TEDを英語教材として活用するには
TEDは、ideas worth spreading(広める価値のあるアイディア)をスローガンにした非営利団体です。1984年に設立された頃は、技術・デザイン・エンターテイメントの3つのフィールドの人をスピーカーとして集めたカンファレンスでしたが、その後、現在のようなさまざまな分野で活躍する人を集める形へと変貌を遂げました。
会場で生のプレゼンテーションを見るためには、年会費がなんと$7,500(約70万円)も必要なのですが、ネット配信されている動画ならタダ。無料で素晴らしいプレゼンが見られるTEDを英語教材として利用しない手はありませんよね。TEDを効果的に活用するには、以下の4つの手順がおすすめです。
1.好きなプレゼンを見つける
TEDの一番の特徴といえるのが、いろいろな分野で活躍する人の個性あふれるプレゼンテーションです。
人生で味わった挫折などの個人的な体験について語るスピーカーがいれば、ユニークなアイディアをワクワクするようなストーリ仕立てで紹介するスピカー、聞いていて思わず吹き出してしまうようなユーモアたっぷりのスピーカーなどさまざま。また、政治的、ビジネス、環境、エンターテイメントなど、バラエティに富んだ内容になっています。
そんな数百本を超えるTED動画なら、誰でも心揺さぶられる最高の1本が必ず見つかるはず。楽しみながら英語を学ぶためには、好きなプレゼンが見つかるかどうかが重要な鍵を握ります。
2.プレゼンの内容を理解する
まずは、日本語字幕やスクリプトでスピーカーが何を言っているのを把握しましょう。それから、プレゼンの内容を日本語である程度理解できたら、英文のスクリプトを熟読します。
英文の読み込みでは、はじめの数回は意味が分からない単語や表現があっても、飛ばして読み進めるのがポイントです。日本語訳がしっかり理解できれば、5~6回読み込むことで徐々に分からない部分が理解できるようになっていきます。
3.スピーチをしっかり聴き込む
日本語訳と英文が理解できたら、次はリスニングです。
まずは、英文のスクリプトを読みながらプレゼンを聴き込むという作業を、音声と文字のつながりが理解できるまで繰り返し行い、ある程度、頭の中で音声と文字がつながるようになったら、英文スクリプトなしで音声を聴きこみます。
音の聴き込みは、通勤時間や休み時間ほか、週末の余暇時間などを利用できることから、とにかく耳が慣れるまで何十回でも繰り返し行うのがポイントです。
4.スピーカーと一緒に声に出す
英語のスピーキングの練習法には、お手本から少し遅れて声に出す「シャドーイング」や、センテンスごとに区切りながら声に出す「リピーティング」があります。英文スクリプトを見ながら、多少オーバーでもスピーカーの発音やイントネーションを真似してみるのが上達のポイント。
そして最終的には、究極のスピーキングの練習法ともいえる「オーバーラッピング」でトレーニングは完了です。オーバーラッピングは、スクリプトを見ながらスピーカーと同時に英語を音読する方法で、スピーキングだけでなくリスニングのトレーニングにも効果があります。