約款はしまっておくものではなく見るもの
保険を契約する際に、お客様控えに“約款(やっかん)”という字が書かれているのを見た事があると思います。もしくは、しおり(冊子タイプ)でもらった事があると思います。
約款をもらった人の中には、『細かい字がいっぱいで、読むだけでも頭が痛くなりそうだから本棚にしまっておこう』『お客様控えだからファイルケースにいれて保存しておこう』と考えるかも知れません。
この約款には、とても大切な事がたくさん書いているので、契約者および被保険者は目を通す必要があります。
この約款に書かれている事を『知らなかった』もしくは『見なかった』為に大変な事になる場合もあります。また、『知らなかった』『見ていなかった』では通らない事になる場合もあります。
約款は拘束力のある説明書
プラモデルを買ってきた場合、箱の中には必ず説明書が入っています。そして、パッケージには完成予想図が描かれています。完成予想図や説明書を見ないで組み立てる事は難しいでしょう。
ちゃんと完成させるにはその説明書を読むはずです。
仮に細かい文字で書かれていても目を通すでしょう。
約款についても同じような事が言えます。
契約の注意事項が説明書にあたります。
『こういう時は支払われません。こういう時は注意して下さい。』という注意書きです。
この様に、約款とは“保険の契約に関係する細かい条件や注意事項”が書かれた説明書として考えられます。
さらに、約款に目を通した方が良い理由として、『保険に限っては約款を見る見ないに関わらず内容が合意されてしまう』という理由があります。契約を交わした時点で約款の内容が拘束力のあるものとして力を発揮してしまうのです。
なので、契約した後は“拘束力のある説明書”である約款を見ないと大変な事になりかねないのです。
約款に書かれている“拘束力のある内容”
約款の中にはどんな内容が書かれているのでしょうか?
責任開始日
契約した後にいつから保険が適用されるかが書いています。よってそれ以前に関して支払いされません。
契約の解除と無効
保険会社側から契約が解除される状況や、保険料の支払いがとどまった時の解除。無効になる状況を書いています。
配当
配当期間や配当基準が書いています。
支払い
保険金が支払われる状況と支払われない状況の説明をしています。
払い込み方法
保険料の払い込み方法についての説明が書いてあります。
契約変更
契約内容を変更するにあたっての注意点や方法が説明されています。
解約と返戻金
契約を解約するときの注意点やその際の返戻金についての説明がされています。
これらは代表的な内容です。この他にも詳細な点が多く載せられています。
そして、約款に掲載されている内容は、契約者の見る見ないに関係なく拘束力を発揮してしまいます。
なので、契約者および被保険者は約款に目を通す必要があります。
保険において『見ていなかった』『知らなかった』は通らない
契約者および被保険者は約款の内容に精通していないと、約款に違反する行動をとってしまう危険があります。そのために『契約が解除された。』『保険金の支払いがなかった』という事もあります。
細かい字がいっぱいで読むのが大変だったり、冊子タイプの約款をもらうと、すぐに本棚やファイルで保存したくなります。
しかし、約款は契約者および被保険者の生命保険という完成予想図を目指して組み立てていく説明書です。
解らない所は、保険会社と相談して問題を解決しておくと良いでしょう。
『見ていなかった』『知らなかった』は通らない事もあり得るのです。