ソーラーカーは未来の自動車から現代の自動車になれるのか?
太陽光発電の持つ可能性は非常に大きなものですが、それは裏を返せばまだまだ未完成な点が多い技術であるということです。
例えば、従来の発電方式よりも低い発電効率、太陽光が照り付けない曇天や夜間は発電が出来ないこと、パネル表面の汚れが発電能力を低下させてしまうことなど、多くの課題が山積みのままになっているのです。
この太陽光発電が持つ未解決課題の多さは、ある分野への太陽光発電の活用の妨げになっているといえます。
太陽光をエネルギー源にするソーラーカー
太陽光発電によって発生した電気をバッテリーに蓄積し、モーターの動力源にして車を走らせるソーラーカーは、現行のガソリン自動車に代わる次世代の自動車として長年研究が重ねられてきました。
1980年代後半からのエコロジーブームによって注目を浴び、「環境汚染のない、クリーンな自動車」として世界中で研究開発を行う企業・大学・個人のチームが次々に生まれ、現在でも研究開発が続けられています。
しかし、ソーラーカーは毎年成果を発表するためのレースが行われるほど研究が盛んであるにも関わらず、市販自動車として販売されるに至っていません。
なぜソーラーカーは市販されていないのか?
今や街のあちこちにEV(電気自動車)用の充電ステーションが設置されるほどEVが普及し始めた時代です。しかし、車体に太陽電池が配置されたソーラーカーは街中で見かけることはありません。
一応、ハイブリッド車の先駆けとして知られるトヨタ・プリウスには太陽電池搭載モデルがありますが、動力源としてではなくエアコン用電源として搭載されているだけなのです。
エネルギー源として不安定
なぜソーラーカーが市販されていないのか。それは、ソーラーカーに搭載されている太陽光発電パネルが自動車のエネルギー源として不安定なものだからです。
ガソリン自動車の場合、タンクにガソリンが入っている限り四六時中いつでもエンジンを動かすことが出来ますがソーラーカーの場合だと、太陽光発電パネルからの電気供給は太陽が上っている昼間だけしか期待できません。しかも、車に搭載できるサイズの太陽光発電パネルでの発電量はそう多くなく、バッテリーに蓄えてからでないと使えないのです。
夜に走らせられない
ソーラーカーは動力源である電気を太陽光発電で賄い、蓄電用バッテリーに貯めてから使う仕組みになっています。そのため、太陽光発電が行えない夜間の走行はほとんど不可能になります。
一応、蓄電用バッテリーに電気が残っていれば走らせることはできるのですが、交通法の関係上ヘッドライトやテールライト・ブレーキランプを点灯させなければならないので昼間よりも夜間の方が、電気消費量が大きくなるので昼間ほど長距離・長時間車を走らせることはできません。
レース用の研究が盛んすぎる
世界的なソーラーカーレースに参加しているソーラーカーの研究チームは数多くありますが、そのほとんどはソーラーカーレースでの優勝を目指しているチームであるといっても過言ではありません。
つまり、「ソーラーカー市販のための研究」はあまり盛んではないのが現状なのです。
F1マシンと市販車を比べてみてもわかるように、レース用の車は速く走ることだけを追求して空気抵抗の少ないデザインと軽量化に偏りがちです。
そのため、レース用の車のための技術を市販車に転用するにはさらに研究を重ねなければならず、時間が掛かってしまうのです。
ソーラーカー実用化にはまだまだ時間が掛かる
このように、各自動車メーカーがソーラーカーを競うように販売する時代が来るのは当分先のことになりそうです。少なくとも、発電効率が改善され夜間でも十分な発電が可能な太陽光発電パネルが市販されない限り、ソーラーカーが自動車の主流になることはないでしょう。
しかしながら、太陽光発電パネルの有用性は高く自動車への転用を考えている開発者は少なくないのは確かです。将来的にソーラーカーが街中にあふれる時代が来る可能性は決してゼロではないのです。