東京人は車をあまり持っていない
最近は「若者の○○離れ」が良く取り沙汰されますが、中でも「若者の自動車離れ」は深刻なものです。
自動車の輸出もリーマンショックからの超円高で伸び悩みが続き、内需での消費が望まれているものの色々な問題で若い世代での自動車の売り上げは低迷が続いています。
特に首都圏在住の若者の自動車離れは深刻で、自家用車を所有するのが当たり前地方からの移住者も東京移住と同時に車を手放すことが多いのです。
なぜ、東京では自家用車の所有が難しくなっているのでしょうか?
駐車場がない!
自家用車の所有とセットになるのが、車を止める場所を登録する「車庫証明」です。
つまり、「道路交通法に違反することなく車を置いておける場所があること=自家用車の所有」となるのですが、車庫証明がないと車の名義人の変更が出来ずディーラーからの引き渡しが滞ってしまうのです。
東京はかつてのバブル時代に「東京の土地だけで全世界の土地を買える」とまで言われたほど、地価が高い都市です。バブルがはじけて20年近くが経過した現在でも地価の高さは日本国内でもトップクラスのままです。
地価が高いということは、土地の需要が高いということでアパート・マンションの住人用駐車場や賃貸契約型の駐車場も余り多くありません。しかも、契約駐車場の空きを待っている既存住民も多く、駐車場確保が難しいのが現状なのです。
道が狭い!
東京では幹線道路以外の道路が車一台通るのがやっと、という側道が多い傾向にあります。
前述したような地価の高さもあるのですが、車の行き来を前提にしていない時代の都市計画の名残りが残っているのが原因ともいえます。
つまり、駐車場も準備して車を買っても幹線道路に出るまでが一苦労する上に、対向車との交互通行を繰り返さなければいけない道路状況が続いてしまうのです。場合によっては歩行者との接触もありうるため、車の運転の難易度は地方都市よりも遥かに高いものになってしまうというわけです。
交通機関が充実しすぎている!
首都である東京の交通機関は、他の都市よりもはるかにバス・電車・タクシーなどの交通機関が充実しています。地方都市の場合、経営不振や乗客減少などで経営規模縮小や同業他社との統合・廃業などに見舞われる事例が多発しているにも関わらず、東京ではタクシーの新規参入も活発に行われています。
このように、東京は地方都市のように「車を持っていなければどこにも行けない」ということはないのです。むしろ「車が無くても交通機関を利用すればどこにでも行ける」ので、自家用車を持つメリットはほとんどなく、逆に車検代やガソリン代、駐車場代などの車の維持費が高くついてしまうというデメリットが強くなってしまうのです。