これが原因で、住宅ローンの金利は下がりました|トピックスファロー

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2012年7月16日
これが原因で、住宅ローンの金利は下がりました

現在の日本は、歴史的な低金利の時代といわれています。 住宅ローンの金利の基準となる、短期プライムレートも、バブル崩壊以降、低い水準に位置しています。 このような金利低下は、一体なぜ起きるのでしょうか。

WEBライター
  

低金利時代の日本

現在の日本は、歴史的な低金利の時代といわれます。
住宅金融支援機構は2012年7月3日、長期固定金利の住宅ローン「フラット35」の適用金利を発表しました。適用金利は、1.94%。これは、フラット35開始以降最低の水準で、初の1%台となります。

また、7月9日に発表された「長期プライムレート」は1.25%と、過去最低に並ぶ水準を記録しました。

そして、住宅ローンの金利の基準となる、「短期プライムレート」は、1.475%と、バブル崩壊以降、低い水準に位置しています。
この短期プライムレートが下がると、住宅ローンの金利は下がります。
バブル最盛期には8%近くあった金利も、現在は1~2%前後の値に終始しています。

国債が下がるとローンも下がる

そもそも、なぜ住宅ローンの金利が下がるのでしょうか?

住宅ローンの金利が下がるのは、国債の利回りを基準に金利を決めているからです。
国債は、円が使われる長期金利の指標となっています。
そして、住宅ローンは、30年と長期にわたって支払われるものです。
なので、長期金利の指標である、国債を基準に金利が決められているのです。

では、なぜ国債の金利が下がっているのでしょう?

その理由は、現在の不景気です。
日本は現在不景気といわれているように、経済が悪化しています。
そんな中、いつ下落するかわからない株や不動産よりも、より安全に投資できる、国債に投資する人が増えたのです。

また、もう1つの要因として、ギリシャ危機があります。
ギリシャ危機とは、2010年1月ごろに、ギリシャ・新民主主義党政権が行っていた財政赤字の隠蔽が表面化したことにより起こった、経済危機のことです。
ギリシャで始まったこの経済危機は、欧州全土へ波及したことにより、欧州の多くの国を巻き込んだ金融危機となり、その影響で、欧州の多くの国の国債が暴落しました。
それにより、暴落した国の国債の信用がなくなったため、世界中が信用の高い、日本の国債に目をつけたのです。
日本に住んでいると実感が沸きませんが、世界全体で見ると日本の国債は、安心で安全な国債なのです。

これらの要因で国債を買う人が増えたことにより、相対的に国債の価格が上がって利回りが下がり、それと連動して、金利も下がるのです。

金利が下がると言うことは、住宅ローンにとっては良いことですが、日本の景気全体を見れば、悪いことなのです。

マイホームは今が買い?

一般的に、住宅ローンが低金利だと、金利が抑えられるため、マイホーム購入に有利に働くと言われます。
ということは、低金利時代の現在が、マイホーム購入の絶好のタイミングなのでしょうか?

確かに、金利が低い現在ですが、金利以外の不安要素を、見逃してはなりません
前述の通り、金利の低下は、住宅ローンだけを見れば良いことなのですが、日本の景気全体にとっては、悪いことなのです。
実際に、現在の日本は、保険料や電気代、さらには消費税の増税を迎えると予想されます。
給料も安く、ただでさえ家計が苦しい時にローンを組んでしまうと、更なる負担になってしまいます。 住宅は安い買い物ではありません。住宅を購入する際は、将来を見据えて慎重に購入しましょう。

著者:伊藤義雄

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書きたいものがありすぎて書かせてもらっているライターです。趣味は鉄道旅行、写真を撮ることもあるが実際に乗車して車両の個性を体験したいタイプ。尊敬する人は宮脇俊三さん。目標は全国鉄道制覇