あなたも「砂糖中毒」の予備軍かもしれません
糖の一種であるブドウ糖は、ヒトが活動するための大切なエネルギーの一つです。
ヒトは何もしなくても1日に約260gのブドウ糖を消費するといわれています。
そのため、糖分を摂ることは体にとって、とても重要なことですが、長期間過剰に摂取することは体や脳に悪影響を与えるのです。
研究でわかった砂糖依存のしくみ
アメリカのプリンストン大学の砂糖依存症の研究では、空腹のラットに多量の砂糖を与えたところ、ラットの脳内で快感物質ドーパミンが放出されたことが判明。これにより、砂糖の摂取により快感を得ることで、さらに砂糖の摂取を繰り返す「依存」がおこっていることがわかったのです。
また、砂糖の過剰摂取を続けたラットに、砂糖を与えるのをやめた場合、歯をガタガタさせたり、引きこもるなどの離脱症状が見られ、その後、摂取を再開すると、さらに多くの砂糖を求めるようになりました。
このように、砂糖の過剰摂取は、ドラッグやニコチンなどと同様の依存症状を脳内で引き起こすのです。
砂糖中毒に陥ってしまうと
疲れたときや、ストレス解消に甘いものを食べたときの例えようのない幸福感ってありますよね。
でも、これが曲者なんです。
この幸福感がきっかけとなり、甘いものへの常習性が高くなり、摂取量の増加につながるのです。
甘い物の過剰摂取が続くと、集中力がない・無気力・脳が働かないといった症状の低血糖症や、うつ病、糖尿病につながります。
常に甘いものが欠かせない、甘いものを食べないとイライラするという人は、要注意です。
老化を進める高血糖
ガンや老化の原因とされる活性酸素。
甘いものを取り続けて高血糖の状態が続くと、その活性酸素が多く産生されることがわかっています。
また、アンチエイジングの権威クロード・ショーシャ博士の著書では、血糖値を急激な上昇は、細胞膜に炎症が起こし、それによって老化が進むとしています。
食後の血糖値の上昇度を表す指標にGI値があります。
GI値が高い食品として代表的なのが、白砂糖と白米や小麦などの精製された穀物です。
甘いもののほかに、主食として食べられることの多い、白いご飯・パン・うどんなどを空腹時に食べた場合、血糖値は急激に上昇するのです。
そのため、食事の際は、はじめに野菜などのおかずである程度お腹を満たした後で、主食を食べることをおすすめします。
砂糖中毒を改善する4つの方法
甘いものへの依存を断ち切るための方法をご紹介します。
バランスのとれた食事を三食しっかり摂る
食事をとらないとお腹がすいて間食をとってしまう、という悪循環を防ぐためにも食事は大切です。
また、空腹の時間が長いと、血糖値の急激な上昇につながるため、血糖値が緩やかに変化するような間隔で食事を摂ることが必要です。
空腹時に甘いものだけ摂るのを控える
お腹がすいた状態で、いきなり甘いものを摂るのは、血糖値の急激な上昇につながります。
小腹がすいたときに食べていたお菓子を、ドライフルーツに変えるなどして、食事までの時間を乗り切りましょう。
一度にたくさん摂りすぎない
甘いものへの常習性や、過剰摂取を防ぐためにも、気をつけたいのが一度に甘いものを食べる量。
もし、自分の適量に自信がない場合は、周りの人の意見を聞くなどして、大量摂取を避けることが必要です。
甘いものを食べたい欲求を抑える訓練をする
甘いものを食べることに、罪悪感を持っている人はあまり多くないでしょう。
疲れたからといって手をのばしたり、ストレスやイライラを紛らわすためにドカ食いしたくなったり。
そんな時こそ、一呼吸おいて我慢。
口さみしいときはお水やお茶を飲んだり、ストレスは趣味や遊びで解消するなど、食べたい欲求をコントロールすることを常に心がけましょう。