肌トラブルが起きたり、傷跡が消えにくくなる!
たとえ徹夜しても、ちょっと目の下にクマができるくらいで、他には何のトラブルも起きない10代の頃。
睡眠さえしっかりとれば、翌朝には肌荒れもかなり改善されている20代の頃。
では30代はというと…?あの頃が懐かしい、10代~20代の肌に戻りたいって感じですよね。
年齢を重ねると共に、肌荒れの回復が遅くなったと感じるのは、ターンオーバーに時間がかかるせいです。ターンオーバーとは、肌が新陳代謝によって新しく生まれ変わる仕組みのこと。この機能が衰えると、シミやくすみ等の肌トラブルが起きやすくなったり、傷跡が消え難くなったりしてしまいます。
30代のターンオーバーは、10代の倍かかる!?
ターンオーバーに時間がかかるといっても、具体的には何日くらいかかるのでしょうか? 10代~60代それぞれのサイクルを見てみましょう。(個人差がありますが、大体これくらいが平均値です)
- 10代~20日周期
- 20代~28日周期
- 30代~40日周期
- 40代~50日周期
- 50代~75日周期
- 60代~100日周期
年齢と共にどんどん周期が長くなっていくことが分かりますね。
特に注目して欲しいのが、20代と30代の差です。
ちょっとびっくりするくらい、急に周期が長くなると思いませんか?更に10代と30代を比較すると、その差は歴然。20日周期と40日周期ですから、ターンオーバーに倍かかってしまう計算になります。
何だか数字を見ただけでショックで老けてしまいそうですね。50代・60代に至っては、何も見ずにスルーしてしまいたくなります。直視したくない現実ですが、若い頃に比べてなぜ肌荒れや傷の回復がぐっと遅くなってしまうのか…。そのわけは、しっかり理解して頂けたかと思います。
肌が新しく生まれ変わるメカニズムを知ろう
次はどんな風に肌が新しく生まれ変わるのか、そのメカニズムに注目してみましょう。
メカニズムを知れば、ターンオーバーの大切さも理解できるようになります。
まず、肌は大きく表皮と真皮の2層構造になっています。
真皮はコラーゲンをはじめとする成分からできており、肌の弾力を保つ役目を持っています。
そしてその上にある表皮は、下から順に基底層・有棘層・顆粒層・角質層の4層構造になっており、肌のターンオーバーはここで行われます。ターンオーバーの流れをざっとまとめるとこんな感じです。
- 最も下にある基底層で細胞分裂が起こります
- 2つに分裂したうち片方は基底層で待機、もう片方はケラチノサイトという細胞になります。
- ケラチノサイトは上層の有棘層へと送られていき、トゲに覆われた有棘細胞へと姿を変えます。
- 有棘細胞は顆粒層へと押し上げられ、顆粒細胞に変わります。
- そこで紫外線をガードするケラトヒリアン顆粒を産生します。
※ケラトヒリアン顆粒は、後にNMFという天然保湿因子になります。 - 顆粒細胞は、最も上にある角質層へと送られて、ついに角質細胞となります。
※送られるタイミングで、セラミドという潤い成分を作り出します。 - 乾燥や外からの刺激から肌を守るという役目を果たした後、古くなって剥がれ落ちます。
寝不足や栄養不足が、サイクルを狂わせる!
肌はこんなに多くの過程を経て出来上がっていくものなのです。
ターンオーバーがきちんと行われなければ、古くなった角質は肌に蓄積される一方。
その結果、シミやくすみといった肌トラブルを引き起こしたり、肌の滑らかさが失われたりしてしまいます。
ターンオーバー機能が衰える原因は、冒頭で述べた加齢の他にも、寝不足や栄養不足・ストレスといったことが挙げられます。ですから年齢に加えて不規則な生活・偏った食生活を送っている方は、確実に美肌とはほど遠い状態になってしまいますから、即刻改善が必要です。
身に覚えのある方は、美肌を取り戻すためにもターンオーバーの促進を図りましょう。
まず睡眠を十分にとってください。特に午後10時~午前2時の間は、ターンオーバーが活発になる時間帯とされていますから、この時間帯に良質な睡眠をとるよう心掛けましょう。
さらに日々の食事、栄養バランスにも気を配りましょう。
ターンオーバーを促進させる栄養素には色々ありますが、特にタンパク質やビタミンB群・ビタミンCが効果的とされています。カロリーオーバーに注意して、これらを多く含む食品を積極的に摂取するようにしてください。
ストレスもターンオーバーに影響しますから、自分に合った方法で上手に解消しましょう。
また肌トラブルや化粧ノリが気になる年齢になったら、普段のお手入れにふき取り化粧水もプラスするなど、古い角質を除去するスキンケアをしっかり行ってください。