不潔なカラコンを使うと失明の危険がある
国民生活センターが2009~2010年に発表した報告によれば、コンタクトレンズ使用者の7%~10%が眼障害を発生しているそうです。
中でも増えているのが『アカントアメーバ角膜感染症』。
この病気は最悪、失明する危険がある難治性の角膜疾患で、洗浄の不十分なコンタクトレンズを使う事により感染。
そのうち、85%~90%はカラコンの主流である『ソフトコンタクトレンズ装着者』でした。
元記事:国民生活センター-ソフトコンタクトレンズ用消毒剤のアカントアメーバに対する消毒性能-(http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20091216_1.html)
目の感染症を防ぐには正しい洗浄・消毒・保管が必要
カラコンに限らずコンタクトレンズは使用するたびに、ほこりや花粉、脂質、化粧品、タンパク質などの汚れが溜まっていきます。
これらを小まめに洗浄しなければ、カビや細菌、そしてアカントアメーバが繁殖してしまいます。
だからこそ、目の安全と健康を守るためには、正しいケアの方法をしらければなりません。
カラコンの洗浄と保存に必要な物
感染に弱い角膜を守るには、水道水で洗うだけでは不十分。
効果が証明されているケア用品を準備する必要があります。
1.コンタクトレンズの洗浄液
1本で『洗浄・すすぎ・保存』の3役をこなすMPS(マルチパーパスソリューション)タイプが簡単でおすすめです。
ただし、商品によってはアカントアメーバを十分に除去できない商品もあるので注意が必要でしょう。
おすすめMPS
2009年に国民生活センターがアカントアメーバの除去に効果があると認めた商品を紹介します。
下の2つの商品には、タンパク質を除去する成分も含まれていますが、気になる場合は、別途タンパク質除去剤を用意するものよいでしょう。
【ボシュロム】レニューフレッシュ
http://www.bausch.co.jp/renu/fresh/
名称が「レニューマルチプラス」から変更になっていますが、洗浄性能や殺菌性能は変わっていません。
2.脂質除去剤
汚れやタンパク質は上記の洗浄液で落とす事が可能です。
しかし、カラコンは手の油やハンドクリーム、化粧品などで曇っていきますが、その原因である脂質を落とすには十分とは言えません。
おすすめ脂質除去剤
【チバビジョン】ミラフロー
http://www.lenscare.jp/lineup/pluscare/index.html
一度、発売中止になった物が日本眼科医会の要請により再販が決まった商品です。
それだけ油汚れに強く、安心して使える商品と言えます。
ミラフローは週に1度の使用で十分でしょう。
また、使用した後は薬剤が残らないよう、MPSですすぐ必要があります。
3.レンズケース×2個
コンタクト本体よりも汚れやすいレンズケースは、洗浄した後に乾燥させなければなりません。
100均でも構わないので、最低でも2つ以上用意し、ローテンションで使用するようにしましょう。
カラコンの洗い方
- 石鹸で手を洗う
- メイクを落とす前に、コンタクトを外す。
- 手のひらに乗せ、洗浄液(MPS)を2~3滴落とす。
- 人差し指で、前後に『こする』ように洗う。
- 両面のこすり洗いが終わったら、たっぷりの洗浄液で両面ともすすぐ。
洗浄方法の注意点
- こする時は前後方向に。破損の原因になるのでくるくると回すようにしてはいけない。
- すすぎは洗浄液を使う。もったいないからと水道水で流すのはNG。
レンズケースの洗い方
- 保存液(MPS)を捨てた後、キャップ、本体の両方を、水道水でしっかりと洗い流す。
- 洗い終わったら、水気を切り、清潔な場所で自然乾燥させる。
危険なアカントアメーバは、カラコン本体よりもレンズケースで繁殖する事が多いので、しっかりと洗浄します。
この時、水分が残っていると雑菌が繁殖する可能性があります。
十分に乾燥させるためにも、レンズケースは複数用意しましょう。
また、溝が多く洗いにくいレンズケースは、安全の事を考えるなら3ヶ月に一度は新しい物に交換する事をおすすめします。
カラコンの保存方法
保存液(MPS)は、1回ごとの使い切り。
カラコンは、毎回新しい保存液を使用してください。
また、除菌に必要な時間は平均4時間。
長期間、コンタクトを使用しない場合は、1週間ごとに保存液を交換します。
角膜は細菌に感染しやすい
角膜は抵抗力が弱く、少しの細菌にも感染しやすい臓器。
その為、コンタクトの手入れを怠ると、炎症や角膜炎を起こしてしまいます。
目の健康を守るためにも、カラコンを使用した後は、雑菌が繁殖しないケアが必要になります。