実は難しい田舎暮らし…何がセカンドライフの妨げになる?|トピックスファロー

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2013年2月12日
実は難しい田舎暮らし…何がセカンドライフの妨げになる?

若い頃は都会で働き、定年が来るころには田舎でセカンドライフを送りたいと考えている人は、専門誌が発行されるほど結構多いものです。しかし、大きな夢を抱いて田舎に向かったものの数年で尾羽打ち枯らして都会に逆戻りする人も少なくないのが、田舎暮らしの難しい所です。

WEBライター
  

皆夢見る「田舎でスローライフ」はそんなに甘くはない!

「田舎で暮らす」という言葉には牧歌的でのんびりとした雰囲気が感じられ、生き馬の目を抜くような慌ただしい都会とは違った時間の流れを思い起こさせます。
晴耕雨読の自給自足生活を、と定年退職後は田舎で暮らそうと考えている人も少なくないでしょうが、実際にセカンドライフを田舎で送ろうと実践した人に聞けば「悪いことは言わないからやめておけ」という答えが返ってくることもまた少なくありません。
なぜ、せっかく「田舎暮らし」という夢を実現したのにも関わらず諦めてしまうことになるのでしょうか?

田舎の方が人が冷たい

よく「都会は人が冷たい、人の暮らす場所じゃない」と言いますが、実際には田舎の方が人が冷たく、住み心地も良くないものです。

なぜかというと、都会は田舎から出てきた人の方が多いため集団意識を持つのが難しい分個人の自由が尊重されますが、田舎は地域への帰属意識が高い地元住民が圧倒的に多いため、集団に属さない人間を排除しようという心理が強く働いているのです。
その為、田舎に引っ越してきた新規住民は何時まで経っても「よそ者」扱いの上、どんなに地域に貢献しても同格の仲間として扱われるようになりにくいのです。
もしも「老後は田舎暮らしをしたい」と考えるならば、自分や配偶者の故郷にUターンすることを前提にするべきです。田舎は血縁と地縁が物を言うので、縁のない場所に移住しようと考えるべきではないのです。

自然が厳しい

「田舎=自然が豊か」という認識は間違いではありません、しかし、自然という存在は山菜などの恵みを与えるだけではなく、毒草や獣など時には命さえ脅かす恐怖を含んでいるものです。
さすがに、田舎に住んだ途端にクマに襲われたりするというわけではありませんが、田舎に行けば行くほど家の中でも虫に悩まされる可能性はどんどん高まっていくのです。

例えば、窓を開けていればハエや蚊など羽根のついた虫は次々に飛び込んでくるし、お風呂やトイレにはどこから入ってきたのか分からないムカデやゲジゲジ、カーテン・洗濯ものにはカメムシ、台所や勝手口にはゴキブリやらカマドウマというように身の回りが虫まみれになりやすいのです。
虫を触るどころか見るのも嫌という人には田舎暮らしは到底勤まらないと言っても仕方ないことでしょう。
また、自然の恵みである山菜も田舎なら取り放題ということはありません。山菜が生える場所は大抵周辺住民が所有していて無断侵入・採取を行ってしまうと村八分にある危険さえあるのです。

年寄りよりも若い世代に来てほしい

田舎暮らしに憧れる人は若い世代からお年寄り世代まで幅広いものですが、田舎暮らしを実行に移せるのは定年退職して子供に手が掛からなくなった壮年世代が多いものです。
しかし、移住先の住人にしてみれば「年寄り夫婦じゃなくて嫁・婿になる若者に来てほしい」というのが本音なのです。

農村の限界集落化が深刻な問題になっているように、田舎は深刻な若者不足に陥っています。未婚のまま50代を迎える男女も多く、若い男女を都会から引っ張る努力をしている地域も少なくありません。
だから、田舎は定年退職した夫婦ではなく子供が望める若い世代にこそ移住してほしいと願っており、移住者への態度が厳しくなるのです。

物価はそんなに安くはない

都会の人が田舎暮らしに期待していることに「物価が安いから生活費が抑えられる」ということが言えます。実際、田舎では無人販売所などで質・量ともに良い野菜が低価格で売られていたり、近所からのおすそ分けでいろいろ貰えて生活が助かっているという人も少なくありません。

しかし、物価というものは「田舎に行けば何でも安い」となるわけではなく「田舎に行くほど高くなる」ものもあるのです。それに、田舎では都会と同じようになんでも買えるわけではありません
例えばガソリンや灯油などはタンカーが入港できる港に近いほど安く、山に行けば行くほど輸送費が掛かるため高くなります。田舎だと大型ショッピングセンターか地元の小さな商店街などが買い先の選択肢になるため、「安いものを選んで買う」「流行のものを買う」ということが難しくなります

つまり、田舎は食費を抑えられるかもしれませんが服飾費や燃料費・雑費が高くつく可能性が大きいのです。

田舎でのセカンドライフには下調べ・根回しが必要

このように、田舎暮らしの現実は非常に厳しいものになりやすいと言わざるを得ません。「定年後は田舎に移住したい」と考えることには異論はありませんが、ただ漠然と考えていて定年になったら下調べもなく移住するのは間違いなのです。

田舎への移住は、前もって移住先の状況や必需品などすぐにでもその土地に溶け込めるような下調べをしっかり行っておくことが大事です。そして、移住する日が来たら自治会長などの地元住民のリーダー格に手土産を持っていき「これからよろしくお願いします」と礼を尽くしましょう。こうすることで「よそ者」ではなく「仲間」として引き立ててもらえるというわけです。
このように既に出来上がっている集団の中に飛び込むには、どうすれば受け入れてもらえるかを前もって考え、実行することが大事なのです。

著者:塩屋 謙

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職業は編集・校正、そしてWEBライターでもあります。興味の範囲を広げつつ、様々な記事を書いています。