旅心を刺激する6冊
読み終わって、ふと、どっか行きたいな~と思えるような本、そして、旅の間中はいつもそばで、旅のモチベーションを上げてくれるような本を、6冊選んでみました。
栗城史多 「NO LIMIT 自分を超える方法」
世界7大陸最高峰の単独・無酸素登頂を目指すソロアルピニストが、最後に挑むアジアの最高峰・エベレストへの挑戦について綴ったメッセージ集。
酸素が地上の3分の1で、生き物が生息できないといわれる、標高7,000m以上の死の地帯(デス・ゾーン)での、苦しみや孤独との戦いや、極限に挑み続ける姿勢には、必ず胸が熱くなるはず。
司馬遼太郎 「街道をゆく」
1971(昭46)年から作者が亡くなる1996(平8)年まで続いた、週刊朝日で連載された全43巻に及ぶ短編旅行記です。北は北海道のオホーツクから、南は沖縄の先島諸島まで、また、海外では、アメリカやアイルランド、オランダ、中国、韓国、台湾などの地域を、独自の目線で解説。
博識の筆者がひも解くことで、今まで知らなかったことが見えてくる、そんな目からウロコの作品です。
沢木耕太郎 「深夜特急」
主人公の「私」がバックパッカーとして、香港・マカオからはじまり、インド、シルクロード、ギリシャ、そしてイギリスのロンドンまで陸路で旅をする、作者の体験を基にした全6便の旅行小説です。
広い世代に読まれて、この本を読んで実際に旅に出たという人も多く、バックパッカーのバイブルとして扱われるほどになりました。
たかのてるこ 「ガンジス河でバタフライ」
最近は、旅の達人としてテレビでもよく見かける、たかのてるこのエッセイ。
20歳にして、はじめて出かけた一人旅のハチャメチャ体験には、爆笑せずにはいられません。
あまりの無防備さに、読んでいるこっちが心配になるほどですが、こんな風に自由で楽しく、一人旅ができたらと、憧れてしまう一冊です。
エルネスト・チェ・ゲバラ 「モーターサイクル・ダイアリーズ」
革命家で、キューバのゲリラ指導者でもあったチェ・ゲバラが、23歳の時に親友と二人で、故郷のアルゼンチンから南米を縦断した旅行記。
古ぼけたバイクに乗った2人の若者が、旅の途中でさまざま経験をする青春記でもあり、当時、医師の卵だったゲバラが、なぜ革命家を目指すようになったのかを、考えさせられるストーリーでもあります。
アレックス・ガーランド 「ビーチ」
ベトナム戦争の映画に憧れるイギリス人の若者が、バックパッカーとして訪れたタイで偶然、手に入れた地図をもとに、幻の楽園「ビーチ」を目指す物語。
現実を捨てて楽園で自由を謳歌する若者の、自由への概念が少しずつ変化してゆくさまは、読み手にとって興味深い部分ではありますが、それ抜きで、南の島の楽園での生活に憧れて、旅に出てみたくなる人もいるのでは。