看護師の種類
「看護師」と一言で言っても、「正看護師」と「准看護師」があります。
正看護師も准看護師も、看護師養成所を卒業し、試験に合格しなければ資格を取得できません。
正看護師と准看護師の違い
正看護師と准看護師には次のような違いがあります。
免許が違いますので、もちろん試験も違います。正看護師試験・准看護師試験については、このあと詳しく紹介したいと思います。
正看護師 | 准看護師 | |
---|---|---|
免許 | 国家免許 | 知事免許 |
業務 | 自分の判断で業務を行なうことができる | 医師や看護師の指示に従って業務を行なう |
正看護師も准看護師も、医療行為を行なうことはできません。准看護師は、医師や看護師の指示に従って業務を行ないますが、実際に行なっている業務自体は、正看護師と准看護師ではほとんど違いはありません。
しかし、准看護師と正看護師との、給与や昇格などにおける違いはハッキリしています。同じような業務を行なっていても、給与の水準は准看護師の方が低いというのが実情なんです。
正看護師になるには?
正看護師になるには、国家試験を受験して合格しなければいけません。看護師国家試験の受験資格には、主に次のようなものがあります。
- 看護師養成所を卒業する(准看護師養成所では受験資格を得られません)
- 看護短大や高校(看護科)を卒業する
- 大学で看護師に必要な学科を取得する
など
最近は外国人が看護師試験に合格した話題などを耳にしますが、外国で看護師資格を取得した人で、十分に看護の知識が身についていると認められる人に受験資格が与えられるなど、看護師試験の受験資格はさまざまです。
看護師国家試験の詳細
看護師国家試験についての手続や問い合わせは、地方厚生局(地方厚生支局)で受け付けています。
試験日程 | 2月中旬の日曜日 |
---|---|
試験地 | 全国10都道府県 |
合格率 | 90%前後 |
受験費用 | 5,400円 |
合格率を見てわかるように、看護師国家試験は国家試験の中でも難易度の低い試験と言えます。
准看護師になるには?
准看護師資格は、都道府県知事試験を受験して合格すると取得できます。そして、准看護師試験の受験資格には次のようなものがあります。
- 准看護師養成所を卒業する
- 高校看護科を卒業する
など
准看護師試験の詳細
准看護師試験は都道府県により実施されるため、地域によって日程や試験問題などに違いがあります。
試験日程 | 2月中旬 |
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試験地 | 全国各地 |
合格率 | 90%以上 |
受験費用 | 6,900円 |
試験問題は地域で違いはありますが、問題数(150題)、試験科目、四肢択一式(筆記)、合格基準60%という点は同じです。
准看護師から正看護師を目指すには?
准看護師から正看護師にステップアップしたくても、受験資格がなければ、どんなに経験豊富で多くの知識を身に付けていても、試験を受けることができません。
全日制の看護師養成所(2年)に通う・定時制の看護師養成所(3年)に通うという方法もありますが、働きながら学校に通うのは難しいですよね…。
しかし、平成16年から10年以上の実務経験があれば、通信教育で正看護師の受験資格が得られるようになりました。10年の実務経験が必要となりますが、働きながらでも正看護師の受験資格が得られるようになったんです。
通信教育で准看→正看になる
10年の実務経験(非常勤も含む)が必要なので、准看護師になったばかりと言う人は、長く期間がかかってしまうので、通学制の学校に通った方が近道になるかもしれませんね。
でも、通信教育で受験資格が得られるなら、働きながら正看護師を目指すことができます。
正看護師試験の受験資格を得るためには、65単位が必要です。その中には、臨地実習も含みます。
通信教育は、自分の好きな時間に好きな場所で勉強することができますが、臨地実習は40日程度病院施設などで実習や面接などを行ないます。
通信教育で受験資格を取得したら、さらに国家試験を受験する必要があります。働きながら行なうのは、すごく大変なことですが、准看護師と正看護師では待遇が大きく違いますので、チャレンジする人はたくさんいます。
日本看護協会などでは、准看護師から正看護師を目指す人を対象として、奨学金の貸与を行なっています。このような制度を上手に活用するのも良いでしょう。