間違えやすい敬語
会社の上司や先輩、取引先やお客様相手に使う敬語、難しいですよね。
ビジネスの様々な場面で使う敬語を正しく使いこなせる自信がないと言う人も多いのではないでしょうか。
その中でも、多くの人が間違えやすいと言われる敬語があります。
このページでは、その中の内の10個を紹介します。
その前に・・・敬語の基礎知識
敬語というのは、古代から続く日本語の歴史の中で、重要な役割を担ってきた言葉です。
かつての敬語は、上下関係を表すことに密接に関連する言葉となっていました。
しかし、現代社会においては、人への尊重や配慮であったり、親しさを表す言葉となっています。
特にビジネスにおいては、目上である上司や取引先の方、そして、お客様に使う言葉のマナーとして重要な言葉となっています。
敬語の種類
「敬語」と一括りに言ってもいくつかの種類があります。
かつては3種類でしたが、2007年2月に文部科学省の文化審議会がまとめた「敬語の指針」により、5種類に分けられるようになりました。
- 尊敬語 ・・・相手や第三者に対して、その人物を立てて述べる
- 謙譲語Ⅰ・・・自分から相手に向かう行為について、向かう先の人物を立てて述べる
- 謙譲語Ⅱ・・・自分のことを、話や文章の相手に対して丁寧に述べる
- 丁寧語 ・・・話し相手や文章の相手に対して、丁寧に述べる
- 美化後 ・・・物事を美化して述べる
謙譲語Ⅱと丁寧語の違いは、
- 自分の側のことに使う(謙譲語Ⅱ)
- 自分に限らず、相手側や立てるべき人物にも使える(丁寧語)
と言う点で違いがあります。
このページではわかりやすいように、尊敬語・謙譲語・丁寧語の3種類で見て行きます。
間違えやすい敬語
こちらでは、誰もが間違えやすい敬語を10個紹介します。
自分の敬語を見直すチャンスです。
皆様も一緒に間違った敬語を正していきましょう。
○○様でございますね
「ございますね」とは謙譲語であり、自分や身内に対して使う表現です。
相手に対しての場合は、「○○様でいらっしゃいますね」としましょう。
休みをいただいております
休みをいただいているのは自分の会社です。
お客様から休みをいただいているわけではないので間違った使い方となります。
「○○は休みを取っております」が正しいです。
○○様のところに参ります
「参る」というのは相手に対して伝えるための敬語であって、第三者を立てるための敬語ではありません。
この場合、「○○様のところに伺います」としましょう。
あちらにお座りになってお待ちください
「お座り」だと、命令に感じる人も多いようです。
また、犬に対しての「お座り!」を連想される場合もあるようですので、「あちらにお掛けになってお待ちください」が良いでしょう。
お求めやすい商品です
よく聞く言葉ですが、「求める」の尊敬語は「お求めになる」ですので、「お求めになりやすい商品です」になります。
こちらでよろしかったでしょうか?
目の前で対応している相手に対して、「よろしかった」と過去形にするのは違和感があります。
「こちらでよろしいですか?(でしょうか?)」が正しいです。
お客様がお越しになられました
「お」と「られる」と、敬語が二重になっています。
このように、ひとつの単語に同じ種類の敬語を二重に使うのを「二重敬語」といい、間違った敬語になります。
この場合、「お越しになりました」「いらっしゃいました」「お見えになりました」などが正解です。
拝見させていただきました
こちらも「拝見」と「いただく」の二重敬語になります。
「拝見しました」や「拝見いたしました」と使いましょう。
どちら様でしょうか?
「どちら様でしょうか?」と言うのは、決して「絶対に間違いだ!」というわけではありませんが、直接的過ぎて、お客様や目上の方を相手にする場合は、不快感を与える場合があります。
「お名前をお聞かせいただけますでしょうか?」という言葉を使ったり、「失礼ですが…」などのような前置きを使うようにしましょう。
○○と●●、どちらにいたしますか?
「いたす」は「する」の謙譲語ですがこの場合、どちらにするか決めるのは相手ですので、尊敬語の「なさる」を使う必要があります。
ですので、「○○と●●、どちらになさいますか?」が正しいです。
敬語は簡単には身につかない
間違えやすい敬語を10個紹介しましたが、参考になりましたでしょうか?
これらの言葉以外にも、普段何気なく使っている言葉の中に間違いは潜んでいます。
例えば、「すいません」と言う言葉。
この言葉を目上に使っている人も多いのではないでしょうか?
この「すいません」は間違いで、正しくは、「すみません」なのです。
敬語というのは、一朝一夕で身につくものではありません。
普段から敬語の勉強をし、上記のような間違いを正す事を普段から心がける必要があるのです。