脳の機能を活かし簡単に英単語を暗記する“忘れない”イメージ記憶術|トピックスファロー

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2014年11月17日
脳の機能を活かし簡単に英単語を暗記する“忘れない”イメージ記憶術

世の中には暗記が苦手で覚えられないと悩む人が大勢います。しかし実は暗記が苦手という人のほとんどが、覚えているけど思い出せないだけなのです。そこで脳内の情報を効率よく引き出す前部帯状回の鍛え方を紹介します。

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脳は意外といろいろな事を記憶している

考える女性

日常の中で、隣の部屋に何かを取に行こうと向かったら、その『何か』を思い出せなくなった。 でも、元の場所に戻ると「そうそう」と思い出す。 こんな「ド忘れ」の経験は、誰しもが経験していると思います。

他にも、何年の前に1度いっただけの旅行先の事を、『1枚の写真』を見ただけで、昨日の事の様に思い出す事もあるでしょう。 あるいは、試験中は全く分からなかった問題が、テキストをみた瞬間に「アッ」と思い出した、といった体験をした事は無いでしょうか。

覚えていないのでない!『思い出せない』だけ

つまり、脳は情報を覚えていないのではなく、思い出せないだけなのです。 物忘れとは、脳内の情報へアクセスできない事から起きる状態の事を指します。

情報を整理する『前部帯状回(ACC)』

情報は海馬に蓄積され(短期記憶)、重要な情報は大脳皮質へと移動します(長期記憶)。 この際、海馬へ情報が届く前段階で、すでに覚えている情報や間違った情報をはじく。 さらに必要な情報を選択し、長期記憶から情報を引き出すが『前部帯状回(ACC)』という部位です。

前部帯状回の活性化が暗記の鍵!

つまり、情報を引き出す事に重要な役割を持つACCを活性化する事ができれば、物忘れが無くなる。 効率良く、英語の語彙を暗記する事ができるという訳です。

映像をイメージするとACCは活発化する

この前部帯状回(ACC)を簡単に活性化させる方法が、『イメージをする』という方法です。 冒頭で紹介した「元の場所」「1枚の写真」「テキスト」というのは、どれも映像に関わっている事が分かってもらえると思います。

認知心理学でも知られていたイメージによる記憶術

認知心理学にはベイビオが唱えた『二十符号仮説』という理論があります。 これは、『言葉のみの情報より、絵や写真があると、より記憶に残る』という考えで、多くの実験により効果が検証されています。

言葉の意味を理解しないと意味がない

また言葉を記憶する際、その意味を理解しながら記憶する時と、意味を理解しないまま音声で記憶する時では、意味を理解しながら記憶したほうが、より忘れにくいという研究もあります。

この時の脳の活動は、『意味を理解しながら記憶する』方が、全部帯状回が活発に動いている事も確認できました。

イメージを使った暗記法の2つのポイント

ポイントとなるのは以下の2つ 1つ:映像をイメージ化する事。 2つ:言葉の意味を理解する事。

イメージ作りの具体例:[Apple]を覚える

例えば[Apple]という単語を覚える場合、

文字だけのリンゴの単語カード

と、覚えるよりも、

文字と写真のリンゴの単語カード

と、した方が忘れにくいという事です。

イメージ化は英語脳にも有効

日本語で[飲む]と言われた時、細かい事は考えなくても、それが何か分かりますよね。 それは、日本語とイメージが、直接つながっているからに他なりません。 一方、[Drink]と言われた時は、日本語の[飲む]に翻訳して、ようやくイメージする事が出来ます。

イメージを使った記憶を行なえば、英語とイメージを直接つなげることができ、翻訳する必要が無くなります。 つまり、英語を英語のまま理解する英語脳を作るのに一役買ってくれるのです。

日常でも使える場面が多いイメージ法

前部帯状回のもう一つの役割として、『注意を一ヵ所に集中させない』というものがあります。 これは、「揚げ物の最中に電話がかかってきて、話に夢中になってボヤ騒ぎ」という状況を防ぐのにも前部帯状回の働きが必要という事です。

イメージを使った記憶法は、ずいぶん古くから紹介されてきた手法かもしれません。 しかし、これまでの経験論ではなく、前部帯状回(ACC)の活性化によるものだという事が、脳科学や認知心理学の研究から判明されてきました。

ただひたすらノートに書き写していくやり方や、移動時間にずっと英語を聴き続ける事を否定するわけではありません。 ただ、それらの勉強法に、映像のイメージを少し追加するだけで、より効率的に暗記する事ができるようになるというだけの話です。

著者:渡辺芳樹

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学生時代からライターとして活動。小さな会社に就職したおかげで、ライター以外に、編集からWEBサイト製作など、幅広く経験。現在はフリーランスとなり、いくつかの会社と契約を結んで執筆活動してます。