インプラント治療は高いのが当然!?
無くなった歯を取り戻す手術として、インプラント治療はとても有効な方法です。例え義歯であれ歯を持っていることはその後の健康や顎関節に良い影響を与えます。また、しっかりと咀嚼することができるので食事も楽しくなるでしょう。
しかし、このインプラント治療は軽はずみな判断でできる程安価ではありません。
知っている人も多いと思いますが、1本植え込むだけで『○十万』という費用がかかってしまうのです。
まるでお札に羽が生えているかのように、一瞬にして消えていく額です。
なぜインプラント手術はこれ程までに高いのでしょうか?
インプラント治療の内訳をみると、高額になる理由がわかってきます。
どうしても高額になる10個の理由
自由診療
インプラント治療が高額な理由の筆頭にあがるのが、『自由診療』ではないでしょうか。
自由診療とは、保険の適用がない診療のことです。その為、治療費に関してはそれぞれの歯科医で独自に決められます。なので、同じ治療法であっても金額がバラバラというのは驚くことではないのです。
また、なぜインプラント治療※が自由診療になるかというと、『噛みあわせの向上や外見の向上』という理由ゆえに通常の治療とは別物扱いになっているからです。
なので、自然と高額になり患者は全額負担を強いられてしまうのです。
※特定の条件が揃えば保険が適用されるケースもあります。
完全オーダーメイド
インプラント治療に使用される義歯は、大量生産によって作られるものではありません。
人はそれぞれ異なった歯や歯茎・顎を持っていますので、1つ1つその人に合った義歯を作らなくてはなりません。
さらに使用している材料も部位によって大きく異なってきます。
インプラントの構造を考えますと、『人口歯冠』『アバットメント(土台)』『フィクスチャー(人工歯根)』の3つでできています。
その中には加工しにくい金属を使用しているものもあり、製造過程でかかる技術料が自ずと高くなってしまうのです。その為コストダウンする事ができず、一つの義歯が何十万円となります。
取引先による違い
歯医者が『どこの国の製品を使用しているか』によっても金額にバラつきが生じます。一般的に言って、国産は安いのですが、海外製になると高くなります。
好んで海外製を使っているのであれば、治療費を高額にせざるを得なくなってしまいます。
手術法
インプラントの手術は大きく4つに分類されます。
- 手術前の検査
- フィクスチャー埋め込み
- アバットメントの連結
- メンテナンス
という流れになっています。その一つ一つに費用がかかるので当然治療費も高額になります。インプラント手術を行なう前に、血液検査や顎の骨の手術が必要になることもあります。
1本の歯ができるまでの道のりは長く、どうしても大量の費用がかかってしまうのです。
治療部位による違い
インプラント手術はどの歯でも“一律○万円”という事はありません。やはり手術が難しい場所はそれなりの技術料が発生します。特に奥歯になると顎関節との兼ね合いもあり、使用する器具・埋め込むインプラントの変更をしなくてはなりません。これらの理由も、インプラント治療を高額にしている要因の一つになっています。
ドクターと技工士の技術
インプラントは手術や義歯の製作を手作業で行ないます。また埋め込むだけでなく、その後の噛みあわせの微調整もすべて手作業です。これらの技術は、ドクターや技工士の腕により変動します。
腕が良ければその分費用がかかるのも仕方がないことなのかも知れません。
追加費用
患者の口腔状態によっては、手術以外の治療が必要となる時があります。
先程も触れましたが、インプラントの手術前に顎の骨の手術をしなくてはならないという時もあります。
さらに治療期間中に、仮の歯をつけておくこともありますし薬も使用します。
これらの追加費用は決して安価なものではありません。
手術の為の設備や環境
手術を完璧に成功させる為に、最新技術を駆使した設備を取り入れている歯科医があります。
また、手術や治療の前に行なうカウンセリングもしっかりと行なうために、整った環境を用意している所も少なくありません。
治療に関連したカウンセリングの費用や設備の使用料も度外視できないものとなっています。
保証期間
手術後の保証に関しても費用がかかってしまいます。手術して全て終了とはなりませんので、メンテナンスも含めて良好な状態を維持し続ける必要があるでしょう。
保証期間が長ければ長い程必然的に出費は増えていきます。
人件費
どの治療もそうですが人件費というものが生じます。インプラントの場合も例外ではありません。
都市部と郡部を比べると差に大きな開きがありますが、人件費0円というところはまずないでしょう。
歯の治療を手作業で行なうので、患者一人に割く時間が多くなります。
それがそのまま治療の内訳に含まれてきます。
『治療代=本体費用+技術料+設備費用+追加料金(関連した手術費用、保証期間など)+人件費』
という公式になっています。