影のようにつかず離れずのシャドーイングでリスニング・スピーキングを鍛えよう
「英語の読み書きは十分にできるけれども聞き話しに不安がある」という人は意外に多い物です。学校で習う英語が読み書き重視の内容であったことも関係していると思いますが、授業で教科書を読まされるのが嫌だったということも原因になっているといえます。
単語の読み方やアクセントが間違っていたらどうしよう、笑われたらどうしよう、読むだけでも恥ずかしいのに先生に叱られたらどうしよう…、と不安のスパイラルに陥ってしまった経験は誰にも一度くらいはあるものなのです。
だから「英語を話すのは苦手、頓珍漢な答えを返して笑われたら嫌だから聞き取るのも苦手」となってしまうわけです。
そんな英語の聞き話しの苦手意識を克服するためにピッタリな勉強法が「シャドーイング」なのです。
シャドーイングとはどのような勉強法か?
シャドーイングは英語で「尾行する、後を付ける」という意味で、その名の通り例文の読み上げを追いかけるようにして聞き取り、声に出すという勉強法です。日本語でいうと「追い読み」で、先生が教科書を読み上げる後を追うようにして生徒が読むアレのことです。
テキストを絶対に読まない
シャドーイングの特徴の一つは、「テキストがあっても絶対に目を通さず耳で聞いた通りに発音する」ということです。テキストがあると目で文章を追いかけることに集中してしまい、耳で聞きとったことを記憶して再現することが難しくなるのです。
シャドーイングは耳と口に神経を集中させることが大事なのです。
なるべく早く追いかけて発声する
学校での追い読みは、句点で一段落付いたところまで先生が読んだ後に生徒が追いかけて読むものでしたが、シャドーイングでは読み上げのすぐ後を追いかけるようにして発声するようにしなければなりません。
お手本からワンテンポ遅れるくらいの速度で追いかけるのが理想的です。
なるべく正確に真似する
シャドーイングではただ追いかけるのではなく、可能な限りお手本の真似をするようにしなければなりません。発音やイントネーション、単語の区切り方、息継ぎなど、真似しなければならない要素はたくさんあります。
お手本を正確に真似することで、正しい英会話の基盤を作ることにも役立つのです。
シャドーイングの教材には何を使えばいい?
シャドーイングは、正確に行えばリスニング力・スピーキング力を高めてくれる素晴らしい勉強法ですが、やり方が正しくないとよくない癖がついてしまいます。
正しくシャドーイングを行うためには、英語学習用教材のCDを使うようにしなければなりません。
「字幕版の洋画や洋楽で英語を勉強」のような見出しを目にすることがありますが、英語の口語表現は短縮形・省略形での表現やスラングが多い上に、俳優・歌手個々人の出身地ごとの訛りがあるため教材としては不適切な面が多いのです。
また、英語学習用教材CDをお手本に使うことにはもう一つの利点があります。それは「聞き取りやすい速さで読み上げている」ということです。
映画や音楽では、曲のリズムやシーンごとの演出によって早口にならざるを得ないことが多々あるため聞き取りづらいし、聞き取れても英単語として頭に焼き付けられないことがほとんどなのです。