賃貸物件で起こるトラブル…どう解決すればいいの?
賃貸物件出の一人暮らしは気楽であると同時に、掃除や家事・炊事などの責務に追われることになるもの。責務をこなすのに必死になっているうちに、やらなければならないことを忘れてしまって大変な目に合ってしまうということもあるのが一人暮らしなのです。
レンタルビデオの返却延滞くらいなら笑い話にもなるでしょうが、家賃の延滞となるといろいろ面倒なことになります。もしも、あなたが家賃滞納などのトラブルを起こしてしまった場合、どのように対処すればいいのでしょうか。
もしも家賃滞納してしまったら…。
賃貸物件で一人暮らしをしている場合に良くあるのが家賃滞納によるトラブルです。家賃滞納は賃貸契約の際の条項にも記されているはずですが、契約解除と強制退去を求められる根拠になりうる瑕疵といえます。
家賃滞納による強制退去は、管理会社の方針によって行われるタイミングが変わります。強制退去が行われた場合、部屋の中の家財一式を処分してしまうことさえあります。ペット可の物件の場合、飼っていたペットが保健所に持ち込まれたというケースさえあるのです。
もしも家賃を滞納していた場合は、早急に大家さんや不動産管理会社に連絡を取り、家賃を払う意思があること、分割でも払っていくつもりであることを告げましょう。
出来れば、家賃の振込口座に幾らか払い込んでおくことも告げてから入金するとよいでしょう。
何か月までなら滞納OK?
不動産管理会社によって、何か月分の家賃滞納をしたら強制退去になるのかというボーダーラインは変わってきますが、判例的なボーダーラインは「三か月分」となっているようです。
「三か月分の家賃滞納があると、催告なしで賃貸契約の解除が出来る」というのが最高裁判例で出ているため、2か月分滞納がギリギリのラインと解釈できます。
ただし、管理会社の中には一か月延滞の時点で鍵交換・家財処分に踏み切れる契約内容を準備しているところもあるので「2か月は大丈夫」と安心してはいけません。
退去の際の原状回復はどこまでの範囲?
契約解除や引っ越しで物件から退去する際、入居時に支払った敷金からクリーニング代・修繕費を捻出して物件の原状回復を行うことになります。
しかし、物件の汚れや損傷が激しいとクリーニング代・修繕費が嵩んで敷金だけでは足りず、追加請求が発生する場合があります。
また、大家が必要以上に修繕費を請求しているケースもあって、原状回復と敷金の返還は賃貸物件におけるトラブルの中でも面倒な部類に入ります。
国土交通省では「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(PDF)
を製作して、原状回復のトラブル減少のための啓蒙活動を行っています。
このガイドラインに従うと、「日常生活で発生すると考えられる損耗・汚れ」は家主の負担で「日常生活で発生するとは考えられない損耗や汚れ」は賃借人の負担になるものと考えられます。
例えば壁についた画鋲の穴は「日常生活で発生する損耗」の範疇ですが、釘や木ねじで開いた穴は「日常生活で発生するとは考えられない損耗」の範疇に入ります。
契約書の特約にも注意しよう
物件の原状回復については、ガイドラインによってある程度の指標が示されてはいるものの、家主が契約書に盛り込まれた特約を盾にして修繕費の請求や敷金の返還を拒否するケースも少なくありません。
契約書の内容は、法律に反した内容や合理性に欠ける内容でない限り有効とみなされる物です。そして、契約の際に契約書の内容を説明することは義務付けられているので、後で契約書に書いてある特約を示されても「知らなかった」では済まされないのです。
入居前・退去時の写真を撮っておこう
原状回復トラブルの解決に一番大事なことは、原状回復の目安となる入居前の物件の状況を家主・賃借人で共有しておくことです。そのためには入居前に写真を撮っておくとよいでしょう。出来れば法的な証拠として認められやすいフィルムカメラで撮影しておきましょう。
また、退去の際には家財を運び出した後の物件の内部を撮影しておくことも忘れないようにしましょう。原状回復のためのクリーニング・修繕の際に、「撮影の際に確認できなかった損耗や汚れ」を指摘されることも珍しくないのです。