た日本人のイメージ
[*1]
日本人が丁寧(polite)で礼儀正しい(well-mannered)というのは、欧米では一般的にそう考えられています。
だからこそよけいに、日本に来て目の前でドアが閉まったり(欧米では、つぎに通る人のために、ドアを押さえてあげるのがふつう)、ぶつかってきても謝りもしなかったりすると、驚き、気分を害するのだろうと思います。
外国人にどう思われるかとは無関係に、日本人同士でも、どん、とぶつかられてもこちらに目もくれない人には、イヤな感じを受けます。
そんなとき、自然に「すいません」とか、「ごめんなさい」とかの言葉が出ると、お互い、気持ちよく過ごせますよね。
英語を勉強していると、それまで気がつかなかった日本の習慣を、外から眺めることができるようになります。そんなことも、英語を学ぶ楽しさのひとつだと思います。