自分の歯。こんなおかしな生え方や形をしていませんか?
自分の歯を鏡でよく観察してみてください。生え方や形に疑問を感じたら、歯の形態異常かもしれません。
そのまま何もしないと、永久歯が上手く出てこなかったり、虫歯など歯のトラブルを招いてしまうことがありますから、早目に歯科で診てもらいましょう。具体的には下記のような状態になっていたら、要注意です!
隣同士の歯がくっついていたら『癒合歯』
癒合歯(ゆごうし)とは、隣り合う2本の歯がくっついている状態のことを指します。
見た目の幅が広くなるため、巨大歯と呼ばれることもあります。症状はさまざまであり、癒合部分の境目が明確なものもあれば、境目が見えないほど、ほぼ完全に合体しているものもあります。
癒合歯が起こりやすいのは、中心から数えて2本目か3本目の前歯であり、上の歯にも下の歯にも起こります。乳歯が癒合歯だった場合、その下から生えてくる永久歯も癒合歯のことがありますが、このケースはあまり多くありません。正常な永久歯が生えてくるケースのほうが多いです。
ただし、生えてくる永久歯の数が2本のこともあれば1本のこともあります。
一見問題がないように感じられますが、数が合わないことや、歯肉のスペースが足りないことなどが障害になって、乳歯からの生え変わりがスムーズにいかなくなってしまいます。
癒合歯を発見したら歯科に相談し、必要に応じて乳歯の抜歯処置をしてもらいましょう。
他の歯より明らかに小さかったら『矮小歯』
矮小歯(わいしょうし)は、歯の退化現象の1つと考えられています。
前歯と犬歯のあいだにある上顎側切歯、親知らず、過剰歯に表れやすい特徴があり、歯の先端が尖っていたり、他の歯より明らかに小さかったりしたら、矮小歯と判断して良いでしょう。
矮小歯があると、いわゆるすきっ歯の状態なってしまうため、見た目にコンプレックスを抱く人も少なくありません。どうしても気になるのであれば、審美歯科でラミネートべニア(歯の表面を削って、セラミック素材の人工歯を貼りつける施術です)を受けることをお勧めします。
歯の根元に孔があいていたら『盲孔』
歯の内側や外側の根元に、孔があいている状態が盲孔(もうこう)です。
日本人の30~40%に盲孔があると言われているほどに多くみられる症状であり、発生頻度がもっとも高いのは臼歯ですが、上顎側切歯に表れる場合もあります。
盲孔はその形状のせいで汚れがたまりやすく、高確率で虫歯の発生源となるため、歯科で正しいブラッシング指導を受けたり、歯の溝や孔にレジンを詰めるシーラント治療を受けておくのがベストです。
孔が深いほど虫歯になる危険性が高いですから、早目に手を打ちましょう。
歯の中心に突起ができていたら『中心結節』
歯の中心に不自然な突起ができていたら、中心結節(ちゅうしんけっせつ)です。
よくみられるのは下顎第二小臼歯ですが、上顎側切歯に表れることもあります。
中心結節はたびたび噛み合わせや咀嚼の障害となり、突起が割れたり折れたりすると、歯髄炎や根尖性歯周炎などのトラブルを招き激しい痛みを生じさせるので厄介です。
突起が細くてもろい場合は、破折を防ぐためにレジンで補強する治療法が有効です。
歯を削って噛み合わせを調整する場合もあります。突起が既に折れていて、神経が露出してしまっている場合は、歯の神経を抜かなければならないこともあります。